『前橋競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月23日

 ナイターのGIIIシリーズ、前橋競輪場開設71周年記念「三山王冠争奪戦」は5月22日に3日目が行われた。準決勝3個レースをメインに熱戦が展開。準決勝は波乱もあったが、清水裕友、小倉竜二、竹内雄作、吉田敏洋らベストナインが出そろった。23日の決勝戦でシリーズの頂点を決める。
 今シリーズは無観客での開催となります。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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脇本勇希選手
脇本勇希選手

東口善朋選手
東口善朋選手
 脇本勇希(写真)が最後方からの大まくりで波乱を演出した。レースは前受けの相笠翔太が青板のバック過ぎに誘導員を交わしてハイピッチで駆ける。脇本を飛ばして中団を取った佐々木悠葵は赤板の2コーナーからスパート。相笠を強引に叩いて主導権を取るが、佐藤友和が佐々木の後位で粘って木暮安由と競り合う。最後方まで下げていた脇本は最終2コーナーからまくり上げると、前団の混戦を豪快に飲み込んだ。
 「作戦はいろいろ考えていたんですけど、相笠さんがやる気満々で、下げて中団が取れそうだったんですが、取れずに後ろまで下げて一発を狙いました。自分はもうないかなって思ったんですが、後ろで脚がたまっていくのが分かりました。踏めていたし、まさかまくりで1着を取れるとは思わなかったです。(記念は)準決勝も初めてだったのに決勝に乗れるとは。すごいうれしいです」
 赤板で脇本との連係を外して関東勢の後位に切り替えた東口善朋(写真)が直線で外を伸びて2着。現地集合の形で近畿ワンツー決着となった。
 「脇本君と佐々木(則幸)さんに迷惑をかけてしまいました。北日本の相笠君の気持ちに僕が負けてしまいました。脇本君にしっかり付いていくべきでした。もう反省しか残らないレースですね。同じ失敗をしないように、しっかり走りたいと思います」
 北日本ライン3番手回りの阿部力也がしぶとく3着に突っ込んだ。
 「相笠君がやる気満々でしたね。格上相手にしっかり駆けてくれました。(佐藤)友和さんもいいレースをしてくれて、前2人のおかげです。僕なんて何もしてない。ラインのおかげで乗せてもらいました。その思いをしっかり汲んで、優勝できるように。状態はずっと変わらずいいと思います」

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竹内雄作選手
竹内雄作選手

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 このレースも打鐘の3コーナーで和田健太郎、大塚健一郎の2人が落車する波乱のレースに。レースは早めに飛び出した渡邉雄太を竹内雄作(写真)が打鐘前に叩いて逃げる。そのまま快調に飛ばして力強く押し切った。
 「前を取って下げてから回そうかなって思っていたけど、想定外で焦った。出切るのに時間がかかってしまったけど、吉田(敏洋)さんが仕事をしてくれたので良かった。シューズとフレームを変えて安心して走れている感じはないけど、残れているのでいいと思います。連日、距離が短いので残れているのかな。ダービーよりはいいのかな」
 吉田敏洋がしっかり竹内をアシストして2着に入り、中部ワンツーが決まった。
 「(竹内)雄作にお任せで。今日(3日目)のレースは竹内雄作の貫禄勝ちでしょう。初日よりも雄作の走りの質は準決勝になって上がってきた。雄作のおかげです。初日に失敗して気持ちを入れ直して、2日目はしっかり踏み切れたし、状態は良くなっていると思う。決勝は千切れないように追走したい」
 最終4コーナーで吉田の内をすくって追い込んだ渡邉雄太(写真)は3着まで。
 「1回切って、(山田)ヒデさんだけは出させないようにって思ってました。(竹内)雄作さんが来て、その後ろに入れれば良かったけど、ヒデさんに入られてしまった。でも、前々に攻められているので、いいと思います。ダービーよりかはいいかなという感じです」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手

清水裕友選手
清水裕友選手
 後ろ攻めから切った山崎芳仁を雨谷一樹が赤板で押さえる。このラインを追った清水裕友は3番手の外で山崎と併走する形から仕掛ける。懸命に抵抗する雨谷を清水が最終ホーム前に叩き切って先行。これで絶好となった小倉竜二(写真)が直線できっちり差し切った。
 「早い段階で(雨谷が)インを切って、楽に出させてくれるかと思ったら出脚もあるし、清水君も合わせられる感じになりましたね。飛ばされないようにピッタリ付いていたので楽ではなかったです。出切ってからは余裕がありました。清水君がしっかり勝ち上がりのレースをしてくれている。展開に恵まれているけど、きっちりとらえられているんで、いいと思います」
 清水裕友(写真)は二次予選に続いて2日連続の先行策。連日、小倉に差されているが、強さは際立っている。
 「細切れなんで真ん中が組み立てやすいかなと。本当は赤板で叩けたら良かったけど、雨谷さんのダッシュがいいので、3番手に1回入ろうと思ってしまった。山崎さんに隙がなくて無理やり叩きに行ったんですが、もがき合いのような感じになって結果的にキツくなりました。出るのに脚を使って沈むかなって思ったけど、残れて良かったです。状態は問題ないんですが、レースがハードでした。体はしっかり動けていると思うので、もう少し流れに乗って走りたいですね」
 雨谷マークから中四国コンビの後位にスイッチした海老根恵太が3着。20年2月小倉以来、1年3カ月ぶりのGIII優出を決めた。
 「(GIII決勝はいつ以来か)全く記憶にないですね。記念自体、(1月)和歌山以来、今年2本目なので。(雨谷が)すごいダッシュで頑張ってくれました。それが全てですね。申しわけないけど切り替えさせてもらいました。脚というか体自体が少し重い感じなんですが、初日、2日目よりもマシになりました」