『前橋競輪ドームスーパーナイトレース(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月14日
 前橋競輪場で「ドームスーパーナイトレース(GIII)」が、10月14日から始まる。ナイターの4日制で行われる今シリーズに、地元の関東地区は宿口陽一、吉澤純平、武田豊樹、神山拓弥、地元の佐々木悠葵ら精鋭が集まった。また、ガールズケイリンでは、先の東京五輪をわかせた小林優香がシリーズの主役を務める。前検日の10月13日は、ドームの高速バンクでの感触を確かめながら、選手それぞれが入念な調整を行った。
 なお、前橋競輪場では、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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山原さくら選手
山原さくら選手
 山原さくら(写真)は9月防府FII、10月富山FIIと2場所連続で完全優勝。中3日の日程だが、勢いそのままに参戦する。
「前回の富山から中3日でほぼ移動だったので、1日だけバンクに乗ってここまできました。追加ですけど、ずっと33バンクを走っていたのでいいかなと。33は得意ではないんですけど、前橋は33のなかでも好きなバンクでドームも好きです。後手を踏んだらキツいバンク。でも、駆ければスピードが落ちないので、そこを意識して走りたいですね」
 久米詩は前回の函館FIで初日と2日目は未勝利も、決勝では奥井迪の仕掛けを追いかける形から、最後に鋭く抜け出してV。着実に力をつけ、今シリーズでもV候補の一角を担う。
 「(ここまでは)とくべつ変わった練習はせずに、以前から変わらず同じようなメニューをしてきました。レース前ということも考えずに、負荷をかけて練習してきた。いつもと状態は変わらないのかなと思います。(前橋は)前回走った時に、33バンクでドームですごい高速になるなと感じた。今回はそれをしっかり踏まえて走りたいと思います」

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鈴木美教選手
鈴木美教選手
 総合力で勝る鈴木美教(写真)が中心。現在賞金ランキング7位だけに、地元の静岡で行われるグランプリ出場に向けて、一瞬たりとも気が抜けない。
 「取手の前検日に追加をもらって、迷わず受けました。前回の取手は優勝できましたけど、その前は取りこぼしたりしていたので、目の前の一走一走を頑張るだけです。中3日から休まず練習してきて、状態は前回から変わらないと思います。前橋は前々にいたほうが有利ですし、走り方は大丈夫です」
 仕掛けがハマった時の破壊力なら点数以上の細田愛未。直近2場所は惜しくも準優勝が続いており、今シリーズでシルバーコレクターを返上するべく、まずは初日からエンジン全開だ。
 「ここまではいつも通り師匠(太田真一)と練習してきました。調子はいい意味で変わらないと思います。セッティングも元に戻ったし、自力で3着以内に入れるようになってきた。このまま自力でやっていけば、力がついてるのかなと。前橋は積極的にいかないと飛んだりするので、積極的な走りをしたいですね」

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小林優香選手
小林優香選手
 東京五輪代表として世界の強豪を相手に戦った小林優香(写真)は、国内の競輪に復帰後、順調に白星を重ねている。優勝候補の最有力として、予選では負けられない。
 「変わらず練習はしてきました。熊本記念(in久留米)が終わってからはバンクに入れたので、2日間バンクで練習をやってきた。(ナショナルチームの活動に関しては)いまは考える期間をもらっているので、考えがまとまったらなんらかの形で発表をしたいと思います。男子とモガいていいタイムが出ていたので、調子自体はいい。仕掛けどころと、バンクの特性を意識して走りたい。トライアルレースが最後の勝負なので、そこに向けてやっていきたいですし、まず目の前の一戦一戦をしっかり戦いたい」
 土屋珠里は前回の奈良FIで最終ホームから一気に仕掛けて逃げ切りV。右肩上がりの状態で、今シリーズに参戦する。
 「(前回から中9日は)ほとんど岸和田のバンクに入って練習をしてきました。(大阪に移籍して)初めは慣れない環境で、レース間隔も詰まったりして疲れもあった。けど、そこから気持ちも切り替えて(状態を)上げていけるようにして、みなさんに暖かく迎え入れてもらってすごくいい練習ができている。レースのなかでは自信もついてきたし、最近は逃げても以前よりは残れることが多くなってきた。長い距離を踏めているのかなと思います」

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 ここは山田諒が中心となりそう。地元で行われた共同通信社杯は成績が振るわなかったが、前回の豊橋FIでは連勝で決勝に進出。ここも持ち味の積極策でレースを支配できるか。
 「(前回は)決勝に行けたのでいいかな。共同通信社は普通に走れたけど、地元だったので結果を出したかった。だいぶ(開催が)続いたので、ここまではしっかり休んでから練習をしました。前橋はS級で走るのは初めて。スピードが速くなると思うので、頑張って攻略できれば。33バンクは仕掛けも早くなるので、正直好きではないです」
 山田の番手を務めるのは宮越孝治。鋭い決め脚を武器に、山田を巧みにリードして一次予選突破を目指す。
 「前回は久しぶりに決勝に乗れて感じは良かったです。ここまでは地元で練習してから、長野県の松本にある競技場に合宿にいきました。体調も崩していません。前橋は大好きなバンクです。山田君とは何度も連係がある。流れはきていると思うし、競走得点も上げていきたい」

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 前々回の小田原記念で上々の動きを見せて優出した佐々木豪だが、前回の共同通信社杯は7629着と一息に終わった。
 「岐阜(共同通信社杯)はかみ合ってなかったです。8月の小田原はすごくかくみ合っていたんですけど、岐阜はうまくいかなかった。今回は3週間くらい空いていたので、思うように練習してきたし、いい状態できている。33バンク自体が好きなので、いいイメージで走れると思う」
 木村隆弘は、前回の熊本記念in久留米で5636着から中2日のタイトなスケジュール。
 「久留米は追加でした。中2日だったのでここまでは調整程度です。疲労をためないように疲れをとるだけでした。(前橋は)ドームの33バンクなので前にいないと厳しいイメージですね」

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 近況勝ち星から遠ざかっている阿部大樹だが、ここでは競走得点上位の存在。得意のまくり展開に持ち込めるかがカギになる。
 「中2日なので、疲れが残っているかは走ってみてですね。前橋は7月に走って、自力で悩んでいる時に連日、自力でやって連勝で勝ち上がれたのでイメージはいいですね。初日は地元が付いてくれるのでやる気は出ますし、ワンツーが決まるように頑張ります」
 地元の稲村成浩は、今期成績をまとめて競走得点を戻している。
 「普段通りに練習をしてきました。調子はとくに変わらないと思います。(阿部は)力強い競走をしてくれるし、しっかり付いていきたいですね」

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 前回から2週間近く空いた小林大介は、地元GIIIに上昇カーブを描いて参戦する。
 「取手までは競走が詰まっていたけど、今回は日にちが空いたので状態に関しては前回までよりはいいと思います。練習はしっかりできたと思います。地元を走る機会が最近は少なくなって、1年以上走っていなかったので、頑張りたいですね。小畑(勝広)君と一緒の参加は結構あるけど、連係は初めてです。いいレースしているので、信頼して付いていくだけです」
 一次予選は青柳靖起に託す市橋司優人は、5月の当所記念でも2勝をマークしている。
 「前回(久留米)の感じはそこまで良くはなかったんですけど、初日は展開に恵まれました。久留米が終わってからは、しっかり練習はしてきました。前橋は印象だけで言えば走りにくさはあるんですけど、この前走った時も2勝できているので悪くはないと思います」

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天田裕輝選手
天田裕輝選手
 前回の宇都宮FIから余裕をもって地元GIIIを迎える天田裕輝(写真)の初日一次予選は、金子哲大とのタッグ。
 「ここまではワクチンを打ったりして、ちょっと熱が出たりもしたので、大事を取って過ごしてきた。直前は練習もできたし、ドームでの練習も含めて、だいぶいいんじゃないかな。金子君は何回も連係しているし、いつも頑張ってくれる。しっかり付いていけるように」
 田中誠は腰痛に向き合いながら、目の前の一戦に集中する。
 「ちょっと最近は腰痛がモロに出て、腰が入っていなくて絶不調ですね。今期の初めの名古屋あたりから良くない。練習は変わらないくらいでやっているつもりだが、あんまり身になっていない。現状でやれることをやるしかないですね。平尾(一晃)はいつも頑張ってくれるので、ラインで決まるように」

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松本秀之介選手
松本秀之介選手
 前回の地元シリーズ、熊本記念in久留米では5512着。シリーズ後半に盛り返した松本秀之介(写真)が、好リズムで一次予選に臨む。
 「前回は初日、2日目と不完全燃焼だったんですけど、残りの2日間は出し切れた。今回もその感じのままいけたらいいですね。(9月の青森記念から)9車立てが続くんですけど、青森よりも前回の方が走りやすかった。前橋はA級の時に走って優勝している。その時は初日に立ち遅れてしまったので、そうならないように走りたいですね」
 前々回の小松島FIでは完全V、前回の福井FIでも1勝と勝ち星を重ねている久米良の状態はどうか。
 「なんかベクトルが合い始めた感じはあるけど、それと同時に流れも展開もいい。小松島の優勝は西武園(19年2月)以来なので3年ぶりくらいじゃないですかね。運を引き寄せたいですね。前回からは状態も変わらないイメージでいるけど、あとは走ってみてですね」

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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 一次予選でいきなり師匠の矢口啓一郎とタッグを組む佐々木悠葵(写真)は、前回の松戸FIの116着よりも好ムード。
 「(感触やセッティングは)結構いいと思う。ここ2週間は順調に練習できました。師匠とやってきました。(オールスターの)落車の影響はまだちょっとあるので、走って見てって感じです。でも、前回の松戸よりは全然いい感じです」
 川口公太朗は今期まだ勝ち星がなく、コンデションに関してもトーンは上がらない。
 「感触はずっと良くないのが続いている。自分の体ですね、良くいく方向で進めてはいるけど。ちょっと腰痛がって感じですね。練習は無理せず、それなりにはやってきたので、それなりには走れるかな」

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 神山拓弥は千葉でのピストシックス開幕シリーズに参戦し、競輪は共同通信社杯以来となる。
 「ここまでは計画的に練習をやってこれました。いまは点数がなくて特別競輪(GI)に乗れていないので、(来年2月の全日本選抜競輪の)選考期間内ですし、そこに出るように上げていきたいですね。(武田亮とは)初連係ですけどレースは見ているし、レースに関してはいうことはないですね」
 初日は同地区の先輩、根本哲吏に託す新山将史が侮れない。
 「前回の岐阜が終わってからは、疲れを取って練習してバランス良くできたと思う。初日は根本さんにしっかり付いていくだけですね。何度か連係していて、いつも頑張ってもらっているので自分もやれることをして頑張ります」

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宿口陽一選手
宿口陽一選手
 6月の高松宮記念杯でタイトルを奪取した宿口陽一(写真)は、年末のグランプリも控えているだけに、責任感をもって一走、一走に気持ちを込める。
 「岐阜(共同通信社杯)が終わってから、強めに練習してきました。西武園が使えなかったので、立川と大宮に入ってやってきた感じです。やり過ぎて疲労感は否めないですね。ドーム自体が好きなので、前橋のイメージも悪くないですね」
 宿口とは別線の吉澤純平は、武田豊樹との連係に静かに闘志を燃やす。
 「7月に復帰してから日に日に良くなっている感じはあります。だいぶいいころの感じには戻ってきている。前回までは結構詰まっていたので、ここまでは時間も空いてしっかり練習はできました」
 前回の和歌山FIを231着の坂本健太郎は、昨年10月以来の優勝をまくりで遂げた。
 「前回の和歌山は行く前から自力が少なかったので、まくりに特化したフレームをもっていって良かった。優勝は1年ぶりくらいだと思います。ここまで2週間以上空いたが、熊本記念(in久留米)でバンクが使えなかったので街道で田中誠に鍛えてもらった」