『前橋競輪ドームスーパーナイトレース(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月16日

 前橋競輪場で開催されている「ドームスーパーナイトレース(GIII)」は、10月15日に2日目が行われた。ガールズケイリンでは予選2、男子では二次予選で勝ち上がりが争われた。ガールズケイリンは鈴木美教、小林優香が連勝。男子でも初日特選を制した宿口陽一が、二次予選でも人気に応えて連勝で準決に進んだ。10月16日の3日目には、ガールズケイリン、男子ともに準決で熾烈なバトルが展開される。
 なお、前橋競輪場では、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。検温、手指の消毒、マスク着用などのご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

土屋珠里選手
土屋珠里選手
 赤板手前から上昇した宮本杏夏を山原さくらが突っ張り、そのまま先行策に出る。周回中から山原後位にいた土屋珠里(写真)と宮本で2番手が併走となり最終回。しかしながら、1センターで宮本は後退して、土屋に好展開。押し切りを図る山原をわずかに交わした土屋が1着。
 「まさか山原さんがSに来るとは思わなかったですけど、自分は前々にいようと思っていたんで取れたところからいきました。本当に山原さんは強いので、後ろは気にせず前だけを見て付いていきました。最後の直線勝負かなと思っていたし、差しはあまり得意ではない。でも、道中で脚をためられたのが大きかったです」
 初日の予選1では不発の5着だった山原さくらは、先行力を披露して2着。
 「昨日(初日)は申し訳ないレースをしてしまったし、前々にいこうと思っていました。何人かジャンで来ていたんですけど、突っ張るしかないかなと思っていました。最近は交わされることも多いんですけど、出し切れました。自分は最終日に向けて良くなるし、昨日はスカスカしたけど今日は踏んだ感じも良かったです」


<2R>

鈴木美教選手
鈴木美教選手
 前受けの鈴木美教(写真)後位が西島叶子(イン)と中村美那の併走でレースが流れる。鈴木が誘導を降ろして、そのまま主導権。ほかの選手は動けず、鈴木の後ろは、最終1センターで西島が踏み勝つ。3番手の荒川ひかりが2センターから外に持ち出すが、前の2人を脅かすまでには至らず。鈴木が力の違いで逃げ切った。
 「ある程度、スタートを頑張って前から組み立てたいなって思っていた。中村さんが上がってきたので、いつもの私なら1車出させてしまったけど、1車も出させないって気持ちで走っていました。初日よりちょっと疲れていたというか、フレッシュな感じがしなかった。でも、それなりに走れていると思う」
 鈴木の後ろを踏み勝った西島叶子が、流れ込んで2着。鈴木の強さに脱帽する。
 「あの展開なら、自分の出る幕はなしかなと。しっかり鈴木さんを追走して直線勝負でした。鈴木さんのような組み立て方が理想ですね。踏み方とかもすごかったし、勉強になった。(最後は)車間を切って踏んだけど、まったく車が出なかったです」


<3R>

小林優香選手
小林優香選手
 小林優香(写真)は、打鐘では5番手の外併走。最終的に細田愛未がカマシ気味に主導権を握る。後方に置かれた小林だったが、2番手に飛び付いてまくった久米詩をロングまくりでねじ伏せて連勝のゴール。
 「自力の選手が多かったので、動きを見ながらいこうと思っていた。(久米)詩ちゃんがあの位置だったので、あそこからいくなとは思っていました。大外を行けたし悪くないと思います」
 細田の仕掛けに反応した久米詩は、最終2コーナーで2番手から仕掛けるも小林のまくりに屈して2着。
 「最初から前々に踏もうと思っていた。もうちょっと要所で素早く反応できれば良かったですね。遅れ気味になったり、コーナーで脚力不足を感じました。ケアレスミスもありましたけど、自分の状態自体は悪くないと思います」


<7R>

福田知也選手
福田知也選手
 青野将大が赤板で先頭に立ち主導権。単騎の新山将史が3番手に続いて、関東勢が中団を占める。7番手の佐々木豪は不発。新山に合わせて、逃げる青野の番手の福田知也(写真)が、最終バック過ぎから外に張りながら踏み込む。福田は余裕をもって抜け出した。
 「彼(青野は)は(自転車)競技出身で前橋は走りやすそうに走っていましたね。昨日(初日)も強かったし、信頼していました。地脚タイプで最後までタレなかった。(最終)3コーナーで(別線が)タイミング良く来てくれれば止めようと思っていた。自分は前々にいられれば、チャンスがあるかなという仕上がりです」
 目標の金子哲大が外に浮くと、矢口啓一郎は最終バック過ぎからインをすくい福田後位にとりつく。直線で差し脚を伸ばして2着に入った。
 「(最終)3コーナーを上っていくのはキツいと思って、内をいくしかなかったですね。外から降りられましたけど、なんとか耐えた。地元戦なので気合は入りましたね。昨日(初日)は緊張しすぎたんですけど、今日は冷静に走れました」


<8R>

坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 小畑勝広が主導権を握り、隊列は一本棒。坂本健太郎(写真)は7番手で打鐘を通過して、最終ホームではさらに車間が空いて万事休すかに思われた。が、5番手から仕掛けた簗田一輝の外をまくった坂本が前団をのみ込んだ。
 「感触的にはあまり良くなかった。もっとキレを重視して、ギアを1枚下げたけどイマイチでした。誰よりも怖い田中(誠)後輩が後ろにいたので、気合は入りました(笑)。メンバー構成的には展開も不利になると思ったけど、簗田君が先に仕掛けていったので、その動きを少し使わせてもらいました。前回の状態が10なら、今回は8くらい。直前に田中後輩にしごかれた疲れがあるのかも(笑)」
 逃げた小畑の番手で絶好の神山拓弥は、最終2センターで外にけん制してあおりをつくるも、坂本にはハンドル投げで負けて2着。
 「小畑君が頑張ってくれました。(最終)3コーナーから2センターにかけてけん制したかったけど、簗田君の車輪が掛かっているのが見えたので引っ掛けたらヤバイなって。(心残りは)そこだけですね。脚は問題ない、良くなっていくと思う」


<9R>

阿部大樹選手
阿部大樹選手
 打鐘手前で荻原尚人が隅田洋介を叩く。単騎の阿部大樹(写真)は北日本勢に続いて、4番手に隅田が下げると松本秀之介も仕掛ける。松本を阿部がけん制して、隅田はインを突く。阿部が最終2コーナー過ぎからまくりを打ち、逃げる荻原をあっさりととらえた。
 「単騎だったので前々にいようと思っていた。予想外の動きもあったんですけど、反応できているし悪くなかったですね。外で踏めるところをと思っていて、動こうかなという時に荻原さんがいったので乗っていきました。今節は外を踏むと決めているし、連日それができている」
 阿部のまくりに切り替えるように追った武田豊樹が2着に入り、別線の関東勢のワンツー。
 「厳しかったですね。残り1周で隅田君を迎え入れるのでキツかった。(隅田は)まだ勝負権があるかなと思った。隅田君が気持ちをもってレースをしてくれた。自分は脚に余裕はありましたね。1着を取るのは厳しかったけど、体の感じはいいですね」


<10R>

齋藤登志信選手
齋藤登志信選手
 大石崇晴がペースを握るが、4番手の根本哲吏が赤板2コーナー手前から踏み込む。小酒大勇はさばかれ、主導権を奪った根本に齋藤登志信(写真)が続いて、2人で3番手以下をちぎる。最終ホーム手前から7番手の佐々木悠葵も反撃に出るが、あおりもあって前団が遠い。齋藤が粘り込む根本を差し切った。
 「根本君がいい走りをしてくれたし、彼も自信になったと思う。正直、抜くのでいっぱいでした。前橋は33バンクだし、思い切り抜きにいかないと。いいイメージがなかったけど、前回(7月)の前橋で優勝してから気持ちも楽になった」
 前団のペースを見極めて抜群のタイミングでカマした根本哲吏が2着に粘り込んだ。
 「佐々木君が絶対的に強いので、前々に踏んで力を出し切ろうって思っていました。自分の強みは長く踏むことなので、緩んだらすかさず行こうと思っていました。ちょっと力が入り過ぎた。キツかったけど2着に残れて良かったです」


<11R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 赤板で先頭に出た吉澤純平(写真)は、岐阜コンビを受けて打鐘で3番手をキープする。山田諒の先行で最終周回。山田との車間を大きく空けた川口公太朗のけん制でタイミングを狂わされた吉澤だったが、きっちりとまくりで仕留めてみせた。
 「切ったところをすかさずいこうと思っていて、シンプルに考えていました。もうちょっと(山田が)来るのが遅かったら、ジャンから先行しようと思っていた。前とピッタリだったので前と間合いを取っていきました。脚に余裕はあったので、あとはタイミングですね」
 天田裕輝は川口のけん制で吉澤との連結を外す。2着には山田諒が逃げ残った。
 「(吉澤が)出させてくれましたし、あとはすべて(川口)公太朗さんのおかげですね。前から一発狙っていこうと思っていて、出切れたらラインで決められると思っていた。調子は良くはないが、出切れているので。GIIIの決勝はまだ上がったことがないので、こういうメンバーの開催で狙っていきたいです」


<12R>

宿口陽一選手
宿口陽一選手
 武田亮にフタをしてから再度踏んだ成松春樹が主導権。しかしながら、武田も赤板手前から巻き返し、抵抗する成松を叩いで駆ける。番手で好展開が訪れた宿口陽一(写真)は、後続との間合いを計り余裕をもって抜け出した。
 「(武田が)すごく強くてビックリしました。力強いレースをしてくれて、後ろで援護するまでもなかった。武田君の掛かりがすごかったです。初めて付いたけど、ものすごく強くて楽しみな選手。自分の脚の感じも悪くないし、いいと思う」
 ケレン味のない仕掛けで関東ラインをけん引した武田亮は、内容のある走りで準決に進んだ。
 「後ろが宿口さんと稲村(成浩)さんだったので、緊張しました。脚を使っていたのか、出切ってからはキツかった。でも、前橋は松戸の33バンクよりは走りやすい。2日目は感触があまり良くなかったので修正します」