『前橋競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月11日
 前橋競輪場を舞台に開催されている開設65周年記念「三山王冠争奪戦(G3)」は、11日に3日目を迎えシリーズも後半に突入した。決勝進出をかけて行われた準決の3個レースでは、松岡健介、松坂洋平、そしてSS班の浅井康太が、それぞれ白星を挙げてファイナルに進出した。また、地元からは木暮安由、小林大介の2人が優出。いよいよシリーズも大詰め。12日の最終日には三山王冠をかけて、決勝の号砲が鳴らされる。
 本場では先着1000人に抽選券を配布。最終日は抽選500人に地元銘菓が当たるプレゼントを行っています。また、専門解説者による予想会、競輪選手会群馬支部による選手お出迎え。高崎聖子グラビアアイドルトークライブ、「新宿カウボーイ」によるお笑いライブなども予定され、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。ぜひ、前橋競輪場へ足をお運びください。
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松岡健介選手
松岡健介選手
木暮安由選手
木暮安由選手
 準決勝ひとつめのこのレースは、後ろ攻めの竹内雄作が赤板を目がけて一気にカマし、主導権を握った。木暮安由や松岡貴久も合わせて踏み込んだが番手には飛び付けず、中近ライン3車がそっくり出切る。中団に収まった木暮が2コーナーからまくり返すが、竹内の掛かりが良く、番手の松岡健介(写真)のけん制もあってなかなか車が進まない。最後は松岡健が竹内を寸前でとらえてチャンスをつかんだ。
 「(レース前に)竹内君には競られるかもしれないから、自分のタイミングで落ち着いて行けって言ってあった。以前、彼に付けたときよりもスピードがすごくなってましたね。あれが別線だったらかなわなかった。出切ってからは大丈夫かなって思いました」
 強さが際立った竹内雄作は、3日連続で『逃げ』の決まり手を付け、納得の表情を見せる。
 「今日は競られるっていうのもあったんで、そこは気をつけていた。(別線に)粘られてしまうと、自分も“裸逃げ”になってしまうんで。ラインが3車っていうのも大きかった。落ち着いてレースができたし、ラインでのワンツーでよかった。普段はあんまり疲れとかは気にならないけど、さすがに今回は(体が)えらい。疲れを取ります。浅井(康太)さんは好きに走れって言ってくれるんで、自分が獲れるようにすれば浅井さんもチャンスがあると思うんで。次の大きな大会(寬仁親王牌)につながるように」
 まくりがなかなか進まなかった木暮安由(写真)だが、併走を懸命にたえて3着。地元の意地を見せて決勝の権利を獲得した。
 「作戦は番手、3番手に飛び付く、中団を取るなど、なんでもありでした。初日に川村(晃司)さん相手に1着取れたので、中団まで引いても大丈夫かなって思ったけど。珍しく緊張してしまいました。それでもなんとか3着に入れたのでよかったです」

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松坂洋平選手
松坂洋平選手
小林大介選手
小林大介選手
 一、二次予選を逃げ切り連勝で勝ち上がってきた山本伸一が早めに出て先行態勢も、その上を天田裕輝が押さえて赤板を迎える。天田はすかさず叩きに出た松坂洋平(写真)を出させずに主導権をキープ。浮いた松坂だったが望月裕一郎の援護もあって4番手に収まると、最終2コーナーからまくり発進。小林大介のけん制をこらえ、直線での踏み合いを制して1着をもぎ取った。
 「あそこを入れてもらったし、すかさず行かなきゃっていうのがありました。天田君がああすると思わなかったけど、それでも早駆けでタレてきた感じがあったんでなんとかまくれた。2日目からフレームを戻して、自分はだいぶいい感じだと思います」
 逃げている天田の余力を計りながら小林大介(写真)が、番手から松坂のまくりをけん制。そのまま合わせて踏んで出たが、4分の3輪だけ先着を許して2着。天田、阿部康雄とラインの前後が落車に巻き込まれているだけに、地元記念優出も手放しでは喜べない。
 「同じレースで味方が落車しているし、気分は良くないですね…。天田が頑張ってくれたけど、もうキツそうな感じがわかった。もっていったけど、松坂君にも避けられちゃったんで。優勝を目指して来たんで、最低でも決勝と思っていた。もう疲れに関しても、昨日走った時点で不安がなくなった」
 松坂マークの望月裕一郎が阿部をキメてコースをつくると、そのインに小野大介が入って最終2センターで落車が発生。あおりを受けて外に振られた望月は、前の2人から離されるも3着はキープ。
 「高松宮記念杯の最終日にああいう展開で離れているんで、それを教訓に練習もやってきた。(松坂)洋平君を入れてから、自分も踏み上げていけたし久しぶりに記念の決勝に乗れたんでよかった。前回が疲れていてオーバーワーク気味だったけど、今回はそれもないし大丈夫です」
 主導権を握れず7番手に置かれた山本伸一と共倒れに終わった東口善朋は、落ち着いてこう口を開く。
 「山本君もひとつ、ひとつが勉強だろうし、僕もA級から上がってきた選手と一緒に走ることで勉強になる。山本君は切って出たあとの対処ですね。でも(気持ちは伝わってきたから)、僕としてはなにも言うことはないですよ」

<12R>
浅井康太選手
浅井康太選手
川村晃司選手
川村晃司選手
 根田空史が後ろ攻めから上昇し、前受けの川村晃司を押さえて主導権を奪取。根田は軽快に風を切ると、別線を一本棒にして最終ホームを通過する。下げた川村は絶体絶命の8番手に置かれるが、1センターから反撃を開始。抜群のスピードで前団に迫ると、松坂英司のけん制も乗り越えひとまくり。最後は番手の浅井康太(写真)がゴール寸前で交わし、川村とワンツーを決めた。
 「僕も疲れました。(今シリーズは番手回りで)前のおかげだけど、その中で自分の仕事もしっかりやれている。決勝は(竹内)雄作が優勝できるように走ってくれれば。ただ、雄作が駆ければ、しっかりと仕事をして優勝を取りたいと思います。ここ最近は良い感じで、このあとの寬仁親王牌につながるレースができれば」
 厳しい展開を逆転した川村晃司(写真)は、検車場に引き揚げてくるとホッと胸をなで下ろす。
 「巻き返しができるようなスピードじゃなかったです。もうダメかと思いました。(井上)昌己は前にいるし。まあ、スタートが前だった時点でピンチでしたけど。でも、根田君が吹かしてたから、最後はタレたんでしょうね。状態は悪くないです」
 川村を止められなかった松坂英司だが、しぶとく伸びて3着。決勝最後のキップを手に入れた。
 「根田君がよく駆けてくれましたし、すごい掛かっていたと思います。昨日も彼はタイムが出てたみたいですね。(状態は)良いと思いますよ。決勝は(松坂)洋平君の番手で」
 積極策に出た根田空史だったが、後続の動きが誤算だった。
 「あとちょっとだったんですけどね。(最終2コーナーでインを進出した)安部(貴之)さんの動きが予想外でした。あれが外に行ってくれれば面白くなったんですけどね」
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