『取手競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:5月31日
 取手競輪場を舞台に、開設69周年記念「水戸黄門賞」が6月1日に幕を開ける。地元からは、吉澤純平や吉田拓矢ら8名が参戦。今年は主軸の武田豊樹がダービーの落車で欠場を余儀なくされたが、S班の村上博幸をはじめとする他地区の強豪を一丸となって迎え撃つ。今回は先頭誘導員の早期追い抜きが厳しくなるなど、競技規則が変更されて迎える初めてのグレードレース。レース形態がどのように変わるのかにも注目だ。
 本場では開催中の毎日、茨城県産のお菓子を先着1000名様にプレゼント。常陸牛などの県産品や、競輪場オリジナルグッズなどが当たる未確定車券抽選会も予定されています。さらに、1日の初日には元プロレスラーで茨城大使の"黒のカリスマ"蝶野正洋氏によるトークショーが、7Rと10R発売中に行われます。ぜひ、本場でお楽しみください。

<1R>

堀内俊介選手
堀内俊介選手
 全プロの競技の4㎞チームパーシュートに出場した堀内俊介(写真)は、神奈川チームの一員として大会記録を更新し、見事優勝を飾った。そこから中3日で迎える今節では、オープニングレースで1番車を務める。
 「(4㎞チームパーシュートは)1日しか4人で一緒に練習できなくて、大丈夫かなって思っていたけど優勝できました。正直、全プロの時は体調を崩していたんですけど、終わってからしっかり治して来ました。ルールが変わってレースも全く違ってくると思うから、1レース目で走るのはちょっと怖いですね」
 水谷好宏は調子を戻していた矢先に5月前橋FIで落車。今回が復帰戦となる。
 「落車で脳震とうもあったし、擦過傷も深くて長引いた。ダメージはありますけど、走ってみてですね。(復調具合は)単発モガきに関しては7割、8割ぐらい。今回からルールも変わるし、悩むところ。でも走れるレースを走っていかないと。あとはレースのなかでどうなるかですね」


<2R>

吉田昌司選手
吉田昌司選手
 ダービーで落車していた松岡貴久だが、続く平塚記念では5215着と決勝進出を果たした。
 「清水(裕友)君が頑張ってくれました。強かったですね。(自分は)2月くらいから感触が良くない。上向いている感じもしないです。今回は、届いたばかりのフレームを使います。新しい自転車はだいたい進みますからね」
 地元記念初参戦の吉田昌司(写真)は、兄の拓矢と同じレースを走ることが今節の目標だ。
 「兄と一緒に走るには、決勝まで自分が上がっていかないとダメですね。一戦一戦頑張っていきたいです。取手記念は初めてですけど、いつも通りのレースを心掛けます」


<3R>

 前回の5月伊東FIの決勝は、目標がいなかった朝倉佳弘。しか、前々に攻める競走で3着に入った。
 「(最終2センターで)ハンドルが引っかかって、バックを踏んでしまった。上手くすり抜けていたらおもしろかったんですけどね。(伊東のあとは)いつも通りほぼウエイト中心にやってきました。パワーマックスもやったんですけど、良い数値がでたので今回は楽しみです」
 5月青森FIで今年初Vをつかんだ小埜正義は、続く宇都宮記念でも優出に成功。近況は、好調を維持している。
 「2カ月で体重を10キロ落としました。それが成績につながっているのかは分からないですけどね。一番は、前の人と後ろの人のお陰です。(前回の川崎FIのあとは)3日間練習してきました。最近はレースが続いていて、積み上げる練習はできてない。状態は走ってみてですね」


<4R>

 5月は違反点の累積であっ旋が止まっていた山本伸一。今シリーズが36日ぶりの実戦となる。
 「ケガで1カ月間休んでいたわけではないので、練習は思う存分できました。時間があったので、最後に調子を上げられるように調節しながらできた。新ルールがどんな感じになるかは、今日(5月31日)の小松島のレースを見ておかないといけないですね」
 前回の平塚記念で準決勝にコマを進めた山口富生が、山本を目標にして通算400勝目を狙う。
 「(400勝は)もう3カ月間くらい言われているからね。そろそろ決めたい。全プロ(の競技)は、(吉田)敏洋が出られなくなったから、急遽出てきました。終わってからは、ぼちぼち普通に練習して、調整もやって来た。状態は前回よりは良い感じがするけど、とりあえずは走ってみてですね」


<5R>

早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 早坂秀悟(写真)は、全プロで2日間バックを取る積極策を披露。競技では1㎞タイムトライアルに出場した。
 「去年は優勝に0.1秒足りなくて、今年は3位に0.1秒足りなかった。自分の1㎞のベストタイムから1秒くらい落としていたので、原因を分析して、やらなきゃいけないことをやり始めました。疲れが出なければ、すぐに結果は出てくると思います」
 5月奈良FIでドミトリエフらを相手に初日特選を制した中本匠栄は、続く高松FIでも222着とオール連対。最近は調子を上げている。
 「全プロの競技が終わってから、追加の電話がありました。1日ウエイトをして、あとは自転車に乗って来た感じです。疲れもないですね。取手はすごい久しぶりでイメージも全然ないです」


<6R>

 5月高知で落車した野田源一だが、続く大宮では初日特選で2着に入った。状態面に不安はなさそうだ。
 「大宮の最終日に追加が来ました。中2日ですけど、1回福岡に帰って、1日休んで1日練習して来ました。疲れはないと思います」
 日野博幸は鈴木謙太郎に譲ってもらったフレームで今シリーズに挑む。
 「昨日、取手に来て謙太郎にもらいました。ぶっつけ本番だけど、ダメだったらフレームのせいにしてください(笑)。でも、彼がついこないだまで乗ってて、110点まで点数を上げたフレームですからね。求めてる部分も一緒だから、バンクで軽く乗ってみたら乗り味も良かった」


<7R>

 FI戦では随所に連勝で優出している野口裕史。前回の宇都宮記念では2勝をマークした。
 「千葉が使えなくなってからは、松戸か取手で練習しています。取手は家から結構近いので、よく来ている。宇都宮が終わってから練習を少し変えて、ペダリングの感覚が違うなっていうのがあるので、それがレースでどうなるかですね」
 福田知也は4月岸和田FIの落車から2カ月近く欠場。高松宮記念杯を前に、ここから実戦に復帰する。
 「怪我は右鎖骨骨折です。宮杯で復帰するのは嫌だなと思って、ここからにしました。野口とは(昨年12月の)伊東記念以来ですね。体重もかなり落ちたし、自分的には全然ですけど、何とか頑張ります」


<8R>

渡邉豪大選手
渡邉豪大選手
 渡邉豪大(写真)は、前回の川崎FIでS級初優勝をゲット。勢いそのままに今節を迎える。
 「北日本ラインが2段掛けだったし、どうしようかなって思っていたんですけど、展開で優勝できました。(今節の初日は)月森(亮輔)君が僕と同じようなタイプなので、そこだけが…。でも、僕のラインが細切れで3車なのはデカいですね」
 月森亮輔は5月青森FIで658着と大叩き。気持ちを切り替えて、今シリーズに臨む。
 「青森では体調も悪かった。腸炎になって体重も4キロぐらい落ちたけど、それももう戻りました。(宇都宮記念を)一本欠場したけど、もう影響はない。練習の感じはいいし、普通の状態にはあると思う」


<9R>

森田優弥選手
森田優弥選手
 注目のルーキー森田優弥(写真)は、4月伊東でGIII初優出に成功。今節も、持ち前の先行策で別線を完封しよう。
 「S級では後方に置かれて見てしまって失敗するパターンがあるので、見てしまわないように心掛けています。(前回の岸和田FIのあとは)長めに2日間くらい休んで、そのあとは普通に練習して来ました。関東での記念なので、しっかり先行で決勝に乗れるようにしたいです」
 ダービーで落車した坂口晃輔は、5月富山FIを欠場し、全プロで復帰。最終日は単騎の競走で確定板入りを果たした。
 「自分で動ける時に、動いておきたいなっていうのがあったし、最近は人の後ろを回って脚が落ちているなっていう実感もあったので。でも、ケースバイケースですよ。(岡崎智哉とは)何度も一緒に走っているし、1着も取らせてもらったことがあります」


<10R>

 ダービーでは、昨年の高松宮記念杯以来のGI決勝に進出した原田研太朗。全プロの初日は落車に見舞われたが、最終日は番手まくりで白星を挙げた。
 「島川(将貴)の気迫をすごい感じたし、ちょっとタレて来ていたので行かせてもらいました。落車は擦過傷と打撲ですね。全プロのあとは、ケア中心にやってきました。最近は中四国の流れが来ていますし、その流れに乗って行けるようにしたいです」
 池田良は前回の宇都宮記念で6215着と、3日目に今年初勝利を挙げた。今回は相性の良い原田を目標に勝機をつかむ。
 「(原田が)強いのは知っているんで、踏み出しに集中して。とりあえず付いて行くことですね。追加は2日前に来ました。次の宮杯まで結構空いてしまっていたので、追加が入らないかなって思っているところでした」


<11R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 一昨年の覇者である吉澤純平(写真)は、今年も並々ならぬ気持ちで地元記念を迎える。
 「取手にしっかり合わせようと思って練習をしてきたので頑張りたいですね。全プロの前に結構、練習をしていたので、終わってからは疲れを抜いてきました。最近、調子は良くはなっているんですけど、結果が伴わないレースが多いので、気持ち的には辛抱するしかないです。茨城はS級の選手が多いので、地元記念に出たくても出られない人もいっぱいいるので、責任をもって走ります」
 同県の河野通孝が吉澤を援護して、茨城ワンツーを目指す。5月函館FIでは、昨年10月松戸FI以来の優出を決めている。
 「函館は連日、前の人が頑張ってくれたお陰です。今回は地元の看板選手に付けれるし、チャンスを生かしたいですね。この歳になると、地元だからっていう緊張はしないのでいつも通り頑張りたいです」


<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 4車で結束する中四国勢の先頭を走るのは、ダービーでも優出した松浦悠士(写真)だ。全プロの初日に落車したが、最終日は山崎賢人を交わして1着でゴールした。
 「落車してフレームは大丈夫だったんですけど、2日目から新車に替えました。今回もその自転車を使います。ルールが変わるので、走ってみないとレースの流れも良く分からないですね。(今年のここまでは)自分の中ではしっかりやっているなっていうのはあるので、新しいルールにも対応して、同じくらいの成績を残したいですね」
 今年のGIII開催は、7場所で2Vに準V3回の村上博幸。今節は唯一のS班として大会を盛り上げる。
 「新しいルールは、レースを走って体で覚えていくしかないですね。1レースからしっかりレースを見ておきます。(前回の)全プロのあとは、疲れを抜いてきました。(山田)久徳とは何度も連係しているし、信頼して任せます」
 前回の全プロ初日に逃げて3着の吉田拓矢は、最終日も単騎まくりを決めて2着に入った。今回も単騎戦で、地元記念白星スタートを狙う。
 「(前々回)宇都宮より、全プロの方が状態は良かったです。強気に走れたのも良かったですね。ダービーで自転車がダメになっていたので、今回から新車を持ってきました。練習の感じは良かったので。欠場になった武田(豊樹)さんの分もそうですけど、走りたくても走れなかった茨城の選手もいっぱいいると思うから、その人たちの分も頑張らないと」