取手競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:9月16日



 開設56周年取手記念『第一回水戸黄門賞』は本日が2日目。三連休の初日とあって、取手競輪場には午前中から熱心なファンが多数詰め掛けた。天気もやや雲は多かったものの、澄み切った青空がまぶしい好天に恵まれ、バンクではメインの「助さん格さん賞」を中心に熱戦が繰り広げられた。また、この日も5R終了後に地元選手との交流会が行われ、前日の須賀和彦、池沢義文に続き、木村貴宏、大井崇の両選手が登場し、トークショー、質問コーナー、サイン会などで盛り上がった。明日は朝秀忠、富岡武志が登場。初心者ガイダンスコーナーでは朝秀選手のレーサープレゼント抽選会も行われる。是非、明日も取手競輪場にてレースをお楽しみ下さい。
 

<5R>
桐生選手
桐生卓也選手
   大荒れのレースが続いた昨日に続き、この日も激しいレースが続いた。5Rからは準決勝A、B、Cへの勝ち上がりを目指す二次予選が開幕した。その5Rでは期待の新鋭桐生卓也(写真)が中団まくりを決めて快勝。
 「今日は展開ですね。一回誰か動いたらその上をカマすつもりが誰も動かなかったですから。あとは後ろだけ見て被らないようにだけ気を付けて。踏んだ感じも昨日に比べたら良くなってきたと思います。まあ、体調さえ良ければ自信を持って戦えます」


<6R>
 6Rは大江美行の思い切ったカマシに乗った今泉元嗣が1着。直後の三番手から芦沢大輔のまくりが飛んで来る展開にも、冷静に芦沢の番手を飛ばすと、ゴール前で芦沢を捕らえてみせた。
 「大江が行ってくれたお陰。これで明日は準決Aですね。Aには何度も乗ってるけど、最近はただ前に付いて行くだけのレースが多くて。今回は脚も軽いので頑張りたい」


<7R>
中村選手
中村美千隆選手
   7Rは中村美千隆(写真)がジャン過ぎに叩いて先制すると、後続のモツれを誘ってそのまま押し切る。
 「今日は6番の子(加賀美智史)のカマシだけが嫌やったんで早めに踏んでおいて、あとはペースに持って行けましたね。ただ、昨日、マッサージを入れて大分体は動くようになりましたけど、4コーナーからの感じが変。余裕はあるんやけど、最後はうまく力を伝えられてない感じ」


<8R>
小川選手
小川圭二選手
   8Rからは二次予選Aで一段と迫力あるレースが続いた。佐藤友和、中川誠一郎、石丸寛之による三分戦となった8Rは、中川が打鐘から一気に叩いて先制すると、佐藤、石丸のまくりを全く許さず逃げ粘る。この中川マークの小川圭二(写真)がゴール寸前で中川を交わして勝利をゲット。
 「調子はええって言ったでしょ。普段やったら(中川に付いてて)一杯になってる展開。中川は仕上がっとるね。絶対誰もまくれんと思った。まくりの気配を感じて一回後ろを見たけど、そこからまた中川は加速して行ったからね。あの中川の掛かりやったら、青井(賢治)もぴったり付いとれば3着取れたのに」
 前日も武田豊樹の先行に鋭くまくり迫った中川は申し分のないデキ。レース後は笑顔で一戦を振り返る。
 「(佐藤は)ジャンで出る雰囲気なかったし、一回自分が押さえておいた方がいいかなって。ホームからなんで落ち着いて行けましたけど、あの展開なら逃げ切らんといかんですね。バックあたりで力が入り過ぎて、その分末が甘くなりました」


<9R>
佐々木選手
佐々木則幸選手
   9Rは佐々木則幸(写真)が前日の鬱憤を晴らすかのような快走。紫原政文を連れて思い切った先行策に出ると、ホームから叩いて来た浦山一栄との激しいモガキ合いとなるも、突っ張り切って、そのまま押し切った。
 「紫原さんと(ライン)二車やし、ジャンから浦山さんとのモガき合いだけは避けたかったけど、先行出来る展開なら先行するつもりでした。まくりに回ると昨日みたいなこともありますからね。一歩間違えたら浦山さんに出られてしまうところだったし、もうワンテンポ早く踏んでおくべきでしたが、まあ、逃げて1着が取れたんで」
 その佐々木とワンツーの紫原はホッとした表情。
 「あれだけモガき合って逃げ切るんだから(佐々木は)強いね。オールスターでもいい競走を見せてましたしね。僕は外に大薗(宏)君にずっとへばり付かれてたのが苦しかった。体重を預けられて当たって来られてたから。それを飛ばしに行ったけど、内を空けた瞬間に新田(康仁)君が来ましたね。締め込みながら抜きに行きましたけど…。でも、何とか2着で、二車で先行してくれた佐々木君の気持ちに応えられて良かったです」


<10R>
柏野選手
柏野智典選手
   10Rは吉田敏洋が気迫の先行勝負。番手の加藤慎平が絶好かに、三番手の柏野智典(写真)が強襲。
 「ここ一か月くらい調子はいいと思ってましたけど…。今日は相手も強いし、全く緊張せず、僕はただ脚を回すだけでしたから」
 2着に終わった加藤は“これが現状”と話し出す。
 「トシヒロ(吉田)も俺もこれが今のデキですよ。お互いにまだ調子は良くないけど、トシヒロは中部の大砲だし、相手なりに気合を出して頑張ってくれる選手なんで、明日も頑張ってくれるでしょう」
 吉田は“最後がパタパタパタってなってしまった”と首をひねる。 「慎平さんが普通に抜きに来てたら4、5着まで落ちてるタレかたでした。うまくスピードに乗せた所からの持続が出来んかった。その辺はまた修正して」


<11R>
岡部選手
岡部芳幸選手
   さて、メインの11R「助さん格さん賞」。戦前はライン四車の武田豊樹が主導権を奪う展開になると予想されたが、市田佳寿浩―萩原操を連れた吉川誠が意地の突っ張り先行で武田を出させない。バック手前から中団の岡部芳幸(写真)がまくると、市田も番手まくりで応戦。両者の壮絶なモガき合いはゴールまで続いたが、僅かの差で岡部に凱歌が上がった。
 「市田君が車間斬って詰ったんで、タイミングは良くなかったけど、そのままダメ元で仕掛けました。切り替えずに付いて行くって(三宅)伸さんのコメントが嬉しかったし、あのまま市田君の動きを見ててもしょうがないでしょう。力勝負をして負けるんなら仕方ない。まあ、勝てたのはおまけみたいなものですが、今の市田君の上を行けたのは良かったです」
 一方の市田は、“(吉川の気持ちに)出来るだけ応えたかったけど”と残念そう。
 「これが精一杯。本当は待って、(岡部を)振りたかったけど、いいスピードで来られて、振ろうとした時には1/2輪くらい出られて、しかも締め込みに来られたからね。今回はやっぱり調子が…。でも、(主力は)デキは悪くても、みんないいレースを作ってるからね。僕も諦めずに頑張ります。最低、ファイナルには残れるように」
 さて、吉川の突っ張りで、不発に終わった武田は、「今日はまくりに構えた方が良かったね。3人も後ろに付いてるのにそれは出来なかったけど、それでもやっぱりこれがベストと思ったら、自分のレースをしなければ駄目ということが良く分かっていい勉強になりました」


   
↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.