『取手競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:9月29日


 開設57周年取手記念競輪「水戸黄門賞」は三日目を迎えた。10レースで優勝候補の一角・新田康仁や、北津留翼の脱落はあったが、他の有力選手は順当に勝ち上がり決勝戦は見応え十分の白熱したレースとなりそうだ。
 明日も先着2000名様に「オリジナルハンドタオル」をプレゼント、場内特設ステージでは伊藤克信氏&吉井秀仁氏のレース予想会があり、吉岡稔真氏がゲスト出演される。是非、取手競輪場に足を運び生の迫力をお楽しみ下さい。


<8R>
富永益生選手
富永益生選手
   8レース1着権利の準決Cは、後方からまくり上げた伊藤正樹に乗った富永益生(写真)が、直線鋭い中割りを決めて決勝進出一番乗り。
 「今日は地元の松田(優一)君も勝ちたいだろうから、仕掛けは遅くなると思っていました。1着権利だったけどメンバー的にも上のレースよりは楽でしたからね。6月に二度落車して調子を崩していたが、最近は大分噛み合ってきましたね。前の伊藤君が頑張ってくれたお陰です」
 中団から先まくりを打つも2着惜敗の立花成泰は引き揚げてくるなり、「絶好の展開になったけど勿体ないなぁ~。もう一度やり直したいよ。レース内容は完璧だったし、勝った富永さんが強かった。外を警戒していたので4角で内から松田君に張られ当たった分だけ伸びを欠いたかな。松田君は流していたし、普通のペースで駆けてくれればもう少しまくり易かった気もします」。寸前で決勝進出を断たれ無念の表情でレースを振り返る。
 富永の勝利に大きく貢献した伊藤正樹は「今日は一周位なら駆ける気もありました。松田君は流していたので、1コーナー過ぎには仕掛けるつもりだったが、一瞬タイミングが取れなくて…。最後は外に行ったが、真っ直ぐに踏んでいれば2着はあったかもしれませんね」
 地元ファンの期待が掛かった松田優一は「後ろの併走もあって走りづらかったが、1着権利も多少頭にありました」と言葉は少ない。


<9R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
   9レース準決Bは前受けの佐々木則幸(写真)が、そのまま突っ張り、別線を完封し押し切った。
 「昨日の落車でまだ首と腰に多少の痛みは残っていたが、自転車に乗ってからは気になりませんでした。押さえて来るのが遅かったし、あそこでは腹を括って先行を覚悟しましたね。久しぶりの先行で2着までに粘れるか半信半疑でしたが、今日のレースでまだ先行で戦える自信が沸きました。後ろがもつれたのも助かりましたね」
 佐々木を追走し流れ込んだ小倉竜二は「落車の痛みはないが、今日は少し重かった。接触して車体故障したけど何とかノリ(佐々木)とワン・ツーを決められてホッとしました」と安堵の表情を浮かべる。
 村本大輔は「誘導のペースも上がったが、あの展開では前(佐々木)も駆けるよね。Gクラスの力がある自力選手だからね。でも山本(健也)君に任せた結果だから」
 その山本健也は「今日は考えが甘かったですね」とうな垂れる。


<10R>
山田敦也選手
山田敦也選手 永井清史選手
永井清史選手
   10レース準決Aもスタートを決めた永井清史がそのまま突っ張り先行に出て、番手無風の山田敦也(写真)がG前で交わし88期勢が連を独占。
 「もっと混戦になると思っていた。あんなに絶好の展開になるとは思いませんでした。永井君は掛かりも良く、最後までタレなかったし本当に強かった。ゴール前ではヨダレが出ました(笑)」
 別線を完封した永井清史(写真)も「北津留(翼)君か新田(康仁)さんが早めに押さえてくれば、引いて緩んだ所をホームからカマす作戦でした。北津留君の動きも分かったし最後は新田さんを警戒していたが、4角から踏み直せたし脚の感じは悪くないですね」と好調ぶりをアピール。
 3着には4角から俊敏に内を突いた伊藤一貴が入る。「レース内容としては三宅(伸)さんに割り込まれたし良くないが、最後まで諦めず踏み切れたし満足です。記念の決勝は久しぶりですね」
 不発に終わった北津留翼は「打鐘過ぎに踏んだが、永井さんに見られて4角ではダメだと思いました。後ろに新田さんが居たし、新田さんが一旦前を斬ってくれれば、その上を行こうと思っていたが…」
 惜しくも4着入線で決勝進出を逸した三宅伸は「2角で6番(伊藤)をキメていい位置に入ったけど、4角で内を掬ってから外を踏んでしまった。あのまま5番(山田)の後ろに付いて行った方が良かったね」とコース取りを悔やむ。


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手 村上義弘選手
村上義弘選手
   11レース準決Aはホームから主導権を握った武田豊樹を、番手の神山雄一郎が差し切る。「武田君が頑張ってくれました。脚の方は尻上がりに良くなっていると思う」
 この日もレースを支配した武田豊樹(写真)は「3日間ホーム、バックが取れているしデキは問題ないですね。今日は村上(義弘)君と当たると決まった時点から先行勝負と決めていました。前の10レースが単調だったし、たとえ負けてもファンは納得してくれたでしょう。今日はラインが3車だった分だけ自分達に軍配が上がっただけで、あの展開で村上君は飛ばないし本当に力があるよね」とライバルを絶賛。
 一方、真っ向から武田に力勝負を挑んだ村上義弘(写真)は「ラインが2車でも正々堂々と勝負しようと思っていましたが、神山さんの横までも行けなかったし、完全に武田さんに合わされて力負けです。ファンに期待されている以上は最後までベストを尽くすつもりだったし、残りの一周は必死でした。地元でのビックレース(共同通信社杯)も控えているが、目の前のレースに全力を出し切るだけです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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