『取手競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:9月28日


 取手記念開設58周年「水戸黄門賞」は大会2日目を迎えた。優秀戦競走を中心に、二次予選競走で準決勝戦をかけた熾烈な戦いが繰り広がれた。メインの「助さん格さん賞」を制したのは伏見俊昭。連勝で準決勝Aに駒を進めた。
 明日(29日)のファンサービスは先着2000名様にスクラッチカードを配布し、抽選で400名様にオリジナルキャップをプレゼント。場内では「パオパオ堂。」ちんどんパフォーマンスが行なわれます。ぜひ、本場まで足をお運びください。


<5R>
立花成泰選手
立花成泰選手
   5レースからが二次予選B。大井浩平が八谷誠賢を突っ張って先行。難なく中団をキープした立花成泰(写真)が好回転でまくって快勝した。
 「いい展開になりました。四番手を取れた時くらいしっかり勝たないとね。踏み出しがあまり良くなかったし、内と外を見ながら踏んだからきつかった。今日はゆっくり休んで明日も頑張ります」
 小林裕司はまくった立花ラインを追う形から2着に強襲した。
 「今日はコマ切れの2車で、自分が一番動けないタイプだからね。動くよりは脚を溜めてと思ったんですが、後ろの篠田さんに悪いことをしてしまいました」


<6R>
鈴木誠選手
鈴木誠選手
   6レースは鈴木誠(写真)が会心のレース内容で今期初勝利をマーク。先制した竹田和幸の番手を塚本貴雄から奪い、直線鋭く追い込んだ。
 「初手の位置次第でしたけど、最終的には番手を攻めるしかないかなと。外からの追い上げも考えていましたが、内が空いたから行きました。後ろは練習仲間だし、理想の展開に持ち込めたと思います。3カ月ぶりの勝ち星だからすごく嬉しい」
 鈴木マークの遠藤貴人は直線で最内を踏んで3着。準決勝Cに駒を進めた。
 「ワンツーが決まれば良かったんですけどね。外を踏んでも届かないし、内が空くのを待ってから踏みました。1回バックを踏んだ分、ちょっと伸びを欠きましたね」
 富澤勝行マークの眞原健一が切り替え策から2着に突っ込んだ。
 「(富澤は)だいぶ膨らんじゃいましたからね。自分の脚は悪くないけど、もう少し車が流れて欲しいし、普通なら1着パターンなんですが…。でも、鈴木君も強いから仕方ないですね」


<7R>
立石拓也選手
立石拓也選手
   7レースは鳥生知八が石川雅望を相手に先行する意外な展開に。立石拓也(写真)が中団からまくって、田川辰二と九州ワンツーを決めた。
 「打鐘前で高橋(敦史)さんが、外に浮いていた僕らを中団を取って入れてくれたので、あとは自分のタイミングを図って仕掛けられました。あの行動が大きかったですし、今日は高橋さんさまさまですね。本当はラインでワンツースリーなら良かったのに残念です」
 追走した田川辰二が懸命に喰らい付き2着。
 「最後は交わしに行ったが、立石君はギアがかかっているし差せる感じではなかったですね。最近は練習量が減ってきているので、これから乗り込みを増やさないといけませんね」
 大網俊昭が四角では最後方に置かれるも、直線で伸びて準決勝Cの切符を手にした。
 「直線でコースがうまく開いたし、踏みっぱなしのせいか惰性で良く伸びましたね」


<8R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   8レースからは二次予選A競走。稲垣裕之(写真)のホームカマシが綺麗に決まり、そのまま末良く押し切った。
 「地元勢以外は細切れだったし、2車のラインは早駆けしかないしね。あのまま松岡(貴久)君が駆けてたらまた違っていたでしょうし、今日は展開に恵まれました。自分の中では(近畿開催も含め)G1が3本続いている様に思っていたので、オールスター終了後は期間が少しあって集中して練習が出来ました。ここはフレッシュな気持ちで臨めました」
 桐山敬太郎のまくりに乗った村本大輔が直線で外を鋭く伸びる。
 「地元の牛山(貴広)君が行くと思ったのに意外と行かなかったね。稲垣が出切ったのが見えなかった。あの展開でまくっていけるのだから桐山も調子が良いですね。自分も脚は軽かったし、付け切れているから調子は良い。過去に4、5回くらい連係があるけど、ほとんど連に絡んでいるし、相性は抜群でしょう」
 後方に置かれながらも落ち着いてまくり上げた桐山敬太郎が3着に入り、準決勝Aに駒を進めた。
 「一番強い稲垣さんがあれだけ行ったらキツイですよ。でも道中で脚を溜められ、直線でも踏み直せているので昨日よりは良い感じでした」


<9R>
朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
   9レースは荒井崇博が打鐘後にカマシて別線を封じたが、単騎となった朝倉佳弘(写真)がうまく三番手をキープし直線で突き抜ける。
 「今日は4回転にギアを上げて正解でした。S級の先行屋はバックが付いてなくても来ちゃうんで、誰が行っても対応出来る様に構えていました。強い先行選手(荒井)に先着出来て正直嬉しいです。今までは準決勝C(玉野記念)が最高で、準決勝Aは初めてです。今回は以前弥彦で落車したフレーム(踏み出しが良い)を治して使っています」
 先行策に出た荒井崇博が惜しくも2着に。
 「一番ダッシュの良い菅田(壱道)が内に詰まっていたし、前にいた二人ならダッシュで行けると思っていました。あのタイミングしかなかったしキツかった。上のクラスならおそらく行かれてたね。菅田は道中で俺を警戒し過ぎたんじゃないの」
 荒井マークの合志正臣が流れ込み3着。
 「ハコ3でしたけど道中はケツ上げないで付いて行けました。打鐘で淳(松尾)さんが行くと思ったのに内に行ったからあれっと思いました。荒井は打鐘から出てるし強かった。あの先行なら特選クラスの選手でもそう簡単にはまくれんでしょうね」と荒井の先行を絶賛した。



<10R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
   10レースは飯野祐太と濱田浩司で激しい主導権争い。絶好の展開となった新田康仁が鮮やかにまくり、ライン3車で上位を独占した。
「前を取った時点で、ああいう展開になるのは予想していました。踏み出しとまくった感じは良かったし、体調は引き続きいいですね」
 新田をマークした芦澤大輔(写真)が地元の意地を見せて2着に食い下がった。
 「新田さんはスピードに乗っていたし、僕は前の後輪だけ見て付いて行くだけでした。緊張したわりには余裕があったし、力も出し切れました。準決勝Bはありますが、Aは初めてで嬉しいです。目標にしているベスト9に入りたいですね」
 新田ラインの三番手を回った新井秀明が3着に入線。
 「道中で七番手になってしまうなと思った瞬間に前が踏み出し、チョット離れてしまったけど、何とか付いていけて良かった。超一流の踏み出しはやっぱりすごいですね。最近の中では一番状態がいいし、明日も頑張りたい」
 動いて見せ場を作った濱田浩司は4着になるも準決勝Bの権利を獲得した。
 「この展開か、飯野(祐太)君にスピードをもらって早目のカマシで行こうかと思っていました。昨日みたいに終わりたくなかったので、今日は動きたかった。思ったより踏めたので調子は問題ないですね」



<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   11レースは優秀競走。打鐘を過ぎても誘導の後ろで伏見俊昭と小嶋敬二の併走が続いた。勝負所で小嶋が突っ張って先行すると、伏見俊昭(写真)は三番手をキープ。後方からまくってきた武田豊樹に合わせて早めに追い込んだ。
 「中団を取ろうと思ったけど道中で長塚(智広)君が前を空けていなかったし、しょうがなかった。併走で脚を全く使わなかったし、小嶋さんが突っ張った事で三番手に入れました。最後は武田(豊樹)さんの動きに合わせられたし、脚の状態は引き続き良いですね」
 小嶋の番手から追い込んだ加藤慎平が2着となった。
 「道中は二人でやり合っていたので小嶋さんのスイッチが入ってしまったんでしょうね。小嶋さんの先行は掛ってたので、伏見さんじゃなかったら届かなかったと思います。グランプリレーサーの伏見さんはあの様な競走をしてはいけないでしょう」
 地元で人気を集めていた武田豊樹はまくりを放つも5着に敗れる。
 「今日は突っ張って駆けようと思ってギアを下げました。地元が四人もそろったらすんなり逃がしてもらえないですよね。前二人のモガキを見ての仕掛けだったので後ろに迷惑をかけてしまいました。でも、まくりも良い所まで出たし悪くはないです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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