『取手競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:9月29日


 取手記念開設58周年記念「水戸黄門賞」は後半戦となる3日目に突入。朝から生憎の雨模様となったが、準決勝4個レースを中心に熱戦が展開された。武田豊樹をはじめ、地元勢が4人も決勝に進出。ベストナインが出そろい、明日はいよいよ決勝戦が争われる。 
 明日(30日)は先着2000名様にスクラッチカードを配布し、抽選で400名様にオリジナルクオカードをプレゼント。場内イベントとして滝澤正光氏のトークショー(4、5R終了後)や決勝戦の特別紹介(6R終了後)がバンク内で行なわれます。臨場感あふれる競走を見に是非とも本場に足をお運びください。


<8R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
   8レースは1着権利の準決勝C。先行一車の牛山貴広(写真)が後位のもつれを尻目に逃げ切り、地元記念初参戦で決勝に進出した。
  「今日は後ろの先輩に勝ってもらうくらいのつもりでした。無欲で駆けたのが良かったみたいです。道中は内藤(秀久)さんの動きは見えてなかった。今日は後位がもつれていたので勝ち上がることが出来ました。記念の決勝はもちろん初めてですが、長塚(智広)さんを競らせてしまったので、素直には喜べません」
  長塚との競り合いを制した内藤秀久だが、2センターで内から来た木村貴宏にからまれてしまい、惜しくも記念初優参を逃した。
  「悔しいですね。競りは全く問題なかったけど、抜きに行くのが遅かったし、木村さんに内から来られているようでは…。今日は1着しか狙っていなかったし、1着じゃないと意味がない。最後にツメの甘さが出ました。一流の選手はこういうチャンスをしっかりモノにするんですよね。あと1年くらい経てばもう少し成長していると思います」とレース内容をしきりに反省していた。
  地元後位を選択した遠藤貴人が直線で伸びて3着に入る。
  「位置が悪かったし、内藤君もヨコが厳しいので正直厳しいと思いました」


<9R>
小林裕司選手
小林裕司選手十文字貴信選手
十文字貴信選手
   9レースの準決勝Bは松尾淳がタイミング良く主導権奪取。この三番手を上手く確保した小林裕司(写真)が直線で外を強襲して久々の記念優参を決めた。
  「松尾君と濱田君がやりあってくれるのが理想だったけど、結果的に三番手を取れて展開が向いた。最後は十文字が踏んだのを確認してから踏んだんで、届いたかは分かりませんでしたし、最後はビジョンを確認しちゃいました。自分は点数がなくても気持ちで走るタイプなのでね。記念の決勝なんていつ以来かな? ここはアマの時から入っていたバンクなので、千葉より地元の印象が強いですよ」 
  十文字貴信(写真)が地元の意地を見せて2着。先制した松尾淳の番手を取り切る好気合のレースだった。
  「最初から併走してても脚を使ってしまうので外からやりたかったけど、萩原(操)さんが離れていたので競らないで番手に入れました。最後は1着だと思ったけど2着でしたね。でも、地元の決勝戦に乗れたので良かったです。自分は外競りが課題なので頑張んないとこれ以上先に進めないしね」
  人気の濱田浩司はまくり不発に終わり、ガックリ肩を落とす。
  「チャンスはあったのに、もったいないことをしてしまいました。ちょっと疲れがあるかもしれませんね」
  先行した松尾淳は直線で惜しくも交わされて3着となった。
  「仕掛けやすいメンバーだったのに出る時に脚を使ったのかな? チョット出るのに時間がかかりました。2コーナーでビジョンを見たけど雨で見えなかったので道中は後ろがわからなかったです。あと少しだったけど3着に入った事でこのバンクの悪かったイメージが払拭できました」と敗れても前向きな様子だった。


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手立石拓也選手
立石拓也選手
   10レースの準決勝Aは小嶋敬二(写真)が最終ホームから一気にカマし、別線を力でねじ伏せた。
  「初手は新田(康仁)の位置が良かったんですけどね。打鐘で伏見(俊昭)と新田が併走になっていたので、ちょうどいいタイミングで仕掛けられました。バックで四番手が離れていたのが確認出来たし、駆けた感じも悪くなかったです」
  加藤慎平が懸命に交わしに行くも交わせず2着に。
  「ホームで出切ってから小嶋さんのスピードが尋常ではなかった。終始前しか見てなかったです。最後はおもいきり抜きに行ったが交わせなかった。小嶋さんの仕掛けは完璧でした」と小嶋の強さに舌を巻いた。
  中部コンビを選択した立石拓也(写真)が記念2度目の決勝進出を果たした。
  「あのメンバーで行っちゃうんだから小嶋さんは強過ぎですね。中部のラインを選択して大正解でした。4コーナーから凄く緊張しました。あそこまできて4着じゃあカッコがつかないでしょう。記念の決勝は佐世保以来2度目です」
  稲垣裕之は小嶋に叩かれ万事休す。
  「今日のメンバーなら2車でも先行した方がいいと思っていましたが、小嶋さんの仕掛けに合わせ切れなかった時点で終わりですね。ちょっと気付くのが遅れてしまった」
  見せ場なく終わった新田康仁は「打鐘で1回斬る勇気がなかった。今日は組み立てを失敗してしまったし、しょうがないです」と肩を落とした。


<11R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手戸邉裕将選手
戸邉裕将選手
   最終11レースは人気の茨栃勢で上位を独占。神山雄一郎(写真)が武田豊樹の先行をゴール寸前で捕らえた。
  「今日は武田が良く頑張ってくれました。桐山君もけっこう踏んでいたし、出切るのは大変だったと思いますよ。荒井は力があるけど、ブロックして止められたので、3までには入れるなと。あとは武田を残すことに集中しました。ライン3人で決まって良かったです」
  2着に逃げ粘った武田豊樹もホッとした表情でレースを振り返る。
  「今日は負けられない一戦でした。主導権を取るのが一番いいと思っていたし、昨日のレースの反省が生きました。きついレースになったけど、神山さんが仕事をしてくれたおかげで粘ることができました。取手記念は1年に1回ですからね。地元で応援してくれるファンのためにも、明日はいいレースをしたいと思います」
  3着に流れ込んだ戸邉裕将(写真)は感涙が止まらない。
  「地元記念で決勝に乗れるなんて本当に嬉しい。四日制の記念で決勝は初めてです。明日もあるので、最後まで気を抜かずにしっかり走ります」
  荒井崇博は神山のブロックが効いた。
  「いい感じでまくって行けたけど、強い神山さんが番手であれだけ持っていかれたらしょうがない」
  武田に叩かれて大敗した桐山敬太郎は「全開で踏んで抵抗したけど、力が違いましたね。今日は完敗です」と諦めの表情だった。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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