『取手競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:5月25日


 5月22日から開催された取手競輪開設60周年記念「水戸黄門賞」は本日25日が最終日。昨日までの雨から一転、快晴のもと、熱戦が繰り広げられた。
 注目の決勝戦は細切れ戦。各ラインの動向に注目が集まったが、先行したのは古屋琢晶。番手絶好となった伏見俊昭が直線で追い込み快勝。09年3月いわき平以来の記念Vを飾った。

決勝戦 レース経過
 スタートで単枠3車が踏み上げたが、金子貴志が誘導後位に入り、東口善朋が続き中近ラインが前団。古屋琢晶に伏見俊昭―成田和也、小川勇介―紫原政文の九州コンビ、さらに岡村潤に大内達也で周回が進んでいく。
 赤板手前から小川が踏み込み、金子を押さえると、金子はスンナリ車を下げた。そこを更に岡村が叩き前に出たところで、打鐘手前から古屋が一気に踏み込み発進する。伏見―成田が巧追、岡村が四番手をキープするも、最終ホームで内を突いた小川が大内の内をすくい、岡村後位に潜り込んだ。古屋との車間を空けて後続を牽制する伏見に対し、岡村、小川、金子は仕掛けを逸した。最終三角でようやく前との車間を詰めた勢いで岡村がまくり上げるも不発。直線に入り、番手の伏見が一気に抜け出す。成田も猛追するが、伏見には及ばず。伏見、成田の福島のSSコンビの連独占で2車単一番人気の決着。3着には四角内から直線外に持ち出した紫原が入った。


伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 地元のエース武田豊樹に、盟友・山崎芳仁の欠場で、シリーズの顔となった伏見俊昭。決勝のメンバーを見て、「関東の大会ですから」と古屋琢晶の後位を選択。古屋が落ち着いた運行で最終4角までレースを作ると、伏見俊昭が鋭く追い込んだ。
 「今開催は4日間とも自力で戦うつもりだったけど、若い先行選手に恵まれました。初手の位置だけは中団と決めて、後は全て古屋君に任せてました。小川君や岡村君が先に動いたけど、古屋君が思った以上に落ち着いてた。番手まくりまで考えてたけど、何も心配はなかった。初日に5着で今開催は心配だったけど、勝てる時はこんなに簡単に勝てるんですね。記念の優勝も久しぶりだし、これが今年の初優勝。今後の戦いに弾みがついた。ひとつ優勝したことで、気持ちも楽に宮杯に臨めそうです」

 伏見をマークした成田和也が流れ込んで2着。S級S班両者で1番人気に応えた。
 「強い伏見さんに全て任せてました。古屋君が思った以上に上手い先行をしてくれたと思う。あれだけすんなりの展開なら、今の伏見さんを抜くのは至難の技ですよ。(自分も)次の宮杯にはもう少し上積みを望めそうです」

 連日、小川勇介をマークした紫原政文は最終2センターで岡村、小川の内を突いて3着に食い込んだ。
 「伏見に見られてて、小川も仕掛けにくかったと思います。悔しかっただろうね。最後は伏見と成田の間を突っ込めば良かったかな。だけど今の力じゃ、あれ以上は伸びないでしょう。とりあえず自分は競輪祭の権利を取れて一安心です」

 完全Vの期待も掛かった小川勇介は4着に。
 「すんなり先行させたく無かったから前々に踏んだり内をすくったりしたけどダメでした。今日のメンバーなら、自分が岡村さんの位置に居ればよかったですね。競輪祭の権利が欲しかったけどしようがないです。今開催はいい感触がつかめたし、先につながるレースでした」

 岡村潤は4番手を確保するも仕掛けのタイミングを逸して不発に終わった。
 「いい位置が取れたのにもったいなかった。絶対に金子さんが来ると思って、合わせようとしたのが間違い。自分のタイミングで行けばよかった。まだまだ力不足です。ここから先の領域は、自分で自信を持って行ける脚をつくらないといけませんね」

 先行した古屋琢晶は7着。検車場では意外にも落ち着いた表情を見せ、冷静にレースを振り返った。
 「カマせれば一番良かったんですけど、小川さんが先に動いて、岡村さんがそれを追った時にうまく付いていけた。後は後方の金子さんだけ警戒して、落ち着いて踏み出せた。バック向かい風できつかったけどしっかり踏めてました。自分の走りが出来たし満足です」

 金子貴志は後方に置かれて万事休す。9着の結果に反省しきり。
 「後ろに置かれてしまってはどうしようもない。もう少し前がもつれて欲しかったけど」


ゴール




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