『取手競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月12日
 取手競輪開設62周年記念「水戸黄門賞」は11月12日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は平原康多の先行に乗った武田豊樹が番手まくりで快勝。無傷の4連勝で当所記念3度目の制覇を果たした。2着に長塚智広、3着には芦澤大輔が入り、人気の地元勢で上位独占となった。
決勝戦 レース経過
 スタートで各車お互い見合ったが、小野俊之が飛び出して誘導の後ろを取った。初手は前から菅原晃ー小野ー三宅伸、平原康多ー武田豊樹ー長塚智広ー芦澤大輔、川村晃司ー伊藤健詞の順で落ち着いた。
 レースが動いたのは青板周回のバックから。まずは川村が早めに動いて前を押さえると、菅原は平原を警戒しながら車を下げて行く。誘導の後ろが入れ替わって赤板を通過すると、今度は平原が前を押さえる。平原は誘導を残しながら、中バンクまで登って後方の菅原を警戒する。しかし、1センターから菅原は一気に勝負に出た。菅原が後方から巻き返して行くと、平原も誘導を交わして踏み込み、ジャンから両者のモガキ合いに。2センターで平原が自らブロックに行くも、菅原も負けじと堪える。この動きを受けて内をキメに行った小野だったが、武田に阻まれて大きく外に浮いて終了した。2人の攻防は、1コーナーで菅原が力尽きて軍配は平原に。すると、今度は後方7番手で脚を溜めていた川村がスパートする。川村が迫っていくと、武田は迷わず番手から発進。川村は合わされて後退した。最後は武田が追い込む長塚を振り切って優勝。並んだ順で地元勢が表彰台を独占した。

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 東日本大震災の影響が長引き、本場開催を再開したばかりの取手競輪。2年半ぶりの本場での記念開催で地元勢が躍動した。決勝は平原康多が前を買って出て、関東勢はライン4車で鉄壁の布陣。菅原晃、小野俊之の激しい抵抗はあったが、武田豊樹が王者の走りでファンの期待に応えた。
 「菅原君も積極的でしたね。小野君も並大抵の選手ではないし、自分のところに降りてきて余裕はなったけど、負けるわけにはいかなかった。今回は康多の頑張りに尽きますね。川村君が来たのは見えていました。康多が前で駆けてくれたおかげで長塚とゴール前勝負ができました。みんなが言うように完全優勝するのは簡単じゃないけど、結果を出せて良かったです」
 次走はG1、競輪祭。完全Vの勢いそのままに突っ走る。
 「G1やグランプリでは何度も悔しい思いをしてきていますから。まだ獲っていないタイトルを目指して頑張ります」

 長塚智広は直線で武田に詰め寄ったが、僅かに届かなかった。
 「連日、前の選手が頑張ってくれたおかげです。あれを抜ける人はいないでしょう。今回は緊張したけど恵まれました」

 芦澤大輔は前の2人にきっちり続いて3着に流れ込んだ。
 「自分は付いていっただけです。武田さんと小野さんの意地のぶつかり合いが間近で見れて、いい経験になりました。川村さんがいいスピードできたけど、武田さんは一瞬の加速で合わせましたからね。1秒も経たないうちにトップスピードになったし、やっぱりすごい。SSの選手を抜くには全体的な底上げが必要ですね」

 平原康多は連日、地元勢の前で気迫の攻めを披露。決勝も赤板からの2周先行で力を全て出し切った。
 「今回はいい緊張感を持って走れました。今日は本当に力比べ。ああいうレースになって闘争本能にスイッチが入りました。菅原さんは本当に強いですね。内側にいて、それがよく分かりました」

 菅原晃は強力な関東勢を相手に真っ向勝負を挑み、見せ場を演出した。
 「前受けは想定外でした。先行勝負したかったけど完全に力負けですね。平原君はやっぱり強い」

 後方からまくり上げた川村晃司は不発に終わった。
 「ギアを1枚上げて失敗でした。打鐘で前が踏み合っているときに離れてしまい、追うのに脚を使いました。いけるところまでと思って踏んでいったんですが、やっぱり合わされました」

ゴール
↑ページTOPへ