『取手競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:11月12日
 取手競輪開設63周年記念「水戸黄門賞」は12日の決勝戦で全日程を終了しました。注目の決勝戦は新田祐大を目標とした長塚智広が制して地元記念を優勝。熊本記念、一宮記念に続き、3場所連続しての記念開催制覇となりました。
決勝戦 レース経過
 号砲で長塚智広が誘導員を追い、新田祐大―長塚―岡田征陽が前受け。単騎の柏野智典が中団に入ると、ラインの長い南関勢が石井秀治―成清貴之―勝瀬卓也―大木雅也―栗原厚司後ろ攻めで周回を重ねる。
 赤板前の4コーナーから石井が動き、スッと新田の横に並びかける。打鐘で石井が先頭に立つと、そのままペースを落とすが、新田はサッと車を下げて2センターで単独に。南関勢は新田の仕掛けを遅らせようと中バンクに上がってけん制。石井は4コーナーから一気に踏み込むが、構わず新田はホーム手前からカマして出る。4番手の柏野は離れたが、岡田までが新田のダッシュにピタリと追走。新田以下3車は1センターできれいに出切ってしまう。これで番手絶好になった長塚はしきりに後ろを見ながら石井の反撃に合わせて抜け出し、2度目の地元記念優勝。2着に新田、3着にも岡田が続いて1番人気での決着となった。


長塚智広選手
長塚智広選手
 地元のエース・武田豊樹が不在となる中、長塚智広(写真)は地元のS級S班として、優勝は至上命題だったことだろう。決勝戦は初日特選、準決勝に続いて新田祐大との連係。新田の仕掛けをぴったりと追走し、ゴール前鋭く追い込んで悲願の地元記念制覇を成し遂げた。
 「新田君が本当に強いレースをしてくれました。新田君とは新旧五輪選手ということで、よくオリンピックの話をしたりしてましたし、強さは信頼してました。記念の3連覇は自分でも信じられませんが、地元戦は大事にしてましたし、この先のレースに向けていい励みになりました。地元で調子よく走れたことも大きいです。この先のレースも関東のみんなで頑張っていきたいです」

 新田祐大は長塚に交わされたが、力強い競走で2着に粘った。
 「目標としていたラインでの決着に持ち込めたので。ワンツースリーの結果は良かったと思います。展開は相手の駆け方次第になるし、相手の力量を把握しきれていなかったので、そこだけは不安だったけど、自分としては行くべきタイミングで行けました。まだ練習が完璧じゃない状況なので、身体の回復と練習で更なるパフォーマンスを出せるようにしていきたいですね。G1になると、もう少し厳しいレースが続くと思いますし、競輪祭に向けて出来ることをやっていきたいです」

 長塚をマークした岡田征陽が3着にしっかりと続いた。
 「地元の長塚さんが勝った訳ですし、良かったと思いますよ。ここで一区切り、自分はまた競輪祭に向けて残された時間でやれることをやるだけですね」

 勝ち上がった南関勢は、石井秀治を先頭に5車で結束。後方から押さえて、新田の動きを警戒したが、最終1センターで新田に出られてしまい、その後は立て直せなかった。
 「後ろから押さえて、バックを踏ませるだけ踏ませてと思ったんですが。力の違いですかね。最低でも3番手に飛びつけていれば、もう少し抵抗が出来たかもしれません。でも(新田の)カカリは凄すぎ。課題も見つかったし、勝つにはもっとレベルアップが必要だと思い知らされました」

 石井をマークした成清貴之も相手の力量を素直に認める。
 「力が違いすぎる。三人に出られた時点で(来年の)競輪祭の権利(3着以内)も無くなった。しようがないとしか言えないです」

 単騎の柏野智典は新田の仕掛けに口が空いて万事休す。9着の結果に。
 「単騎での走りかたを色々考えていたんですが、追えずに内に降りたところで脚が一杯だった。これ以上なにかするには、もっともっと脚力が必要になってくる。練習するしかないですね」


ゴール
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