『取手競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:6月25日
 取手競輪開設64周年記念「水戸黄門賞」が明日26日に幕を開ける。グランプリ覇者の金子貴志、後閑信一のS級S班2名をはじめとする精鋭たちが、4日間に渡って熱戦を繰り広げる。地元からは芦澤大輔ら8名が参戦し、他地区の強豪を迎え撃つ。
 本場では様々なイベントやファンサービスでお客様をお待ちしています。開催を通してレース予想会や未確定車券抽選会が行われるほか、初日は浅井康太選手のトークショー(4R、8R終了後)が予定されています。ぜひ取手競輪場へ足をお運びください。
<1R>
及川裕奨選手
及川裕奨選手
 オープニングレースの1番車は及川裕奨(写真)だ。前回の富山から中4日での参戦だが、練習はしっかりできている様子だ。
 「中4日だったんで予定とかもバタバタしてたんですが、合間合間に練習したんで、乗れた時間は多かったです。点数は上がってるけど、普段の体調とはちょっと違う感じなんで、とにかく一戦一戦ちゃんと走れるように。取手のバンク自体に不安はないですね」
 平沼由充は、初日に確定板を外したのは直近7場所で1度のみ。好調維持のまま今シリーズを迎える。
 「練習の成果が出始めて、成績はだんだん上がってきていますね。いつもは3時、4時に走ることが多いので厳しいけど、条件はみんな一緒ですから。及川君とは久しぶりの連係。最近の動きがいいみたいだし、信頼して付いていきます」

<2R>
 鈴木謙二は前回の富山で582着と叩いたが、しっかり調整して参戦できたようだ。
 「中4日のうち3日くらい練習してきました。状態は問題ないですね。(前回、前々回は33バンクで)やっぱり展開が早くて、狂っちゃったところもあるんですけど、練習を詰めてやって来たんで。前回より悪いことはないですね」
 幸田光博は形状が変わった取手のバンクに初挑戦。感覚をつかみたい。
 「状態は大丈夫。取手はもともと嫌いなバンクじゃなかったけど、ホームとバックが入れ替わってからは(走ってないので)よく分からない。とりあえず走って感じをみたいですね。鈴木君とはたぶん初めての連係なので、しっかり決めたい」

<3R>
 佐藤和也は6月の大垣、奈良で連続優出。着実に調子を上げてきている。
 「状態は徐々に上向いています。前回の奈良は準決で番手を回らせてもらったし、前と後ろのおかげで決勝に乗れました。終わってからもう1回、調子がいいときの身体の使い方などを意識しながら練習してきました。その成果を出したいですね」
 守谷陽介も流れは好調。6月川崎G3で1819着と2勝を挙げると、前回の青森も決勝に進出した。
 「気持ちの弱さもあってダメな時期もあったけど、初心にかえって強気に攻めるようになって1着もまた増えてきました。練習の感じはずっと問題ないですから。明日もみんな強いけどチャレンジャーの気持ちで積極的に走ります」

<4R>
河端朋之選手
河端朋之選手
 河端朋之(写真)は海外遠征から帰ってすぐの参戦で、疲れが気になるところ。
 「昨日、(オーストラリアから)帰ってきました。少しは休めたんで疲れはそこまでではないですね。帰ってきてから、こっち(競輪)の自転車にまだ乗ってないんで、とりあえず1回乗って感じをつかんで。追加だけど1カ月くらい前に連絡きたので、気分は正規のあっせんと変わらないです。取手もホームとバックが変わってからしか走ってないんで、違和感とかもないですね」
 篠原忍は河端との対戦に頭を悩ませる。
 「ほぼ2分戦ですからね。戦法も限られてくるし、一番やりにくいですよ。河端君もそう思っているんじゃないですか。調子もあんまり良くないんですが、勝ち上がれるように頑張ります」

<5R>
 坂上忠克は前回の高松宮記念杯では799着と大敗。波に乗り切れていない。
 「最近は流れも調子も良くないですね。宮杯は2日目からギアを4.50に上げたけど、結果が出なかった。今回は15に戻します。宮杯のあとは計画どおりっていうか、しっかり追い込んで練習してきたけど、良かったころの調子には、まだ戻ってないですね。松岡君の後ろで頑張ります」
 前を任された松岡篤哉も近況はパッとしないが、果敢な姿勢で持ち味を発揮する。
「2場所前の大垣から新車にして、いろいろとセッティングとかも試したんですが、全くダメでした。今回は元に戻すので大丈夫だと思います。前回から中4日で街道とバンクで練習はしっかりやってきました。先行基本に頑張ります」

<6R>
 古性優作は前回松戸で112着と準V。S級初優勝とはならなかったが、連日逃げて好勝負を演じた。
 「松戸は前検日のときはあまり良くないと思っていたけど、走りながら修正して感触が良くなりました。終わって疲れもあったし、けっこう休んできました。調子は問題ないと思います。明日も先行で頑張るだけですね」
 続く三浦稔希は初日の連対率が高い。ここも古性にきっちり食い下がってワンツーを決めるか。
 「ここ2、3場所は少し悪かったんですが、体のケアをしっかりやってきたので今回は大丈夫だと思います。古性君との連係は1度あるし、しっかり付いていきます」

<7R>
 和田真久留は4月の共同通信社杯で落車を喫したが、5月松戸で191着と2勝を挙げるなど復調してきている。今シリーズも持ち前のスピードを発揮したい。
 「前回の松山は初日に車体故障。車輪がロックして腰を痛めてしまい、(2日目から)欠場しました。身体のケアはしてきたので大丈夫だと思います。悪い流れを引きずらないようにしたいですね。しっかりしたラインができるし、変なレースはできない。積極的に走ります」
 和田を目標にする石毛克幸は5月高知、6月奈良と落車続きで近況は冴えない。
 「落車で腰を痛めたけど徐々には良くなっています。長いスパンで考えていきたいですね。今期ラストの開催なので頑張りたい。和田君の番手ならチャンスですね」

<8R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 石井秀治(写真)は前回の高松宮記念杯で2勝。それから中9日と十分な練習期間があり、準備万端の状態でシリーズに臨む。
 「宮杯の2勝は良かったです。やっぱり自信にもなりますから。終わって中1週間くらいあったから、いつも通り練習と休養を取ってきた。仕上がりは良い感じですね。ここも自力で頑張りますよ」
 栗原厚司は勝ち星からしばらく遠ざかっている。
 「最近の状態はいいとは言えないですね。今期は1班の点数を取りたかったけど、ここで活躍しても厳しくなってしまった。取手は去年の記念で決勝に乗りました。しかも一次予選は石井君の番手でワンツーを決めています。また一緒だし、しっかり付いていきます」

<9R>
小原唯志選手
小原唯志選手
 地元の小原唯志(写真)が地元記念に初挑戦。ホームバンクで持ち味を出し切る。
 「考えて練習してきたし、仕上がりはバッチリです。初の地元記念だけど、緊張とかもそこまでないし、特に気負わず。いつも通り自力でしっかり走ります。決勝を目指して頑張ります」
 木村貴宏が小原を追走し、地元ワンツーを狙ってくる。
 「ホームとバックが入れ替わってから実戦を走るのは初めてですが、練習で使っているので問題ありません。小原君との連係は4回目。5月の千葉予選で初めて抜けました。明日は離れないようにしっかり付いていきます」

<10R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 ここから特選。後閑信一(写真)は5月別府記念で今年初優勝。高松宮記念杯でも2連対と底力を示した。ここは機動力をフルに発揮して、S班の意地を見せる。
 「宮杯が終わってから、しっかり詰めて練習してきました。脚力を鍛えるというよりも、身体の反射をメインにやってきましたね。取手のバンクは全プロの競技で良い感覚で走れたので、感触は良い感じです。つかんだバンクの感触と練習の成果を、うまく合わせて発揮できれば良いですね」
 高松宮記念杯は一息に終わった井上昌己だが、5月松阪記念で3勝、取手全プロでも2日目にまくりで勝ち星を挙げるなど、ポテンシャルはやはり高い。
 「宮杯があんまり良くなかったんで、前回からは休養して、疲れを抜く方向で過ごしました。調子は悪くはないですね。取手は相性も良いほうだと思うんで、特に不安とかはなく臨めます」
 柏野智典は高松宮記念杯で自身2度目のG1決勝に進出した。好調な差し脚を武器に今シリーズも暴れまわる。
 「宮杯はシリーズを通して乗れていたと思います。G1決勝は2度目でまた欲も出てきました。決勝はもう少し突っ込むレースがしたかった。明日は吉田(敏洋)君の番手ですね。このクラスの選手の番手を回れる機会はなかなかないし、しっかり付いていきたいと思います」

<11R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は高松宮記念杯の決勝で果敢な攻めを見せ、稲川翔を優勝に導いた。今シリーズも変わらないスピードでファンを魅了する。
 「宮杯の決勝の結果はしょうがないですね。終わってから体調を崩したけど、しっかり治してきました。ただ、練習は万全にできなかったので心配はありますね。この後に福井記念も控えているので戻していければ。取手はけっこう走っているし、走っていない選手よりは有利ですね。いつも通りのレースで頑張ります」
 飯野祐太は5月京王閣、松阪を連覇。高松宮記念杯でも2連対と勢いに乗っている。
 「G1である程度の結果が出たので手応えをつかめました。終わってから普通に練習してきました。ウエイトもやってきたので筋肉痛が少し心配ですね。決勝を目指して頑張ります」
 新田康仁は高松宮記念杯で未勝利に終わったが、状態は悪くなさそう。
 「練習とかはいつも通りやってきました。ケアとかもそこまでしては来ませんでした。疲れは大丈夫です。とにかく一走一走をしっかり走れるように。最終的には(来年の静岡の)全日本選抜につながればってところはありますけどね。最近は人の後ろも多かったけど、自力で頑張ります」

<12R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 初日メインの12Rには金子貴志が登場。別府記念、高松宮記念杯と優参を逃し、「やっぱり甘くないですね」と思わずポツリ。巻き返しを期し、入念なトレーニングで乗り込んできた。
 「久しぶりに高地トレーニングをしてきました。ダービー前後は完全に練習不足で、その後も無理に取り返そうとして、かえって悪い結果になってしまっていた。親王牌に向けてもしっかり練習できるのは今ぐらいなので、2泊3日で追い込んだ練習をしてきました。新田(康仁)さんも参加してくれたんですが、いつもと違って初日からもがきっぱなし。少し疲れは残っているけど問題ないでしょう。宮杯、別府記念は体調と言うより展開が向かなかったという面が大きい。全プロ記念を走って(取手には)良いイメージがあるし、しっかり結果につなげていきたい」
 芦澤大輔(写真)は地元で奮起。体調面の不安は気持ちでカバーする。
 「ちょっとヘルニアが出ちゃって。練習はやって休んでやって休んで、って感じです。まとまった練習はしていないですね。雨だとヘルニアもキツいですけど、それはそれなんで。池田君の後ろで頑張ります」
 池田勇人は中2日のタイトスケジュールでの参戦となった。周りの警戒もあって持ち味を出し切れていないところもあるが、ここも自力で勝負を挑む。
 「やっぱり疲れはありますけどね。状態は変わらないです。警戒されるようになったけど、その中でやれないとダメですからね。とにかく一戦一戦しっかり走ります。決勝に乗って地元に貢献できるように。関東から優勝を出したいですね」
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