『取手競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:6月26日
 取手競輪開設64周年記念「水戸黄門賞」が今日から始まり、全12レースで熱戦が繰り広げられた。メーンの特選3個レースは吉田敏洋、脇本雄太、芦澤大輔の3人が勝ち名乗り。明日は優秀競走「助さん格さん賞」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 本場では予想会や未確定車券抽選会が引き続き行われるほか、明日はガールズケイリン選手(奥井迪、青木美優)や、人気選手のトークショーなど、ファンサービスも盛りだくさん。明日もぜひ取手競輪場へご来場ください。
<1R>
 後ろ攻めの及川裕奨が打鐘で押さえて先行。そのままペースに持ち込むと、平沼由充が直線で鋭く追い込み、オープニングレースを制した。
 「打鐘から及川君が行ってくれたんで、ありがたかったですね。後ろになれば、ああいう形がベストだとは言ってたんで。2センターで(松岡孔明が)来たのは見えなかった。久しぶりに勝ててうれしい」
 5番手からまくりを放った松岡孔明が2着に入った。
 「(打鐘過ぎに奥平充男に)追い上げられて、上手く位置も取れなかったし、調子は思ったより良くないです。結果は1着取れてないんでまだまだですね。明日は固さがもうちょっと取れてくれると思うので、少しは良くなると思います」

<2R>
鈴木謙二選手
鈴木謙二選手
 打鐘で前に出た鈴木謙二(写真)を柏木伸介が叩くと、その上を吉川起也が仕掛けて主導権。5番手で態勢を立て直した鈴木がバックから力強くまくって快勝した。
 「初手が後ろ攻めになっちゃったし、最終的に中団からの仕掛けになってしまった。栃茨の先輩に任されていたからもっと前々に攻めたかったんですが…。自分だけになってしまい申し訳なかったです。脚の感じはちょっと重いですね」
 最終バック8番手の田中誠は3コーナーからのまくり追い込みで2着に強襲した。
 「バンクは軽いと思うけど、自分の身体はちょっと重かった。でも、前回よりはいい。前に追いつくまでがきつかったですね。最後は良い感じでダンゴになったし、展開に恵まれました」

<3R>
 打鐘前から飛び出した田中勝仁を守谷陽介が叩いて先行態勢。そのまま好スピードで押し切って勝ち星を挙げた。
 「なんとか勝てましたけど、まだまだ末が甘い。明日が鬼門なんで今日は負けられなかったし、どこからでも行こうと思ってました。無難な展開になりましたね。今日勝てたし、調子も気分も上がっていると思います」
 岡山コンビの後位を確保した田中勝仁が、直線を抜け出して2着。
 「展開は考えていたうちのひとつでしたね。とりあえずスタートの状態で一番後ろにはいないようにしようと思ってました。感じはいまいちですね。3番手取るまではよかったけど、それからがあんまり伸びなかった。レースの中で修正していきたいです」

<4R>
 河端朋之が赤板過ぎから果敢に飛び出して先行。長い距離を最後まで力強く踏み切った。
 「2分戦なので篠原(忍)さんに突っ張られないように。そこだけ注意していました。あとは見て、見てという感じでしたね。最後の踏み直しは甘かったけど、思っていたよりも踏めていたと思います。ラインのみんなで勝ち上がれて良かったです」
 中団からまくり追い込みで迫った篠原忍は3着まで。
 「いつもならホームぐらいで行くけど、今日はその勇気がなかった。車間が空きすぎてしまったし、きつかったです」

<5R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
 松岡篤哉と木村浩宣の踏み合いを矢口啓一郎(写真)が最終2コーナーからひとまくり。後続を千切って圧勝した。
 「今日のレースは展開で何でもしようと思ってました。しっかりトレーニングして、体と気持ちがかみ合ってきた感じですね。とにかく1着が取れて気持ちがいい。これを弾みにして、親王牌につながるようなレースをしていきたい」
 矢口にまくられた松岡篤哉だが、諦めずに踏み続けて2着に踏ん張った。
 「自分の走りはしっかりできたと思います。力は出し切れたし、自転車と踏み方を元に戻して、感触は良かったです。もう少し修正できればもっと良くなると思います」

<6R>
 打鐘で先行態勢に入った古性優作の後位で吉田裕全がイン粘り。もつれたところを伊藤勝太が一気にカマして主導権。叩かれた古性は佐々木省司をどかして3番手を確保すると最後は鋭いキメ脚を発揮した。
 「疲れもあって、ちょっと重かったですね。先行できなかったし、ラインで決まらなかったのが残念。でも、位置を取れたし、そこから踏んだ時にいける感触はありました」
 イン粘りの吉田裕全は三浦稔希に競り負けて後退。切り替えた白岩大助が外を鋭く伸びて2着に食い込んだ。
 「吉田君がホームで負けちゃって、諦めてる感じだったので、申し訳ないけど行かせてもらった。4コーナーで踏んだら思った以上に伸びましたね。ちょっと風も感じたけど踏めてるし、身体の反応も悪くないので、調子は良いと思います」

<7R>
和田真久留選手
和田真久留選手
 鈴木雄一朗の先行を利根正明が3番手から先まくり。さらにその上を和田真久留(写真)が豪快にまくって圧勝した。
「ラインで決まった感じはあったんですけどね…。もうワンテンポ展開が遅かったらよかったんですけど、2人(利根、鈴木)とも積極的だったんで。ちょっと(2人が)何をやるかが見えなかったですね。3車なのにああいう競走になっちゃったし、修正点はありますね。組み立てとかを修正して、後ろを連れて行けるような競走をしたい」
 果敢に逃げた鈴木雄一朗は何とか3着に残った。
 「初手の位置が良かったですね。出てからもそんなに苦しくなかった。ペースで踏めましたね。まくられたけど、そこから持ち味の地脚を発揮できたと思います」

<8R>
 山田隼司が最終ホームで大瀬戸潤一郎を叩いて最終主導権。7番手に下げていた石井秀治は最終2コーナーからまくって完勝。次元の違うスピードで人気に応えた。
「状態は良いと思います。打鐘あたりで行こうと思ったんですけど、山田君がカマしたので、ああいう展開になりました。自分にとって取手はちょっと危険なバンク。先行有利だし、上手く乗れば乗るけど、ちょっと重い感じもする。気を抜かないように、残り3日間も頑張ります」
 しっかり追走した栗原厚司が2着に流れ込む。
 「(石井は)踏み出しも良かったし、4コーナーからまた伸びて行く感じだった。すごかったですね。自分も何とか付いていけてるし、状態は良いですね」

<9R>
木村貴宏選手
木村貴宏選手
 打鐘過ぎにカマした小原唯志がそのままスピードに乗せて別線を完封。番手の木村貴宏(写真)がゴール寸前交わして勝ち星を挙げた。
 「小原君が一周半駆けたから抜けたけど、駆けたのが一周とかだったら多分抜けてないですよ。(小原が)もっと遅くいくかもとは考えてたけど、多分早めにいくだろうと思っていたので、対処できました」
 ラインを引き連れた小原唯志は粘って2着も、自己評価は厳しい。
 「展開は予想通りでした。(初手で)中団を取ったらああしようと思っていたので。途中はちょっと流してました。ちょっと重たい感じはありましたね。最後は抜かれてるんで。あの展開なら押し切れないとダメ。でも結果は良いと思うし、明日はもっと軽くなると思うんで、頑張ります」

<10R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 前受けの後閑信一が井上昌己を突っ張って主導権。中団を確保した吉田敏洋(写真)が最終バック手前から鮮やかにまくり切った。
 「踏んだ感触はちょっと…。もっとすんなりまくれてれば(ラインの)3人で決まってたと思う。バンクが重かったのか、疲れが残ってるのかは分からないですね。でも1着を取ったアドバンテージはあるし、修正できる余裕はできた」
 後閑ラインの3番手から踏み込んだ山田敦也が2着に食い込んだ。
 「後閑さんはさすがですね。でも、スーッとまくられてしまったんで。最後は思い切り外を踏みました。柏野さんを抜けたのは良かった。やった方でしょう」
 果敢な先行を見せた後閑信一は惜しくも4着で優秀戦進出を逃したが、感触は悪くなさそう。
 「前を取ったら突っ張るって思っていた。気持ちは20代なんでね(笑)。11秒3ぐらいのタイムで上がれれば良かったけど、感触はよかった。もうちょっと欲しいけど、悪くないと思います。打鐘から脚もあんまり使ってないしね。明日も頑張ります」

<11R>
野田源一選手
野田源一選手
 飯野祐太が打鐘で脇本雄太を突っ張って先行。3番手で態勢を立て直した脇本が最終2コーナーから力強くまくって後続を千切った。
 「先行勝負にいって、こうなるのは仕方がないですね。(伊藤保文の)フォローがあって助かりました。体調はあんまり良くないですね。調子がいいときはあのまま強引にいってしまうけど、脚が落ちている分、冷静に対処できました」
 後方からまくりを放った野田源一(写真)が2着に。
 「レースはちゃんと見えていました。踏んだ脚の感じも悪くなかったですね。最後は流れが向いてくれた部分もあったけど、結果2着で勝ちあがれたし、勉強にもなった。明日も勝ち上がれるように」
 先行した飯野を利した地元の浦川尊明が3着に入線。
 「3着は大きいですね。飯野君が頑張ってくれたおかげ。(脇本を)外に持っていったときに、内に入って来られるのは分かっていたし、きっちり対応できました。そこから前に踏めたし、前回よりも仕上がっていますね」

<12R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 打鐘先行の村上直久に池田勇人が最終ホームからのロングまくりで襲いかかる。あっさりと前団を飲み込んだ池田を地元の芦澤大輔がゴール前できっちり捕らえた。
 「池田君のおかげですね。信頼しているし、落ち着いて仕掛けてくれました。(状態面の)心配はありましたけど、走れていると思います。1着はうれしいですね。地元で応援してくれる人も多いし、期待に応えられて良かったです」
 池田勇人(写真)が2着に粘って関東ワンツー決着。強い気持ちで攻めたのが結果につながった。
 「地元の芦澤さんに任されたし、初日でつまづけないですからね。気持ちを入れて走りました。いつでもいける準備はしていたし、余裕はありました。明日もラインの前で自力で頑張ります」
 成清貴之が関東ライン3番手の大薗宏をどかして3着に追い込んだ。
 「村上君がしっかり先行してくれたおかげ。本当は芦澤君のところにいきたかったけど、ちょっとスピードが違った」
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