『取手競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月28日
 取手競輪開設64周年記念「水戸黄門賞」はシリーズも後半戦となる3日目に突入。11Rでは後閑信一が落車する波乱もあったが、準決勝3個レースは井上昌己、浦川尊明、脇本雄太が勝ち星を挙げた。29日の最終日はファイナリスト9名による決勝戦に加え、「ガールズケイリンコレクション2014取手ステージ」も争われる。いずれも激戦必至で見逃せない。
 本場では予想会や未確定車券抽選会、親子クイズラリーが引き続き行われるほか、仮面ライダー鎧武ショー(3R、7R終了後)やガールズケイリンテーマソングLIVE(5R、8R終了後)などが予定されています。最終日もぜひ、取手競輪場へ足をお運びください。
<10R>
井上昌己選手
井上昌己選手
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 飯野祐太と古性優作で激しい主導権争いとなった。最終2コーナーから外を好回転でまくり上げた石井秀治を芦澤大輔がブロックしながら前に踏み込む。後方で脚を溜めていた井上昌己(写真)が最後に大外を突き抜け、決勝一番乗りを果たした。
 「流れ1本ですね。ラッキーでした。勝手に乗っていって最後に踏んだだけ。1人だけ脚を使ってなかったですから。自分だけの届くレースになってしまった。ただ1着を取れただけで内容は0点ですね。腰のせいにしたくないけど、切れがないです」
 飯野の先行に乗った芦澤大輔(写真)が地元の気合で2着に食い込んだ。
 「同期の飯野君の頑張りに尽きますね。恵まれました。(石井の)まくりが止まんない感じだったし、もう無我夢中でした。決勝に乗れてホッとしたというか、まだすごく集中できているので、決勝も頑張れそうです」
 石井のスピードをもらった成清貴之が外を伸びて際どい3着争いを制した。
 「今日はたまたまです。石井が強いんで。前に連係したときは離されてるんで、今日は付いていかないと、と思いました。3コーナーでそのまま行っちゃう感じはあったんですけどね。明日は優勝狙いますよ」
 石井秀治はタイヤ差の4着で惜しくも決勝進出を逃した。
 「けっこう(ブロックから)逃げたんですけどね。芦澤君が強かったし、4コーナーで止まってしまいました。自分でレースは作れたし、ちゃんと踏めてる感じはありましたね」

<11R>
浦川尊明選手
浦川尊明選手
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 人気の後閑信一が最終4コーナーで落車。大波乱の決着となった。レースは前団が少しもつれたところを吉田敏洋がタイミング良くカマして主導権を奪う。5番手からまくった池田勇人は伊藤保文にけん制されて不発。関東ライン3番手の浦川尊明(写真)が空いた中コースを突き抜けた。
 「あの位置になったんで、脚を溜めて突っ込めればと思ってました。コースが見えていましたね。地元で決勝に乗れたのは本当にうれしい。今回から地元の応援席もできましたからね。日に日に状態は良くなっている。明日が勝負ですね」
 逃げた吉田を番手で懸命に援護した伊藤保文が2着に入った。
 「吉田君はかかっていたし、強かったですね。何か南修二が乗り移ったみたいにスイッチが入った。タイヤが少し滑って、(池田と)ハウスしてしまった」
 吉田敏洋(写真)は強豪相手に先行で勝ち上がった。
 「久しぶりに体が反応しましたね。修正しながら走れてます。せっかく良くなってきたところで変な競走をしてもダメだし、思っていたところより早くても行くつもりでした。そういう気持ちは戻ってきてますね。結果を見れば、良い形でできていると思うんで。明日も頑張ります」
 積極的に仕掛けた及川裕奨は7着の結果。だが、調子は悪くなさそう。
 「道中は楽に踏めてる感じでした。あとはもうちょっと、マックスで踏んでるなかで、粘りを見せられるようにしたいですね」

<12R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
金子貴志選手
金子貴志選手
 後攻めの和田真久留が赤板から2周先行。6番手で態勢を整えた脇本雄太(写真)は最終ホームからのロングまくり。別線の反撃を力でねじ伏せた。
 「今日はレース前からすごい緊張していた。こういう大事な場面で金子(貴志)さんに任されて、プレッシャーがかなりありました。疲れは抜けないけど、あとは気持ちで。決勝は伊藤(保文)さんと一緒だし、いつも通りに走るだけですね。ラインで決まるように頑張ります」
 赤板で内に潜り込んだ佐藤和也は脇本の番手で勝負。外併走をしのいで脇本を追った金子貴志(写真)が2着に流れ込んだ。
 「ここで(佐藤が)勝負と思って少し驚きました。脇本君が引いたときに、前にいってくれると思ったんですけどね。本当にきつかった。付いていけただけでも良しとします」
 中団をキープした野田源一は脇本の仕掛けに合わせて踏み上げるが、前に出られてしまう。そのまま金子と併走する形でゴールに飛び込んだ。
 「(脇本よりも)先に仕掛けたかったけど合っちゃいましたね。ずっと(金子に)締め込まれていたし、キメるポイントがなかった。何とか流れ込んだだけですね」
 佐藤和也はSS班の金子に果敢に勝負を挑んだ。
 「あの位置で勝負するのはある程度、決めていました。今の自分の自力じゃ通用しないし、あれしかなかった。脇本君が下げたときに前にいくか迷いましたけどね。脚がなかったし、力不足です」

<最終日 9R ガールズケイリンコレクション>
加瀬加奈子選手
加瀬加奈子選手
 最終日の9レースはガールズケイリンコレクション2014取手ステージが争われる。102期、104期のエース級が名を連ねる熱い戦いに注目が集まる。加瀬加奈子(写真)は本来のパワーは圧倒的だが、直近2場所はどちらも決勝で確定板を外している。
 「疲れはけっこう取れてますね。(前回立川は未勝利だが)ちっちゃいことは気にしないようにして。取れたところから出ようとは思ってますが、前に出るタイミングの勘がちょっと冴えてないですね。立川が終わってから川崎に合宿に行きました。セッティングを換えて良い感じです。速い人はどんな自転車にのっても速いと思っていたけど、セッティングを換えると全然違いましたね。明日は力を出し切って、悔いのないレースにしたいです」
 石井寛子はコレクション3連覇に挑む。前回の高松決勝は4着に敗れた。
 「高松から流れが悪いし、不安だらけのまま入っちゃった感じですね。(前々回の)函館が終わってからあっせんが詰まってることもあって、あまり練習ができませんでした。レースは最終周回でどこにいるかが重要だと思ってます。内側にいてもダメだし、すごい難しいですね。コレクション3連覇とかを意識しちゃうとボロボロになっちゃうので、とにかく明日はこのレースのことだけを考えてやります」
 中村由香里は四日市、松戸を連覇と絶好調の流れで参戦。前回のコレクションで大敗した悔しさを晴らしたい。
 「連覇しての参戦なんで調子はかなり良いですね。練習は前回のコレクションからここに向けてしっかり調整してきたので、準備万端の状態で入ってこれました。前回は悔しい結果だったので、今回はやるべきことをしっかりできるように」
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