『宇都宮競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:5月29日


 宇都宮競輪開設60周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」がいよいよ明日(30日)から開幕します。リニューアルオープンしてから初めてとなる記念競輪に地元勢は神山雄一郎をはじめ、坂本英一や神山拓弥など磐石の布陣が整った。その他にも、ダービー王の武田豊樹や今期絶好調の村上義弘、山田裕仁など豪華メンバーがズラリ。新装バンクで4日間の熱いバトルを繰り広げる。
 また、本場では開催期間中毎日、先着2500名様に豪華賞品が当たるスピードくじが配布されるほか、地元選手が1着になれば「タオル&リストバンド」がプレゼントされるなど豪華イベントが目白押し。さらに明日は宇都宮餃子会「来らっせ」による焼き餃子の実演販売もありますので、是非この機会に競輪場へご来場ください。


<1R>
 オープニングレースに出走の山本健也は「落車でヒザを痛めたけど、だいぶ良くなったし練習は出来てますよ」と表情は晴れやか。明日は同期・藤田真との対決となるが「藤田君も先行タイプでしょ。僕も先行はしたいけど、お互い潰しあっても仕方ないし、流れを良く見て駆けますよ」と柔軟に構える。


<2R>
 徹底先行の大井浩平だが、宇都宮バンクに対する苦手意識は無い様子。
 「確かに長走路なんですけど、今までもそんなに相性は悪くないんですよ。更に今回の改修で直線が短くなったんでしょ? 自分の競走が出来ればおのずと結果はついてきそうですね」


<3R>
 最近は積極性が目立つ荒澤貴史だが、徹底先行の浦山一栄が相手とあっては、さすがにやりにくい。
 「前回、岐阜でも浦山さんと一緒だったけど、強かった。完全に良い頃に戻っていますよ。真っ向勝負なら自分が潰れてしまうだけだから、流れを見て行けるところから仕掛けます。今回は追加の参戦だけど、1週間前に連絡をもらったので、ここに向けて練習出来たし状態は悪くないですよ」


<4R>
 先行力ではここ上位の西村尚文。気になるのは前場所、武雄Sでの落車の影響だが…。
 「擦過傷だけで骨には異常なかったから大丈夫だと思います。もう傷も問題ないですし。ただ、実は選手になって初めての落車だったんですよ。だからどう影響が出るかは乗ってみないことには何とも言えないですね」


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 初の地元記念参戦となった中川貴徳は気合いの入り方が違う。
 「とにかく地元記念に呼んでもらえたことが本当に嬉しい。ここに向けて今までで一番仕上げて来ました。デビュー戦の時以上ですよ(笑)。僕はここで練習している分、新バンクに対しても他の人よりアドバンテージがある。明日は、同期の房州君もいるけど、思い切った競走でなんとしても勝ちたいですね」


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 ラインが長くなった松村友和は作戦に迷い無し。思い切った競走をみせてくれそうだ。
 「メンバーに関係なく僕は主導権を取っていくだけです。平塚記念での落車の擦過傷が酷くて、前走はボロボロだったけど傷はだいぶ癒えたしもう大丈夫。それにしても今回の擦過傷はきつかったなー。痛くて寝返り打てないし、ベッドのシーツも何枚も換えましたよ」
 今期既にV2回と戦績上位の谷津田将吾も虎視眈々と一発を狙う。
 「練習は変わらずだし、333バンクが続いた後での宇都宮だから何とも言えないですけど。最近は決勝にも乗れていないから、この辺で良い走りをして弾みをつけていきたいですね」


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 同県の先輩、高谷雅彦に前を任された高橋陽介は積極策に徹する構えだ。
 「何が何でも先行です。高谷さんに前を任された訳だし、僕のやるべきことは一つ、主導権を取るだけですよ。成績はついてきていないけど、最近は調子自体も抜群に良いですからね」


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池田勇人選手
池田勇人選手
   一宮記念の優参で、存在感を示した池田勇人(写真)。追加での参戦となるが不安材料は無いようだ。
 「いつもどおり先行勝負です。追加だけど、間隔が空いているし1週間くらい乗り込めたから調整はバッチリです。前走(奈良S)の欠場は一宮の反動が出たのかな? 僕自身、一宮は特大ホームランって感じだったから、今回はセカンド超えのポテンヒットくらいを狙って頑張りますよ」
 4月別府Sでは大塚健一郎の地元Vに貢献するなど、動きの良さが目立つ山田英明。明日も大先輩・佐々木昭彦の前で思い切った競走を見せてくれそうだ。
 「昭彦さんの前の時は毎回すごく緊張するけど、昭彦さんは絶対何かしてくれし、得るもの多い。前回の武雄Sがボロボロだったのは、ギアを上げ過ぎたから。今回はいつものギアに戻すし大丈夫でしょう」


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村上義弘選手
村上義弘選手
佐藤友和選手
佐藤友和選手
神山拓弥選手
神山拓弥選手
   魂の走りでファンを魅了し続ける男村上義弘(写真)。川崎記念での完全Vはファンに強烈なインパクトを与えたが、引き続き好調を維持しているようだ。
 「全プロの後は支部の合宿があり、そこで仕上げてきた。全プロに向け長距離用の身体になっていたので、短い距離を踏む練習で身体を競輪向けに作り直してきましたよ。市田君の別府記念Vに刺激を受けたし、僕も負けないように頑張って行かないと」
 2月の東西王座戦での落車から調子を落としていた佐藤友和(写真)は5月SSシリーズで3着。全プロでもスーパープロピスト賞に駒を進めるなど復調気配。目前に迫った宮杯に向けて、ここで弾みをつけたいところだ。
 「宇都宮は東王座も取っているし相性は良いバンク。宮杯の前に500バンクを走れるって事もプラスですよ。落車後はまだ優勝が無いので完全復調とは言えないけれど、状態は良いときに戻っていると思いますよ」
 地元戦となる神山拓弥(写真)は今回、調整法を大幅にチェンジしたという。
 「今までは追い込む練習ばかりだったけれど、今回は直前に敢えて軽めにした。ずっと競走得点が足踏み状態だし、何かを打開したかったので。最近は師匠(神山雄一郎)とも一緒に練習するようになって、いろいろアドバイスももらっているし、後はこの調整法が競走に吉と出るか凶と出るかですね」


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武田豊樹選手
武田豊樹選手
坂本英一選手
坂本英一選手
   ダービーを制し悲願の初タイトルを手にした武田豊樹(写真)
 「決勝に乗ることが最低条件。そこで山田さんや村上君と真剣勝負をしないとね。いくら競走内容が良くても決勝に乗らないことには話しになりませんからね。全プロでの先行策で脚が大分もどってきたし、その後間隔も空いたから十分練習できました。宮杯の前に500バンクを走れる事も大きいし、ここで弾みをつけたいですね」
 武田のハコという絶好位は地元の坂本英一(写真)がゲット。今回はここに向けてかなり仕上げてきた様子だ。
 「武田のハコは久しぶりだね。ジカ付けは2~3年ぶりじゃない。僕はずっと調子が悪かったし、とにかくダッシュ力が落ちていたので、今回は練習仲間にも協力してもらってひたすらダッシュ練習をしてきました。おかげで大分戻ってきたかな。武田を差すのは大変だけど先ずはハコを守りきり、ゴール前で良い勝負が出来れば良いですね」
 風邪による体調不良で、ひところの勢いが完全に鳴りを潜めていた三宅達也もようやく調子が上向いてきた様子。
 「あまり大きい事は言えないけれど、前走からは中5日あいたし、練習の感じでは大分力が入るようになってきました。前回よりかは走れるはずですよ。まー、僕は調子が結果に直結するタイプなんで、レースを見てもらえばすぐに分かると思いますよ(笑)」


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神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   真打・神山雄一郎(写真)は最終レースに登場。地元ファンの期待を一身に背負い、負けられない4日間が明日からはじまる。
 「全プロの後は那須で4日間ほど合宿を張ってきた。地元戦だし準備は万端にしてきましたよ。明日は何度も連係している藤田君だし信頼して任せます」。直線が短くなり追込み型には厳しくなったと言われる新バンクに対しても「まー、3番手に差されるリスクが減ったって事で、良いんじゃないですか(笑)」とさして気にしていないようだ。
 地元エースの引っ張り役に抜擢された藤田竜矢は「めちゃくちゃプレッシャー懸かるし、緊張もするけど、僕は自分らしいレースをするだけですよ」と言葉は少ないながらも決意は固いようだ。
 成長著しい大西祐の強心臓ぶりには舌を巻く。強敵ぞろいの好メンバーを前にして臆する様子は微塵も無い。
 「最近はバック本数も取れているし、タイムも出ている。調子は悪くないですよ。全プロ初日では、無理に仕掛けたのに3着に粘れたし、自信もつきました。特選スタートなので思い切った競走も出来るし、踏みどころさえ間違えなければ、良い勝負はできるはずですよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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