『宇都宮競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:5月30日


 宇都宮競輪開設60周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」がいよいよ今日から開幕しました。あいにくの雨模様の中、バンクでは白熱のレースが繰り広げられ、新装スタンドに訪れたファンを大いに沸かせました。
  また、明日(31日)も先着2500名様に豪華商品が当たるスピードくじが配布されるほか、女性限定で先着200名様に高級ブランド品が当たる「高級ブランド品抽選会」の抽選券を配布。地元選手が1着になれば「タオル&リストバンド」がプレゼントされるなどバンクの外でもイベントが満載。ぜひお誘い合せのうえ、本場に脚をお運びください。


<1R>
 いきなり3車が落車し波乱の幕開けとなったオープニングレースを制したのは山本健也。1センター手前から仕掛けると前団を叩いて先行。そのまま力強く押し切った。
  「スタートで(鈴木)良太さんが中団をとってくれたので、あとは力勝負だと思っていました。藤田(真)君との叩き合いも覚悟していたけれど、展開に恵まれました。直線も以前より短くなっていますね。ただ、やっぱりラインで決めたかった」


<2R>
 大井浩平が打鐘過ぎの四角で先頭に立つと、うまくマイペースに持ち込んだ。最後は大熊正太郎に交わされるも2着に粘り、二次予選へと駒を進めた。
  「僕はトップスピードが足りないから後手だけは踏まないように前々を心掛けていました。四番手に関(一浩)さんがいたのはわかっていたけど、あまり意識せずに自分のレースが出来たし、冬季移動中に一緒に練習していた大熊さんとワンツーを決められたことは嬉しいですね。今回の目標は準決進出。やっぱり準決で超一流どころと対戦してみたいですからね」


<3R>
 先行した浦山一栄の番手から尾崎剛が直線で抜け出して1着。バックでは荒澤貴史のまくりを渾身のブロックで止めるなど好気合が目立った。
  「僕としてはイエローラインぐらいまで持っていったつもりだったけど、後で見てみると全然ですね。荒澤君がなかなか止まらないし、浦山さんも強力な踏み直しがあるから最後まで気は抜けませんでしたよ。何とか1着を取れてホッとしています」


<4R>
 藤田剣次が気を吐いた。大きく車間を切って西村尚文を援護し別線を牽制。直線で鋭く伸びて人気に応えた。
  「いやー、車間を空けすぎましたね。なんだか自力の競走みたいになってしまったし、しんどかったです。それでも1着は嬉しいし、次の久留米記念にも弾みになります。それにしても宇都宮のお客さんは良いですね。地元戦のような応援で力になります。若い女の子の掛け声も聞こえました。明日もいてくれると良いけどな…」


<5R>
山岸正教選手
山岸正教選手
   91期同期対決の中川貴徳と房州輝也が熱く火花を散らし、最終ホームから壮絶なモガキ合いを展開。絶好の展開となった山岸正教(写真)が豪快にまくり、勝ち上がりを決めた。
  「最高の形になりましたね。中川が叩けば房州が引くと思っていたので、仕掛けるタイミングを伺っていたら、引かずにモガキ合いでしょ。よっしゃー!!って感じでしたよ。本当に恵まれましたね」
  一方、共倒れに終わった同期対決に「今日は絶対に先行と決めていました。ああなっては仕方ない」と房州輝也が語れば、中川貴徳も「房州は引くと思ってので予想外。ちょっと甘く見すぎましたね。初の地元記念だし気合は入ってたんですけど…」とガックリと肩を落とす。


<6R>
 レースは目まぐるしく前が入れ変わり混戦となったが、脚を溜めた谷津田将吾が最終バックから脚力を爆発。桁違いのスピードで後続を引き離すとそのまま押し切った。
  「どんどん前が入れ替わっていたけど、良いところで僕に出番がまわってきましたね。展開に恵まれたことが大きいけれど、自力で1着を取れたことは自信になるし、気持ちも乗ってきますよね。スピードレースのほうが自分の持ち味も出せますからね。とにかく準決を目指して明日も頑張りますよ」


<7R>
 単騎で大逃げを打った古城英之の後位にはまった高橋陽介が絶好の展開かと思われたが直線で失速。
  「スタートで滑った拍子に腰を痛めてしまった。古城さんの後ろにはまった時も腰が痛くて全力で踏めず、なかなか車間を詰められなかった。全然踏めませんでした…」と言葉少なに検車場をあとにする。
  高橋後位から直線で抜け出し1着となった高谷雅彦も高橋のアクシデントに驚きを隠せない。
  「確かに、何で高橋はもっと古城を追わないのかなと思っていたんだけどね。腰を痛めてたのは全然気付かなかったですよ。残してあげたかったね。まぁ僕自身は調子は悪くないし、宇都宮は過去に記念準優勝もある相性の良いバンク」


<8R>
黒崎直行選手
黒崎直行選手
   地元選手に任された池田勇人が渾身の逃走劇を披露。直線に入ると番手から黒崎直行(写真)が抜け出し、見事地元ファンの期待に応える1着を勝ち取った。
  「典型的な恵まれですよ。(池田)勇人もかなりのペースで踏んでくれたたおかげ。本当に関東の若手は気持ちよく駆けてくれますよね。新しいバンクで、やっぱりちょっと勝手が違うところはあったけど、ひとたび打鐘が鳴ってしまえば、そんな戸惑いも消えますからね。地元で勝てたことは本当に嬉しいですね」
  2着には最終バック6番手から内を付き、直線で中を割った伊勢崎彰大が入線。圧巻のスピードで鋭く伸びた。
  「バックではヤバイかなと思ったけれど、何とか伸びましたね。最近はトルクをつけるために親父と坂道でバイク誘導の練習をしているんですが、コツコツ練習をした成果が出ました。昨日は雨で周回練習が出来ず、新バンクに不安があったけれど、結果が出たので問題もないでしょう。明日は久し振りに上位陣と走れるし、今から楽しみですね」


<9R>
村上義弘選手
村上義弘選手佐藤友和選手
佐藤友和選手
   村上義弘(写真)の快進撃は止まりそうも無い。主導権を取った神山拓弥を最終バックであっさりとまくると、マークする山田裕仁も引き離し圧勝劇を見せ付け好調をアピールした。
  「スタートで(佐藤)友和君も来なかったし、堀(政美)さんも中団が欲しそうな動きをみせていたので前を取って流れを見ました。周回中は若干疲れが残っている感じだったけど、その中で今日のような結果が残せたことは満足出来ますね」
  後手を踏み最終バックで8番手と万事休すかに思われた佐藤友和(写真)だったが、異次元のスピードでまくり前団をごぼう抜き。村上義弘に3/4車身差にまで詰め寄って2着に食い込んだ。
  「雨の中で無理をしたくなかったので、スタート争いは避けました。思ったとおりの展開にはならなかったし、流れは悪かったけれど、その中でこの着に入れたということは状態が良いのでしょう。レースも良く見えていたし、余裕を持って走れた。バンクも脚見せから軽く感じていたし走りやすかったですよ」
  佐藤の高速まくりに付け切った佐々木健司が3着に流れ込み、2日目の優秀戦に駒を進めた。
  「離れ気味になってヒヤヒヤしましたよ。優秀戦に乗れたのは嬉しいですですけど、500バンクだと直線でどうしてもペースが緩むし、ギアが大きいと踏み直しがキツイので明日は3.85に落としてみます。それにしても友和君は強いね」


<10R>
三宅達也選手
三宅達也選手
   先行した福田知也を三宅達也(写真)が豪快にまくると、後方から巻き返した武田豊樹を番手の池田良が捨て身のブロック。好援護を受けた三宅はそのまま押し切り、完全復活を印象づけた。
  「今日は全部(池田)良のおかげ。僕は前に踏むだけでした。早仕掛けになってしまったし、絶対武田さんにまくられると思っていた。でも、いつまでたっても武田さんが来ないからおかしいなと思っていたら、まさか良が止めてくれていたなんてね。池田さまさまですよ。僕もずっと踏みっぱなしだったからキツかったけど、前回までと比べるとコンディションは抜群に良いですよ」
  一方、武田を止めた池田良は7着という結果には手放しで喜べない。
  「番手を回らせてもらった以上は何かしなくてはと思っていました。周囲からはナイスブロックと言われたけど、前が1着で僕が7着ではね…。ただ、調子自体は悪くないし番手の仕事ってやりがいはありますね」
  2着に食い込んだ松坂英司は「今日の僕の着は、全部福田のおかげ。あいつは9着だったけど、何度も踏み直していたし良いレースができていたよ」と後輩の福田に労いの言葉をかけた。


<11R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手 神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   地元・神山雄一郎が一身に人気を背負った最終レースだったが、最終バック6番手の中川誠一郎(写真)がまくり追い込むと直線で大外を強襲。地元の神山に土を付ける波乱を演じた。
  「3コーナーではまだ脚に余裕があったし、うまく踏むコースが空いたので思いきり突っ込みました。3着くらいが一杯かなと思っていたけど突き抜けましたね。最後は踏んだだけ車が進んでいく感触だったし、状態は悪くないですよ」
  ゴール前で中川の強襲に屈した神山雄一郎(写真)はサバサバとした表情でレースを振り返る。
  「まくってきた石毛君をブロックしたとき後輪がスリップしてしまったのが痛かったね。藤田君も早めに行ってくれたけど、中川君にあそこから来られては手の出しようが無い。地元戦だから1着が欲しかったけれど、今日の展開では仕方ない。明日は村上君目標のレースになるけど、今日は同期の山田(裕仁)君がぶっ千切れてたから、僕も離れないように気をつけます」
  渾身のまくりで神山のブロックをかいくぐり、勝機到来かと思われた石毛克幸だったが、直線で失速し5着に沈む。
  「いけそうな感覚だったので早めに仕掛けていったけど、直線は長かったですね。全然短くなんてなっていないですよ(笑)。それでもレースは見えていたし神山さんを避けるように外を回ってあそこまで行けたのだから、デキは悪くないですよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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