『宇都宮競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:5月26日
 宇都宮競輪開設63周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ」が今日から開幕した。オープニングレースから高配当が飛び出す波乱の幕開けとなったが、長走路を舞台に熱戦が繰り広げられた。メーンの特選3個レースはいずれも見応えのあるレースとなり、場内は大きく沸いた。
 明日27日はスピーチーズライブが8、10R発売中に予定されています。そのほかにもファンサービス、イベントが盛りだくさん。ぜひ、宇都宮競輪場に足をお運びください。
<1R>
 オープニングレースを制したのは石井毅だ。荒木伸哉が宮本憲を叩いて最終主導権。ライン三番手から直線一気に追い込んだ。
 「勝っちゃいましたね。最近は成績が悪かったので、今回は新フレームにして、練習もみっちりやってきました。これでダメならしょうがないという気持ちだったし、結果を出せて良かったです」
 荒木伸哉は直線末を欠いて3着に敗れた。
 「レースは見えているし、身体は反応しているんですけどね。疲れがあって、ちょっと重かったです。距離が長かったかな」

<2R>
吉川誠選手
吉川誠選手
 利根正明が先制攻撃。この三番手にはまった吉川誠(写真)がまくり追い込んで快勝した。
 「冷静に走れました。前と車間を空けて、詰める勢いで踏んでいけました。自分だけのレースになってしまったのは反省点ですね。久々に予選をクリアできて嬉しいです」
 人気の小島雅章は勝負どころで立ち遅れてしまい、2着までが精一杯だった。
 「タイミングが全て悪かったですね。脚はいいんですけど、展開が悪かったです。今日の組み立てではダメですね」

<3R>
 1カ月ぶりの実戦となった橋爪亮が積極果敢に主導権を握る。高峰賢治が好展開をきっちりものにした。
 「橋爪君が頑張ってくれたおかげです。強いので信頼していました。展開が良かったし、しっかり勝てて良かったです。調子も問題ないですね。ラインで決まったのが一番嬉しい」

<4R>
 先制した今井裕介の三番手を上手く確保した五日市誠がバックから鋭くまくって激戦を制した。
 「いい位置を取れたのが良かったです。今井さんの踏み直しもすごくて厳しいかと思いましたが、何とか気持ちで乗り切れました。勝ち上がれて良かったです」
 逃げた今井裕介がしぶとく2着に粘った。
 「誰も出させるつもりはなかった。上手くペースで駆けられたと思います。でも、落車のアクシデントがあっての結果だから素直に喜べないです」

<5R>
 山形一気がマイペースで先行。中団はもつれ、中四国勢のペースとなった。渓飛雄馬が番手絶好態勢から一気に追い込んだ。
 「山形が頑張ってくれた。自分のところに誰か粘ると思っていたけど、すんなりで良かった。恵まれました。最後は少し焦って踏んでしまった」

<6R>
笠松信幸選手
笠松信幸選手
 中井太祐が逃げて、後続は一列棒状の流れ。笠松信幸(写真)が直線で楽に抜け出して久々の勝ち星を挙げた。
 「中井君がいいレースをしてくれました。番手で余裕はあったし、勝てて良かったです。だいぶ前にセッティングをいじって、そこから調子を崩してしまったんですが、だいぶ良くなってきました」
 人気の地元勢は後方に置かれる苦しい展開。大橋徹は切り替え策から内々を進出し、最後は外を強襲して2着に食い込んだ。
 「厳しい展開だったけど何とか勝ち上がれて良かった。脚にきてましたけどね。ギアを4.25に上げて良く伸びたと思います」
 3着に逃げ粘った中井太祐も好気合だ。
 「思った通りの走りができました。いいタイミングで仕掛けられたと思います。また明日もしっかり頑張ります」

<7R>
紀井孝之選手
紀井孝之選手
 紀井孝之(写真)が圧巻の逃走劇で別線をシャットアウト。前回の大敗から気配が一変した。
 「展開に恵まれました。いい感じで踏めたと思います。前回の千葉が終わってから色々とやって、身体もひと回り大きくなりました。練習の成果が出ましたね」
 番手の井上剛は差せず2着。通算200勝は明日以降にお預けとなった。
 「本当に強かったです。かかっていました。頼もしい後輩ですね。ありえない強さ。参りました」

<8R>
矢野昌彦選手
矢野昌彦選手
 地元の矢野昌彦(写真)がハイペースで飛ばして逃げ切り。4.17の大ギアで長い距離を踏み切った。
 「イメージ通り走れました。予選では負けられない気持ちでした。叩いて前に出れば何とかなるかなと。でも、前半で飛ばしすぎましたね。最後はタレてしまいました。緊張が取れてくればもっと良くなるはず。今回は決勝に乗りたいと思っているので、明日もしっかり頑張ります」

<9R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 打鐘過ぎに鈴木裕が先行態勢に入るが、中団外併走を嫌った長塚智広が最終ホームで番手まで追い上げる。前団のもつれを稲川翔が鮮やかにまくり切り、乗った山内卓也が鋭く追い込んだ。
 「稲川君がいいスピードでまくってくれました。あの展開だと後ろから来る人はもういないですからね。スピードに乗ってからは楽でしたけど、踏み出しは反応が悪くてきつかったです。最近は1着が減っているので、勝てたことが嬉しい。今回はいけそうな感じがします」
 まくった稲川翔(写真)のスピードは光っていた。
 「七番手になるようなレースはしないし、中団で粘るしかなかった。長塚さんが前までいったら、その上を叩こうと思ったんですけどね。番手で予想外でしたが、仕掛けると決めていましたから。今日は僕に流れが向いただけです。踏んだ感触は悪くなかったです」
 逃げた鈴木裕はあっさりとまくられてしまった。
 「後ろの様子が気になってしまい、かからなかったです。稲川君と力はあんまり変わらないし、ああいう展開だとやられますね」

<10R>
成田和也選手
成田和也選手
 逃げた菅田和宏を牛山貴広が七番手から一気にまくり切る。この後位に切り替えた成田和也(写真)が直線でズブリ。ダービー王の貫禄を示した。
 「菅田君はかなり早めに出て踏んでいたからきつかったと思います。後ろを見たら、すぐ横まで来ていて止められなかった。何とか勝てて良かったです」
 伏見俊昭は直線で飯嶋則之とからんだのが痛かった。
 「今日は三番手で内を締めて踏み遅れないようにと思っていました。成田が前に踏んでくれれば良かったんですけどね。飯嶋君が内に降りてくるのは分かっていました」
 牛山貴広は強力な北日本勢を相手に見せ場十分だった。
 「突っ張ろうかと迷ったんですが、出られてしまい、後ろまで下げました。番手から出られる可能性もあるので、それを考えながら踏んでいきました。まくり切れたので悪くないですね」

<11R>
小川勇介選手
小川勇介選手
 最終レースは九州勢が深谷知広に抵抗して激しいバトルとなった。最終的に深谷の番手に入った小川勇介(写真)が直線で差し返して金星を挙げた。
 「深谷に駆けられると厳しいので、自分が駆けようと思っていました。合志さんのおかげです。力を出し切ることに集中していたし、いいレースはできたと思います。ただ、踏む距離は長かったですね。ワンツーが決まって嬉しい」
 合志正臣は番手で深谷を厳しくブロックするなど、内容の濃い走りで2着に入った。
 「勇介はいつも自分の前で頑張ってくれる。(深谷は)止められると思ったんですけどね。そこからまた加速していきました。(審議が)セーフで良かった。4コーナーで前を抜ける感じだったけど交わせなかった」
 3着の深谷知広は厳しい表情を崩さない。
 「ブロックが厳しかった。まくり切った相手にまた抜かれるようではダメですね。新車で結果も出なかったし、状態もまだよく分からないです」
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