『宇都宮競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:5月12日
 日本選手権競輪の余韻が冷めやらぬ中、13日から平成28年熊本地震被災地支援・開設68周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦(GIII)」が開幕する。S班は武田豊樹、稲垣裕之の2名が参戦。他にも地元の神山雄一郎、山崎芳仁、園田匠ら豪華メンバーが集結した。長走路を舞台にハイレベルな戦いが繰り広げられる。
 開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。初日は大道芸パフォーマンス(2R発売中)やジャズコンサート(5・9R発売中)。「スピーチーズ」LIVE(6R発売中)、「長田真友子」によるLIVE(11R発売中)などのイベントを予定しています。13日から始まる「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦(GIII)」をぜひ本場でお楽しみください。

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山岸佳太選手
山岸佳太選手
 昨年10月に9連勝で特昇した山岸佳太(写真)は、4月伊東を116着などFI戦をコンスタントに優出。前回の和歌山では途中欠場も、しっかり修正してきた様子だ。
 「前回は体調も悪かったし、(レースも)中途半端になってしまって…。でも、前回が終わってからずっと練習しました。ここに向けてやってきたし、しっかり勝ちにいきたいです。(後ろが地元の阿久津修で)責任重大ですね。後ろがしっかりしているので、自信を持って走ります」
 近況4場所は優出を逃すなど一息の成績が続く佐藤康紀。それでも、ここは競走得点最上位の意地を見せたいところ。
 「(状態は)良くもなく、悪くもなくですね。でも、前回(昨年10月)ここを走った時に鎖骨を折っているので、今回はそのイメージを払拭したい。ここまではダービーの予備で配分が空いたので、練習をしてきました。(目標の佐々木吉徳との連係は)初めてだと思います。でも、開催で一緒になっているので、レースは見ていますよ」

<2R>

 亀井久幸は前回の松山を124着。準決勝では溪飛雄馬と番手で競りも、凌いで決勝に駒を進めた。
 「2日目から良い目標(早坂秀悟)がいたので。そのおかげですよ。でも、チャンスをモノにできたのは大きいです。ここまでは18日空いたんですけど、体調を崩してしまって。でも、メニューはこなせました。体調は心配ですけど、気合いで乗り切ります」
 日当泰之は今期からS級に復帰。「自分では(通用しているとは)感じない」と消極的なコメントも、ここ3場所は同格戦ながらしっかり連に絡んでいる。
 「9着が多いですね。カマせなかったり、まくれなかったりしたら、外に浮いちゃう同じパターンです。でも、暖かくなってきて、良くはなってきました。ここまでは普通にやってきました。(初日は)主導権は取れるように」


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松村友和選手
松村友和選手
 松村友和(写真)は大崩れが減少して競走得点が急上昇。「今回もいける感触がある」と自信を覗かせた。
 「初心に戻って練習量を増やしたら、レース中も余裕が出てきて、コースも見える。いい感じですね。結果が出てしまっている内は(この練習量を)やめられない(笑)。いけるところまで頑張ります。ここまではいつも通りやってきました。(感触も)抜群に良かったです」
 大敗続きの野口大誠は、ここから巻き返しを誓う。
 「宇都宮はイメージが良いし、好きです。去年(8月)のここの準決勝で、すごいタイムで逃げ切っているんですよ。(不調の原因は)練習のやり方に問題があったと思って、見直しました。ここまで20日空いて、世間はゴールデンウィークでしたけど、俺は練習をしていました。あとはやるだけですね」

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 桐山敬太郎は4月岸和田で優出を果たすと、前回の西武園記念でも1613着。状態が上向いてきた。
 「(西武園記念の)後半は自分の中でもしっくりきました。日にちがたっているから、落車のせいにできないですけど、(状態が上がってこなかった原因は)落車なんでしょうね。でも、これが続かないとダメなので、今回が大事。(ここまでは)ダービーの補欠であっ旋がなくて、北海道で走ってきました」
 対する山本奨は「(3月は)あっ旋停止でした。その間にしっかり練習して。自信を持って川崎記念と静岡にいったんですけど…。でも、自転車のセッティングはバッチリ出たので。今回は良いですよ」と準備万端で当所を迎えた。


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 ウィナーズカップで落車した佐藤友和は、復帰した前回のダービーでも失格と流れが悪い。ここで結果を残して風向きを変えたい。
 「(ダービーは)やりたいことをやっての失格なので。前(坂本貴史)を残せなかったですけど、2着(失格)だし、脚の感触は悪くないです。先の見えた良い開催でした。(目標の橋本智昭は)ゴリゴリ踏んでいくイメージがありますね。初日は任せます」
 前回の松阪で久しぶりの優出を果たした谷口遼平。準決勝は後方に置かれるも、2センターから大外を踏み上げて3着に食い込んだ。
 「落車が続いてよくなかったです。前回は展開で決勝に乗ったんですけど。でも、(準決勝は)ある程度脚がないと3着までには入れないので。多少は良くなっているのかな。ここまでは普通に練習してきました。(練習の感触は)悪くなかったです」

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 鹿内翔は3月岐阜をVなど、成績が急上昇。4月西武園記念でも、2821着と鋭い伸びを見せた。
 「岐阜の優勝はデカいですけど、(2月)伊東(711着)で1着を取ってからいいですね。とくに何も変えていない。練習をしただけですね。(新山)響平とか、(坂本)貴史とかと一緒に練習をやって。真面目にやったってのはありますね(笑)。みんな強いので、引っ張られました」
 1月奈良、2月松山で落車した伊原克彦。その後は3場所続けて精彩を欠いたが、4月川崎記念では初日を白星スタート。すると、前回の久留米でも優出と風向きが変わりつつある。
 「落車の影響が、川崎くらいからなくなってきました。久留米も優出できたし、それ(良い状態)を維持できています。流れもいいですね。ここから点数を上げたい」

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久米康平選手
久米康平選手
 久米康平(写真)は4場所連続で予選を白星と上り調子。しかも前回の向日町準決勝では、好位確保からまくって矢野昌彦らを撃破。俊敏な走りを披露した。
 「(4場所連続での白星は)気にしていません。感触自体はずっと良いので。(4月)青森(156着)も結果は悪いですけど、(感触は)抜群に良かったです。ここまでは練習もできたし、状態も良い。ただ、レース間隔があいたので、走ってみないと。次が地元(FI)なので、弾みを付けたい。行ける所で体が反応して、仕掛けられるように」
 対する吉田茂生も前回の小倉を113着と好走。勢いそのままに、一次予選を突破するか。
 「大きい着も多いので、点数が上がらない。そこらへんを減らしていきたいですね。前回はすごく(状態が)良いって感じではなかったですけど、結果は良かったです。そのままの流れで頑張りたいですね。500バンクはあまり得意じゃないですけど、しっかりと」

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 このレースは実力上位の志智俊夫が人気の中心だ。4月久留米の落車から一息も、ここから再度上昇気流をつかむ。
 「(近況の状態は)見たままですね。(勝ち上がりで)1着が取れていない。あと一歩といわず、十歩くらい欲しいですね。ちょっと落車でケガをして。負荷をかけて練習ができなかったんですけど、今回は負荷をかけてやってきました」
 伊藤裕貴は、前回のダービーを586着。成績こそ一息も、強気に攻める競走を見せた。
 「ダービーは力不足もあったし、2走目もよくなかったです。でも、1走目、3走目はゴール前まで確定板に乗れる感じはありましたね。前の自分なら出来なかった。脚力は付いたのかなと思います。その後はダービーが悔しかったので、次の日から練習しました。明日はいつも通りの走りでラインで決められたらいいですね」

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金子哲大選手
金子哲大選手
 予選のメーンは総合力で勝る関東勢が一歩リード。金子哲大(写真)は、1月大宮記念、3月玉野記念で準決勝に進出とG戦でも好走を見せる。前回の松阪でも、上位陣不在の開催で122着と結果を出した。
 「着はまとめられているし、仕掛けられていると思います。前回の決勝も中団を取って、(前の中部勢が二段駆けの布陣だったので)いかないとと思って。結果2着で良かったです。気候も暖かくなって、体が動いてきました」
 山口貴弘は2月名古屋で準Vなど、今年に入って成績が上昇カーブを描いている。地元記念で力を出し切る。
 「前回(大垣715着)は疲れている感じだったので、今回はまったく自転車に乗らずに、休みました。バッチリのはず。(目標の)金子君とは1着を取らせてもらっているし、相性はいいです」
 近況は車が進んでいる吉川誠。前回の川崎の最終日でも、後方からまくって前団をひと飲みした。
 「3場所前(4月久留米)から新車にしました。進みが違いますね。その前まではフレームがダメだったのが原因。それで成績を落としてしまいました。(4月静岡、5月川崎、当所と)続けて中3日なので、しんどいです。今日しっかり休みます」

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園田匠選手
園田匠選手
 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。昨年の覇者・園田匠(写真)は、ダービーの初日特選でも連係した松岡貴久が目標。白星を挙げたダービー初日の再現も十分だ。
 「(ダービの決勝は)持ち味を出せる展開にならなかったけど、それ以外は良かったです。初日特選、準決のレースはすごく伸びたし。優秀も車体故障がなければ、伸びていました。明日は(松岡)貴久に任せて。ダービーの初日特選の1着も貴久の後ろだし。やってくれるでしょう」
 前回のダービーは二次予選で敗退した神山拓弥だが、シリーズ2勝と随所で鋭く伸びた。プレッシャーのかかる地元記念だが、気負いはなさそう。
 「ダービーは連日、前の選手が頑張ってくれたおかげです。(ここまで中4日だが)疲れがあったので、1日、2日はゆっくり休んで。3日目から疲れが抜けたのでしっかりやりました。(自分は)結果で(状態を)見るタイプなので、ダメだったら調子も悪かったってこと。(目標は)常に上を走りたいですけど、そう思っていても結果がでないこともあるので。自分のできることをやって頑張りたい」
 山田久徳はダービーを連勝で準決勝に進出。準決勝では三谷竜を後位でアシストと奮闘した。今後は番手での技術も高めていく。
 「ダービーは連勝で準決までいけたのはよかったです。内容は別として、今までやってきたことが着に出ました。準決は小さい失敗があれ(4着)になって。でも、やりたいことはできました。(番手から)出ていくだけじゃなくて、今後はラインで決まるように。何でも出来て、勝てる選手を目指しているし、総合力を上げたいです。今回は決勝に乗れるように」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 ダービーでタイトル奪取も期待された稲垣裕之(写真)だったが、結果はまさかの二次予選で敗退。気持ちを切り替えて今シリーズに臨む。
 「勝ち上がれなかったので、ここまでは練習をしました。これから後半に向けていろいろ試したいこともあります。(ダービーを優勝した三谷竜生は)もともと力のある選手ですし、勝負根性も人一倍強いですね。本当にいい刺激を受けました」
 稲川翔も、ダービーは一次予選で勝ち上がりに失敗。それでも、3走目、4走目と俊敏な動きで連勝を果たした。ビッグ制覇を果たした思い出のバンクに気持ちを込める。
 「ダービーは初戦がダメだったのが一番…。上積みはないですけど、自分の実力を受け入れてやろうと思って。しっかりレースの中で良くなっていけるように走ります。(14年の当所で高松宮記念杯を制しているが)それは終わったことですけど。そうやって思って走れるのは精神的にプラスにしかならない。楽しみにもしています」
 渡邉雄太は4月川崎記念を優出などG戦線でも結果を出している。波乱演出も十分だ。
 「宇都宮はA級の時に一回走っただけです。(500バンクも)あんまり走らないのでわからないですね。ここまでは2日間練習して、あとはケア中心。(節目の100勝にリーチをかけているが)意識はしていません」

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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 近況は番手戦が多かった武田豊樹(写真)だが、ダービーは自力で準決を突破。復活した機動力で同型ライバルをねじ伏せる。
 「ダービーの決勝は自分の踏めるコースがあったのに、踏めなかったです。いろいろ反省がありますし、力不足。G1だと自力ばかりではなかなか勝てないことがありますね」
 武田と番手は神山雄一郎
 「ここまでは時間がなかったので、調整だけ。自転車には乗っていません。(状態は)良くなってきました」と上がる調子を追い風にして、60周年以来の地元記念制覇へ好スタートを切ろう。
 1月立川記念を制した北津留翼の一発にも警戒したい。
 「ダービーはいまいちな感じでしたね。脚はいつも通りだったんですけど。(今回の追加は)ダービーの3日目に入りました。問題ないと思います。(疲れも)大丈夫です」
 松岡篤哉はダービーを2363着。連日、末の良い先行で成績をまとめた。
 「フレームを戻したらよくなりました。今回もダービーの時と一緒のフレームです。ここまでは、いつもより抜き気味にやって疲れを取ってきました。基本的に(先行が)持ち味なので、今回も一回前に出て頑張りたい」