『大宮競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月15日

 大宮競輪場で開催されている東日本発祥72周年「倉茂記念杯(GIII)」は、1月15日に2日目が行われた。勝ち上がりが争われた二次予選のトリを務めた平原康多は、坂井洋とのワンツーで人気に応えて連勝で締めた。16日の3日目は決勝進出をかけて、準決の3個レースで激戦が展開される。
 大宮競輪場では緊急事態宣言の発出、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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瓜生崇智選手
瓜生崇智選手
 熊本コンビが切った上をじわりと出た元砂勇雪が先行態勢を取る。7番手の長島大介が最終ホーム手前から反撃に出ると、元砂も合わせて逃げる。長島は3番手の瓜生崇智の外までで、瓜生に弾かれて不発。元砂の番手の山本伸一に絶好の展開だったが、追い込むも一息。最終3コーナーでは9番手にいた齋藤登志信が、コースを縫って鮮やかに突き抜けた。
 「(庄子信弘に)全部、任せてました。練習ではいつも抜いているんですけど、本番では抜けないことが多いので抜いてやろうっていう気持ちでした。みんなが重いコースを走ってたんで、自分がうまいコースを走れたことがすべてです」
 近畿勢を受けて3番手をキープした瓜生崇智(写真)は、外の長島を再三にわたりブロック。山本に振られながらも直線で伸びた。
 「元砂さんと長島さんのモガき合いもあるのかなと。(最終的に)近畿の後ろからいけたらと思ってたんで、展開通りにはなりました。初日は1周半からモガき合ったんでキツくて、今日(2日目)の方が良かった。1日、1日良くなっている感じです」


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合志正臣選手
合志正臣選手
 打鐘で中本匠栄が押さえて出て、4番手に小川圭二が続く。中本がペースを落とすと、インを進出した鈴木裕が内に包まれる。最終ホームを過ぎてもペースは上がらず、8番手まで下げた磯川勝裕がカマすと中本が飛び付いて番手を奪取する。中本後位で脚を溜めた合志正臣(写真)が、磯川と中本の間を伸びて1着。
 「(中本)匠栄には(最終)1コーナーから1センターにかけて(先行の)腹をくくってほしかった。そうすれば自分も仕事をできたし、ラインで決まったかなと。昨日(初日)終わってからセッティングを見直して、道中で余裕はあるし自分でも驚くくらい伸びた」
 初の記念でも落ち着いた仕掛けで持てる力を発揮している磯川勝裕が、ロングまくりで2着に入り準決にコマを進めた。
 「前を取って鈴木さんが来たら突っ張って、中団でゴチャつかせようと思っていた。引くのが遅くなって、判断を誤りました。準決に上がれたのでチャレンジャーとして、出し切るレースをしていきます」


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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 打鐘の3コーナーで鈴木庸之から切って出て、そこを谷口遼平が押さえる。岩本俊介がすかさず仕掛けると、谷口は岩本を受けて岩本が最終ホームで主導権を奪い、三谷政史と接触した木暮安由は落車。しかしながら、そこを高久保雄介がカマしてスピードよく風を切る。3番手から詰める勢いで踏んだ岩本を6番手からまくり気味に追い込んだ鈴木が交わして1着。
 「木暮さんがコケたのを確認して、(接触した)自分の車輪は大丈夫だったので、(仕掛けて)行かないとって思ってからいった。けど、出ましたね。踏んだ感じは軽い。調子は普段通りなんですけど、その普段通りっていうのが高い位置にはなりました」
 結果的に近畿勢のカマシに飛び付く形になった岩本俊介(写真)は、3番手からの追い込み。
 「谷口に踏まされたけど、そのあと高久保(ラインに)付いて少ない時間で(脚が)回復してまた踏めたんで良かった。できれば(ラインの)3人で決めたかった。でも、(新車は)2日目になってなじんできた感じがある」


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不破将登選手
不破将登選手
 森田優弥は、外の菊地圭尚を張りながら打鐘の2センターから踏み込む。鶴良生をを森田が叩くと、桑原亮が4番手にスイッチ。不破将登(写真)は最終3コーナー過ぎに5番手からまくり追い込みで前団をのみ込んだ。
 「迷っているうちに桑原さんに切り替えられてしまった。もっと早く仕掛けられれば良かったけど、宿口(陽一)さんのにらみが…。詰まった状態から行ったんで出るかどうかわからなかった。でも、うまく自転車が出ました。初日も伸びは良かったんで、体調は悪くない」
 最終2コーナー手前で出た森田との車間を空けた番手の宿口陽一は、後続との間合いを計って追い込むも不破の屈した。
 「森田はたぶん迷いながらだったと思う。それで掛かり切らない感じだった。そのあとも(まくりが)来たらけん制しようと思ったけど、なかなか来なかった。脚の感じは引き続きいいし、体調も悪くない」


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久保田泰弘選手
久保田泰弘選手
 大方の予想通り藤根俊貴が先頭に立って、北日本ラインが主導権。前受けの植原琢也はすんなり7番手まで下げて、久保田泰弘(写真)が労せずに中団を手に入れる。藤根は、最終ホーム手前からペースを上げて隊列は一本棒。7番手の植原はバックでも動けず、溜めるに溜めた久保田が4コーナー手前から外に持ち出して北日本勢をとらえた。
 「ビックリするくらい車が出ましたね。500バンクは嫌いなんですけど今日(2日目)は良かった。初日は重い内を走ったのもあると思う。記念の準決は2度目なので勝ち上がれるように頑張ります」
 藤根の逃げを利した佐藤慎太郎が追い込むも、中国コンビに交わされて3着。
 「藤根が思った以上に早いところから踏んで、ワンテンポ遅ければ残っていたのかな。人気になっていたし1着を取りたかったですね。別線にすんなり中団を取られたので伸びてきましたね」


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清水裕友選手
清水裕友選手
 三好恵一郎を最終ホーム手前で叩いた山本紳貴が逃げる。7番手に置かれた清水裕友(写真)は、1センターのあおりが落ち着くと間髪入れずに踏み込む。さすがのスピードで前団を仕留めた清水は、続いた井上昌己とのゴール勝負を制して押し切った。
 「スタートの位置はこだわっていなくて、相手の様子を見てでした。山本さんが前に出て駆けるようなら落ち着いたけど、緩めたので、その隙にいった。初日の感じだとどうなるかと思ったんで、朝乗った(指定練習で)感じで我慢できなくて自転車もシューズもいつものに戻しました。立川記念の3日目からも使ったやつです」
 井上昌己は清水に4分の3車輪まで詰めたところがゴール。
 「(清水は)どんどん掛かっていきましたね。抜きにいった時に(清水の動きで)ちょっと変な感じになった。(清水が)強かったです。付いていくぶんには問題ないけど、(清水)裕友に付いたスピードで感じたことがあるので、セッティングをちょっといじります」


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坂井洋選手
坂井洋選手
 赤板から早めに上昇を始めた伊藤裕貴は、中団の坂井洋に併せ込んでフタをする。坂井も3番手で下げずに併走のまま打鐘を通過する。このまま竹山陵太の先行かに思われたが、最終ホーム手前で踏み込んだ伊藤が、主導権を握って駆ける。離れた井手健、単騎の須藤悟が降りて、坂井は結果的に7番手からの巻き返し。2コーナーで踏んだ坂井がスピードに乗せて前団に迫る。堤洋のけん制の乗り越えた坂井に地元勢が続き、関東3車で出切る。坂井のまくりを余裕をもって交わした平原康多が連勝。
 「(展開が)思ったよりも厳しい感じになりました。(前を)任せた以上は結果はしょうがないと思ってるけど、うまくワンツースリーで良かった。今日(2日目)は風はなかったけど寒かった。(大宮は)もっと過酷なイメージだから、僕としてはまだいい方で走りやすかった」
 反撃のタイミングが遅れた坂井洋(写真)は、まくりになったもののラインを上位独占に導くスピードを披露した。
 「(伊藤との併走は)さすがに引けないと。ただ、(伊藤が)なかなか行ってくれなかった。行った上をそのまま叩くつもりだったんですけど、井手さんが遅れてきた。(まくりに)構えるつもりはなかったのに、そうなっちゃいました。体のコンディションは悪くないけど、運が良かったとしか言いようがない」