『大宮競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月17日

 大宮競輪場で開催された東日本発祥72周年「倉茂記念杯(GIII)」は、1月17日に最終日が行われた。S級S班の3人が勝ち上がり、関東勢が2つに分かれた決勝は、地元の森田優弥が主導権。清水裕友に合わせて番手から出た平原康多が優勝。通算26回目のGIII優勝で8度目の大宮記念制覇を飾った。

決勝戦 レース経過

 平原康多がスタートで誘導員を追いかけると、森田優弥-平原-佐藤慎太郎-清水裕友-合志正臣-岩本俊介-東龍之介-鈴木庸之-河野通孝の並びで周回を重ねる。
 隊列に動きのないまま残り2周の赤板ホームを通過。2コーナーから上昇した鈴木は打鍵過ぎ3コーナーで先頭に立ち、その上を2センターで岩本が押さえる。清水もこの動きに乗り換えようとするが、その動きを制して踏み上げた森田が最終ホームから一気に主導権を握る。合わせて踏み込んだ鈴木は内で踏み遅れた岩本に代わって4番手を確保。清水も2コーナーから好回転で前団に迫るが、気づいた平原はこれを張りながら3コーナーから番手まくりに出る。佐藤の追撃を振り切った平原は昨年に続いて大会連覇。通算8度目の地元記念優勝を飾った。

平原康多選手
平原康多選手

 「過去、何回獲ったか覚えてない。いまを一生懸命やっているんで」
 西武園の3回を加えると、これが11回目の地元記念V。偉業を更新し続ける平原康多(写真)に地元への愛着はあっても、ファンの期待に応える走りはどこの競輪場でも変わらない。
 「本当に毎年、一戦、一戦手を抜いてない。そうやって勝負をして、その結果、年末の大舞台(グランプリ)に立てていれば」
 立川に続いて早くもこれが今年2度目の記念優勝。立川の決勝では連係した鈴木庸之が車体故障で自力に転じてV。今シリーズの決勝は地元の後輩、森田優弥とのタッグだった。
 「森田はレースがうまい方だし、ヨコの動きも上手。“競輪”をしてくれる選手だから、全面的に信頼して付いている」
 その森田が打鐘の2センターからダッシュを利かせて踏み込んで主導権。後位を固めた佐藤慎太郎まで出切って、平原にとっては絶好の流れになった。が、清水裕友がさすがの加速力で襲い掛かってきた。
 「森田はそんなに簡単にいかれるスピードじゃなかった。でも、やっぱり清水は違いましたね。さばいてるヒマがなかった。そこの判断をちょっとでもちゅうちょすると両極端(の結果)になる。それが今回はいい方に出た」
 最終バック過ぎに番手まくりの選択をとった平原が、清水を合わせ切って直線に入る。佐藤が迫ったものの、着差以上に危なげない勝利だった。
 「年末(のグランプリ)でワッキー(脇本雄太)と(ラインを組んで)走って、すごく考えさせられるところがあった。それがいい方に出ているんだと思います。まずは(2月に)全日本選抜があるんで、そこに向けて仕上げていきたい」
 9年連続12回目のグランプリ出場に、これ以上ない21年のスタートを切った平原。その存在感は、衰えるどころか増すばかりだ。

 「今日が一番、感じが良かった」と、振り返った佐藤慎太郎が、平原に続いて2着。半車輪まで詰めたものの優勝は遠かった。
 「平原は(清水)裕友を合わせてからも、だいぶ余裕がある感じだった。俺が抜きにいったのも合わせている感じだったので、あれを抜くっていうのは…」

 森田の仕掛けに俊敏な反応で4番手に追い上げた鈴木庸之は、最終2センターで合志正臣とからんで3着まで。
 「(4番手に)入ってからも余裕もあった。清水が行っちゃうかなと思った。行ってくれればスイッチしてと。前回(立川の決勝)は車体故障で踏み切れなかったんで、(この決勝で)SSの人たちと戦えるのもわかったんで良かった」





次回のグレードレースは、松山競輪場開設71周年記念「金亀杯争覇戦」が1月21日~24日の日程で開催されます。
今シリーズの注目選手は、松浦悠士、郡司浩平、守澤太志のS級S班3名を筆頭に、地元勢では松本貴治、橋本強、渡部哲男らが4日間に渡ってハイレベルなV争いが繰り広げられます。
1月11日時点の出場予定選手データを分析した松山競輪場開設71周年記念「金亀杯争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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