『大宮競輪開設59周年記念競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:1月15日


 東日本発祥59周年『倉茂記念杯』は埼玉県大宮競輪場にて15日、開催2日目が行われた。準決勝の椅子を巡り白熱の攻防が続いたが、無事全11個レースが終了し、残り2日間となった。準決勝進出を果たした選手を中心に検車場からレポートをお届けします。
 尚、開催を通して行われるファンサービスは、ホットドリンク(先着1000名様)、お子様限定!駄菓子セットプレゼント(4日間1000個)、メイドさんがいっぱい!萌え自転車屋台、メイド足湯in大宮競輪(タオルプレゼント)、埼玉応援専用スタンド(埼玉選手を応援しよう!応援ジャンパー&応援グッズプレゼント、バンク内観戦(最終レース)、へいお待ち!ダービー王小池和博の直前予想(8レース発売中)と盛りだくさん。
 3日目のファンサービスは十万石まんじゅう配布(先着1000名様)、専門紙記者による早朝ガイダンス(9時40分から)、選手会埼玉支部プレゼンツ競輪×競艇×オートコラボトークショー(埼玉競輪選手と競艇選手とオートレースの現役選手が出演)、決勝を賭けた白熱のレースをナマでご堪能下さい。



<5R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   5レースから二次予選Bがスタート。地元の新鋭岸澤賢太を力と技でネジ伏せたのは岡村潤(写真)。空いた内を巧みに突いて主導権を取ると、そのまま押し切った。
 「打鐘で岸澤君に押さえ込まれた時、引こうか迷いましたね。岸澤君が踏んだ時に高原(仁志)さんが離れ気味だったので、斬り込み気味に内から駆ける形になった。頭で考えるより身体が反応したみたい。記念の準決勝はほんと久しぶりなので楽しみです」
 初日同様に位置取りのうまさを見せたのは高原仁志だった。岡村ラインへの俊敏な切り替えで好位キープから直線伸びての2着。
 「今シリーズは力よりも流れ一本な気がする(笑)。前々と踏んでたのが正解だったね」
 一方の岸澤賢太は援護してくれた朝秀忠と共に反省会。
 「A級ならあのまま駆けられるけどS級は厳しいですね。(中バンクから)降りながら踏もうと思った時には内に岡村さんがいました。悔しいけど、今後に生かせれば…」


<6R>
前反祐一郎選手
前反祐一郎選手
   6レースは井上雄三が何が何でも先行は譲らない気迫で駆けた。先まくりの谷津田将吾を飲み込んだのは西ライン。珍しくまくり強襲を見せた金山栄治は井上のやる気に圧倒された。
 「6番(井上)の気合は凄かったね。絶対逃げる気迫でしたよ。3番(谷津田)がひとりでまくる形になったのは見えたし、追い掛ける形で踏みました」
 2着の前反祐一郎(写真)はツキを強調するが、ゴール前では金山に迫るスピードを披露した。
 「初日8着で勝ち上がりは断たれてたのに、繰り上がりで二次予選B、そこから準決までいけるなんてツキがありますね。金山君は元々広島で年も一緒。高校時代から付き合いがあるし、切り替える訳には(笑)。でも、僕じゃまくれないと思うし、結果正解ですよ」
 ハイペースな流れにベテラン井上薫は息も絶え絶えでローラーに乗りクールダウン。
 「苦しかった~。僕自身は悪くないと思うよ。初日は展開がコケただけだしね。1着権利の準決Cだが、頑張るだけだよ」


<7R>
八日市屋浩之選手
八日市屋浩之選手
   7レースは二段駆けも辞さない構えの地元勢を佐藤瓦が封じ切った。自身は粘れずも、ラインの八日市屋浩之、中村光吉が勝ち上がり、サバサバとした表情で振り返る。
 「さすがに500じゃ粘れないですよ(笑)。でも、年末の落車してた時期に比べればだいぶ良くなってきてる。思い切ったレースが出来てますからね」
 その佐藤を利した八日市屋浩之(写真)が展開の利を生かしきって1着ゴール。佐藤に感謝、感謝の様子。
 「宿口(陽一)君が必ず巻き返してくると思ったし、波を作って仕掛けにくくしたつもり。でも、それより佐藤君が強かった。今日は全て佐藤君のおかげです」
 2着に入ったベテラン中村光吉も若手2人の健闘を称えながらのクールダウン。
 「前の頑張りで2着になれただけ。でも落車もあったし、ゴール前は危なくてあせったよ」
 何とか3着に入り地元の面目を保った吉田勇人だが、表情は冴えない。宿口が行けずの外をまくるかと思われたが、遅めの仕掛けになった。
 「陽一(宿口)が外に張り付いてて、飛ぶのか飛ばないのか見過ぎてしまった。最後に陽一の内に差した時に戻られて、身体が触れたし危なかった」


<8R>
吉川誠選手
吉川誠選手
   8レースは初日特選組が登場。展開三分も堂々と主導権を取って逃げ切ったのは吉川誠(写真)。ラインを引き連れ抜群のかかりを見せた。「逃げ切れて嬉しい~(笑)。ラインも連れて行けたし最高ですね。自分でもかかってたと思うし、最高のレースが出来ました」
 番手の中村浩士は15日が誕生日。白星でバースデーを飾りたかったが、吉川の強靭な末脚に交わせずじまいで、思わず苦笑い。
 「バックでの吉川君のかかりは半端じゃなかった。誕生日でもなかなか1着は取れないものですね。でもラインで決まったし、ヨシとしないと」
 3着の宗景祐樹は競り合いを凌いで最後は内を伸びた。それでも着より内容の反省点を強調する。
 「結局、吉田(敏洋)君に離れてしまったから…。そのへんが課題ですね。最後も突っ込んだというより、空いた内を自然に踏んだだけ。それでも一応勝ち上がれたので」


<9R>
坂上忠克選手
坂上忠克選手
   9レースは傑出者不在の混戦レースとなったが、主導権を取ったのは矢口啓一郎。しかし、後ろが競り合いになりもつれたところを村上博幸が襲い掛かる。この村上を矢口が自ら止めたが、両者共に失速。村上後位から外を踏んだ坂上忠克(写真)が突き抜けた。だが、村上が残れなかったためにコメントは控えめ。
 「村上君に任せっぱなしで前の状態も把握出来てなくて…。村上君が止められて、他が内に行ったので外に行って正解でした。でも、村上君が残れず残念です」
 その村上博幸も表情が冴えない。仕掛けた瞬間は前を一気に飲み込む勢いに見えたが…。
 「やっぱりまだ身体が変ですね。矢口君のブロックは想定してたし、堪えながらの直線勝負だと思ったが全然ダメだった。もう少し時間が掛かるかも…」
 2着強襲は九州ライン三番手から伸びた藤野義高。初日は無風の番手2着だったが、2日目は後方から中を鋭く伸びた。
 「大外を踏んだら厳しかったろうね。ビバロがダメになって、今使ってるフレームの特性がようやく掴めてきたかな。ギヤを上げて、クランクを長くしたら、伸びも良かった」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
   10レースは平原康多(写真)が登場。絶対負けられない二次予選で堂々と主導権を取り切った。差されたとはいえ、初日に比べれば表情は明るい。
 「初日は脚が三角に回ってる感じだったが、今日はある程度踏めたと思う。同県で乗れるレースは多くないし、先行勝負のつもりでしたよ。新井(秀明)さんは脚があるのは分かってるし、差された事は仕方がない」
 差し切った新井秀明は競り合いを凌いで返す刀で差し切る金星に満面の笑み。
 「最後に外に追い上げて勝負するつもりだったが、廣川(泰昭)君も、南(修二)君も粘らないので、再度内に潜って勝負した。抜けるとは思わなかったが、伸びましたね。京王閣で後閑さんや同県勢との合宿の成果が出てます」
 3着も地元コンビ後位を死守した阿部康雄。巧者ぶりを発揮して上位独占を果たした。
 「吉永(和生)君が下がってきたから、僕がターゲットなのかと(笑)。踏み負けないように頑張っても内が重いバンクなので苦しかった。それでも3着でホッとしてます」


<11R>
後閑信一選手
後閑信一選手
   最終11レースは『昇竜賞』がサブタイトルの優秀戦。細切れ戦ながら最終ホームからは一本棒の展開。先行が持ち味の藤田竜矢が絶妙のペースで別線を完封。後閑信一に交わされたとはいえ、殊勲賞ものだ。
 「緊張してうまく脚が回ってなかった。佐々木(則幸)さんが斬ってくれる形になったので、仕掛け易かったとは思います。流し過ぎるとカマシが来るので結構踏んでましたよ。全開モードを入れたのは二角からだけど、粘れましたね」
 藤田竜矢の脚質を後閑信一(写真)が分析。
 「彼の先行は付いてる選手にもズーンと重さがのしかかってくる駆け方なんですよ。だから後ろも仕掛けにくくなる。ゴール前でも全くタレてこないし素晴らしかった。僕? 勿論僕もOKですよ(笑)」
 うまく中団をキープしてまくり追い込みの必勝パターンに見えた佐々木則幸だったが、意外に伸びず。
 「あれ?って感じです。内を三宅(伸)さん、外を海老根(恵太)君にズッポリ行かれてるし…。全く車が出なかった。何でなのか自分でも不思議です」
 八番手に置かれた荒井崇博はあまりにも前が遠かった。
 「藤田(竜矢)君が押さえて駆けるなら切り替えて、追い上げも出来たけど、カマシ気味にグングン踏んで行くしどうしようもなかった。組み立てミスでしたね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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