『大宮競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:1月12日


 大宮競輪場で今日から「東日本発祥60周年 倉茂記念杯」が開幕した。初日から晴天に恵まれ、選手たちの気合もヒートアップ。本日メインの特選レースは、伏見俊昭、平原康多、海老根恵太、浅井康太らが勝ち上がり、明日の優秀戦に駒を進めた。
  本場では様々なイベントが開催されます。毎日、大宮懐かし遊技場や、昇竜舞台では日替わりで伝統演芸を披露。9時45分から専門紙記者による予想ガイダンスや、8レース発売中には小池和博氏による「俺流予想会」が予定されています。明日は500円車券購入券が6人にひとり、合計100名様に当たるスピードくじを先着600名様に配布します。どうぞ、本場へお越しください。


<1R>
 1レースは久冨武が主導権をにぎると、番手の宇根秀俊が抜け出して快勝。絶好の展開をモノにして、満面の笑みだ。
  「久冨君は二角からのスピードが凄かったし、ようかかっていましたよ。まくりが来る気配も無かったし、後ろを見る余裕もありました。顔見せで木村(泰丈)さんがヨコに来ていたから、競られるのかな?ってずっと不安だったんです。そうしたらすんなりだったし、これならいけるだろうなと。その通りになりましたね」


<2R>
 2レースは押さえて二角から先行態勢に入った田中俊充がペース駆け。直線に入り山岸正教、加藤渉に抜かれたが、自身も3着に逃げ粘った。
  「山岸さんに前でやりたいとお願いした以上、今日は先行しようと決めていました。直線に入ってからもある程度、脚にも余裕がありました」
  勝った山岸正教は「田中は100点満点ですね」と絶賛する。
  「カカっていたし、何度も踏み直ししていましたね。とても6番車の走りじゃないですよ。俺は後ろの動きを一切気にする事無く走れました。今日は恵まれすぎです」


<3R>
松田孝志選手
松田孝志選手
   3レースは松田孝志(写真)が二角カマシで別線を完封。圧巻の逃走劇を披露した。
  「(隊列が)緩んでいたし、誰も行かないなら行ってしまおうと思って叩いたけど、長いですよ、やっぱり。これだけモガかされるとは思わなかった。俺はもう40を超えてんですよ(苦笑)」
  前受けから作戦を組み立てた工藤政志は判断ミスを悔やむ。
  「松田さんら2車が行って、そこですぐに反応できれば良かったけど、柏木(伸介)さんの動きが気になってしまい行ききれなかった。判断ミスでしたね」


<4R>
 4レースは岡本英之の先行策を利した藤井克信が直線で追い込んだ。
  「岡本君があれだけやってくれたし、何としても仕事はしないとと気合が入りました。しっかりブロックして援護できたけど、本来はあれから岡本君をしっかり残さないとダメですよね」
  藤井マークの新井剛央が2着。中を割り、あわや1着かと思われるほどの伸びだった。
  「今日は目一杯行ってくれた岡本君と、藤井さんのおかげ。直線で藤井さんがコースを作ってくれたんであれだけ突っ込めたわけだし。藤井さんが(佐藤瓦を)ブロックした時、しっかり内を閉めていたけど、藤井さんを見てしまい反応が少し遅れてしまった。三番手の仕事としては、あの辺の動きが課題ですね」


<5R>
高橋京治選手
高橋京治選手
   5レースを勝ったのは地元の高橋京治(写真)。小野大介の番手という絶好の展開を生かして快勝。4レースの新井に続き、地元勢の一次予選突破に成功した。
  「地区が違うのに小野が良く駆けてくれたね。6(安東)のスピードが止まったのは分かったけど、9(松田)が来てからは、ヤバい!と思って四角から踏みました。緊張したけど結果も出せたしホッとしてます」
  松田治之は大外を強襲して3着に食い込んだが、「脚がうまく回ってませんね。あの展開ならば1着まであるかなと思ったんだけど…」と自身のデキに不満を残す。


<6R>
篠原忍選手
篠原忍選手
   6レースからは選抜戦。ここでは篠原忍(写真)がスピード抜群のまくりを決めた。即席ラインとなった渡辺一貴と島田竜二を連れてライン三者で確定板独占を決めた。
  「三分戦ですし、ただ順番が来て俺は良い位置にいられたってだけでしょう。本当ならホームから行きたいところだけど、500バンクだし少し様子を待った。それに、牛山(貴広)君もあまりカカっていなかったしね」
  2着の渡辺一貴は「篠原君には、『とにかく前にいろ』とだけ言っておきました。正直どういうレースをするかも分からない中での連係でしたけど、結果的にうまくいきました。頑張ってましたよ」と篠原を称える。
  島田竜二はライン選択が奏功した。
  「完ぺきに恵まれました。展開もすんなりで楽だったし、俺は一貴さんを追いかけるだけでしたから。良い流れを得ました」
  宿口陽一は「地元で消極的なレースをしてしまった。情けないです…」とガックリうなだれる。


<7R>
佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
   7レースは池田勇人が各車の猛追を振り切ると、そのまま押し切って快勝。
  「今日は絶対に誰も出させないつもりでした。結果的に三和(英樹)さんに出られてしまったけど、油断せずに早めに出ました。その分、踏みっぱなしだったんで結構きつかった。だけど、四角に入ってからはこれならいけそうだという手応えがありました」
  佐々木雄一(写真)が2センターからのまくり追い込みで2着に強襲した。
  「池田君が番手に入った時点で、仕掛けても合わせて出られるだけだと思ったんで、様子を見ていました。ここは外も伸びるし、案外落ち着いて仕掛けられました。どうにか届いたし、結果オーライでしたね」


<8R>
 8レースでは、5名が落車するアクシデントが発生。先行した岸澤賢太マークの小沼良が、三ツ石康洋をブロックした際、バランスを崩して落車。それに三ツ石康洋、高橋雅之ら4名が巻き込まれた。レースを制したのは岸澤賢太。後続のもつれを尻目にそのまま押し切った。
  「出切るまでに結構脚を使ったし、バックが向かい風だったんで、道中かなりキツかった。それに中団の三ツ石さんもずっと気になっていたし。もっと自分のスピードがかかっていれば、小沼さんももっと楽に(まくりを)止められたと思う。1着は1着だけど、小沼さんが失格だし、落車もあったんで素直に喜べませんね」
  赤井学は落車を避けて2着に滑り込んだ。
  「三ツ石が仕掛けたんで、2センターから踏もうと思っていたら、ああいう展開になった。慌てて内に行ったけど、絶対に巻き込まれると半分覚悟していました。最終バックで七番手と絶体絶命の中、よく生き帰りましたね」


<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   9レースからは特選競走。ここでは浅井康太(写真)の強さが際立っていた。矢口啓一郎、菊地圭尚らの機動型に全く付け入る隙を与えずにペース駆けに持ち込むと、最後はマークの山口富生と横一線でゴール。写真判定の末、浅井に軍配が上がった。
  「今日は先行しか考えていませんでした。顔見せで、バックが向かい風だったし、そこら辺を考えての競走をしようと。流すところ、踏むところと、全て自分の考えた通りに踏めたし、あとは富生さんとの勝負だと思ってました。今年一発目の競走でこれだけやれたってことは自信になります」
  番手絶好だった山口富生だが、微差で届かず2着に終わった。
  「だいぶ遅めに抜きに行ったけど、逃げ切られましたね。交わしたかなって感じだったけど残念。ちゃんと計算したつもりだったけど、もう少し早く行かんといかんってことやね。でもワンツースリーが決まってよかった」
  3着の馬渕紀明は「中団からまくりが来ると思ったし、俺も行きやすいように本当は車間を空けておきたかった。だけど富生さんに付いていけば、どうにかなると信じてました。浅井のテクニックは凄いね。あれじゃ誰も抜けんでしょ」と浅井の強さに舌を巻く。
  上手く中団四番手を確保した菊地圭尚のまくり追い込みは届かず。
  「上手くペースで駆けられましたね。3コーナーで車間が空かなくて、バックを踏んで車間を空けたぶん止まった感じになってしまった」


<10R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   10レースは逃げた濱田浩司の外併走となった飯野祐太が2センターで失速しかけると、すかさず伏見俊昭(写真)が自力でまくって1着に。
  「2センターに差し掛かったところで飯野が止まってしまったから、行くしかなかったんで早めに踏ませてもらった。もし四角から踏んでもあのスピードだったらどのみち残せなかったでしょう。自分自身、余裕があったから、1着だろうとは思っていました」
  海老根恵太が2着に入線。後方からのまくり追い込みで大外を強襲した。
  「最終ホームで濱田(浩司)が叩いて来なかったんで、腹をくくろうと思っていたら、すかさず飯野が来たんで後方で待ちました。前が併走気味だったし、仕掛けるタイミングを狙っていたけど、小倉さんが激しく持っていったりしていたんで、ポイントが難しかった。最後は伏見さんの外を行ったから、結構キツかった」
  荒木真慈は、俊敏な立ち回りで3着を確保した。
  「渡辺(航平)君をどかして伏見君を追う形になったけど、今日は外を踏んでどれだけ伸びるかが勝負だと思っていました。それだけに内容には納得しています」
  先行した濱田浩司は、荒木とわずかの差で4着となり、優秀戦進出を逃した。
  「自分が海老根さんを叩いたら、すぐに飯野が踏んでくると思ってた。そうなれば合わせるだけでいいわけだし、小倉(竜二)さんが仕事をしてくれるから迷い無く駆けられました。だけど伏見さんの脚が違った分、いかれてしまいましたね」


<11R>
山田幸司選手
山田幸司選手
   11レースは、平原康多が主導権をにぎると、三番手を固めた山田幸司(写真)が直線を突き抜けて1着をさらった。
  「平原に良いスピードをもらえたおかげですよ。自分は内を閉めて、車間を空けておいて後ろにバックを踏ませるように仕向けるだけだった。最後は、もう踏んでいいだろうと、自分のタイミングで踏んだけど、脚のデキは良いね。だんだん上向いていると思いますよ」
  先行策に打って出た平原康多は、軽々と押し切るかに思われたが、ゴール寸前に山田に交わされて2着に。
  「今日はどんな展開になっても初めから逃げるつもりでした。だけど、荒井(崇博)さんが中途半端な動きだったし、先行しやすい流れになりました。1周駆けているし、ちょっと疲れたけど、その中でももうひと踏みが欲しかった。だけど2着だし、別線にまくられたわけじゃないから、滑り出しとしては上出来かな」
  村上博幸は、外にいた荒井に終始動きを封じられてしまったが、直線から鋭い差し脚を伸ばして3着に食い込んだ。 
  「今日は後ろに2人付いてくれたわけだし、バックから外に踏みたかった。だけど、荒井さんがずっといて踏むところが無かった。2センターでも、山田さんがコースを空けてくれれば、突っ込んだけど、さすがに空けませんよね。脚は残ってたし、直線でも伸びたけど内容は消化不良でした」
  諸橋愛(4着)は絶好の展開を生かせず、「やってしまったなぁ…」とバツが悪そう

↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved