『大宮競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:1月14日


 大宮競輪場で開催されている「東日本競輪発祥60周年記念 倉茂記念杯」は大会3日目を迎えた。穏やかな晴天の下、準決勝A、B、Cの4個レースをメインに、熱戦が繰り広げられた。地元のエース・平原康多をはじめ、伏見俊昭、荒井崇博ら輪界を代表するトップレーサーが勝ち上がり、明日はいよいよ決勝戦が争われる。
 最終日もファンサービス、イベントが盛りだくさん。先着1000名様にホットドリンクのサービス(サービスセンター前付近)。埼玉県の特産品等が抽選で当たる優勝者当てクイズも予定されています。ぜひ、本場でお楽しみください。


<8R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   8レースは1着権利の準決勝C。大塚健一郎(写真)が濱田浩司のまくりに乗って鋭く伸び切り、決勝一番乗りを果たした。
 「今日は全て濱田に任せていた。最後まで待ってから踏んだけど、良く伸びたと思います。膝は寒いと痛むんですが、今日は暖かかったから何かいけそうな気がしていた。いい訳は言ってられないし、今は体調の管理方法などを色々と試行錯誤しながらやっています。前回の平塚は悔しい思いをしたし、とりあえず決勝に乗れて良かった」
 馬渕紀明は惜しくも2着で決勝進出を逃した。
 「佐々木君がまくってくれて、いい展開になったんだけどね。最後は前をかばい気味に踏んだけど、やっぱり大塚は脚がある」
 濱田浩司はまくり不発の3着。今シリーズの動きは一息だ。
 「佐世保記念を獲ってから、何かツメの甘いレースが続いている。こんなんじゃダメですね。今日も余裕で勝てる展開なんですが…。気持ちだけ前に行って、車が全然前に進まなかった。体調は問題ないので、あとは気持ちの問題でしょう」


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
   9レースの準決Bは村本大輔との競りを嫌った平原康多(写真)が池田勇人を叩いて先行策に出る。後続のもつれを尻目に、そのまま楽々と逃げ切った。
 「流れもあったけど、今日の内容は、作戦としていくつか描いていたものの一つでした。自分も自力型だし、ああいう流れになってはね。ただ、競られても、本当ならば男らしく行かなきゃいけなかったですよね。決勝に乗れてホッとしているけど、内容あるレースではない。だけど、勝ち上がったからには優勝を狙っていくつもりです」
 神山雄一郎が直線鋭いキメ脚を発揮して2着に突っ込み、結果的にSS班の両者で連独占となった。
 「埼玉勢に作戦は任せていたけど、結果的にいい展開になった。脚は使ってなかったし、今日は良く伸びたと思う。脚の状態は悪くないけど、風邪気味で身体の中身はあまり良くない。でも、踏んだ感じは悪くないので、明日の方が良くなるでしょう」
 地元勢分断を宣言していた村本大輔は最終的に自力でまくり上げたが、3着までが精一杯だった。
 「地元に競って申し訳ないという気持ちもあったし、今日は地元勢がどんな作戦でも池田君の番手しか考えていなかった。でも、途中で池田君を見失ってしまい、もう行くしかないと思いました。最後はもうちょっとだったけど、仕方ないですね」


<10R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手 伊藤正樹選手
伊藤正樹選手
   10レースの準決勝Aは岸澤賢太が先行。小倉竜二が三番手からまくった荒井崇博に乗って直線シャープに追い込んだ。
 「今日も荒井が頑張ってくれた。外を踏もうか迷ったけど、内を締めておかないと山口さんがすごいスピードで突っ込んでくるから。最後は荒井に当たるのも悪いし、すり抜けていった感じ。初日は全然力が入らなくてどうなるかと思ったけど、2日目、今日と感じが良くなってきています。明日も5百だからチャンスはあると思うので頑張りたい」
 荒井崇博(写真)は海老根恵太を飛ばして三番手を確保。3コーナーから力強くまくって2着に入った。
 「海老根さんに中団をサラ脚で取られるとキツいでしょ。だから、多少強引にでも中団を取りにいったし、位置にはこだわった。中団を取ってひと呼吸置こうとしたら、伊藤(正樹)さんがすかさず来たんで休まずに踏みました。自分のタイミングじゃなかったけど、良い踏み出しだったしスピードも乗っていたんで、1着だろうなと思ってた。だけど、交わされちゃいましたね」
 後方から大外を豪快にまくり上げた伊藤正樹(写真)がしぶとく3着に食い込んだ。
 「前が駆ける前に仕掛けようと思っていたけど、三番手でもつれたので、ちょっと様子を見ました。踏み出しは良かったけど、荒井君に合わされてきつかった。後ろも付いてるからいけるところまでと思っていましたが、何とか踏ん張れました。調子は悪くないですね」
 海老根恵太は組み立てに失敗。5着で決勝進出を逃した。
 「三番手で併走になるようなら、前を叩いて出ることも考えていたけど、(荒井に)当たられてちょっと熱くなってしまいました」
 逃げた岸澤賢太は直線失速して8着。素直に完敗を認める。
 「三番手で併走になって展開は良かったんですけどね。いい感じで駆けられたし、あれでまくられたんじゃ仕方ないです。トップクラスとはまだ一枚も二枚も差がありますね。でも、上のクラスで走れていい経験になりました」


<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
   最終11レースは飯野祐太が浅井康太を突っ張って先行。伏見俊昭(写真)が番手絶好の展開を生かし、今シリーズ2勝目を挙げた。
 「今日は展開です。あれだけ飯野が頑張ってくれればね。篠原をけん制したら止まったので、あとはもう来ないと思ったんですが…。ギリギリまで引きつけたけど、矢口君がいい勢いで来たし、あれ以上待ったら行かれてしまいそうだったので踏ませてもらいました」
 飯野に突っ張られた浅井康太だが、態勢を立て直して直線で外を強襲。矢口啓一郎との2着争いを制した。
 「2車だから飯野君に出させてもらえると思ったんですけどね。突っ張られたけど、脚には余裕があったし、そこから落ち着いて走れました。厳しい展開でしたが、最後は良く伸びたと思います」
 矢口啓一郎(写真)は目標の篠原忍がまくり不発となったが、自力に転じて3着を確保した。
 「篠原がすごく良いスピードだった。2センターで止まったけど、俺は勢いを殺さずにいけた。四角辺りで、これなら行ける!と思ったけど、直線での伏見さんのけん制で、外々を踏まされたのがキツかった」
 篠原忍は納得の表情でレースを振り返る。
 「今日は流れで先行かまくり。作戦は考えていなかった。いいスピードだったんですけど、力不足ですね。でも、後ろの矢口さんが決勝に乗れて良かった」
 先行した飯野祐太は直線で末を欠いて8着。
 「突っ張るのに脚を使ってしまいました。最後は一杯だったし、仕方ありません」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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