『大宮競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:1月15日


 大宮競輪場で1月12~15日で開催された「東日本競輪発祥60周年記念 倉茂記念杯」は全日程が終了。今日は地元エースの平原康多を筆頭に神山雄一郎、伏見俊昭、荒井崇博、浅井康太ら9名のファイナリストによって決勝戦が行われた。優勝したのは矢口啓一郎。逃げた浅井康太ラインの三番手を確保すると、最後は直線を鋭く伸びて快勝。見事に記念初優勝を成し遂げた。

決勝戦 レース経過
 スタートで伏見俊昭が飛び出し誘導後位へ。伏見が矢口啓一郎を受ける。荒井崇博-大塚健一郎-小倉竜二が続き、以下浅井康太-伊藤正樹、平原康多-神山雄一郎の並びで周回が進んでいく。
  赤板前から平原が上昇して荒井を押さえ込む。更に浅井が叩いたところで打鐘。平原は浅井の三番手にこだわり、内々に踏み込むと荒井が更に前へ出た。最終ホームで再び矢口が叩き返したところに浅井が飛び出して最終的に主導権を取った。三番手には矢口、五番手に荒井、平原は最悪の八番手となる。浅井のかかりは抜群で、最終バックは各ライン車間が空き気味のまま通過。荒井が三角から踏み上げると、矢口も2センターから車間を詰めた勢いで踏み込む。それでも番手絶好の伊藤のチャンスかと思われたが、追い込む伊藤をゴール前で矢口が捕らえて嬉しい記念初優勝を決めた。2着に伊藤、3着には矢口を追った伏見が入った。


矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手

 矢口啓一郎は、表彰式を終えて控え室に引き上げると、ホッとひと息つき、安どの表情で記者の取材に応じた。
  「伏見(俊昭)さんと相談して、前受けから組み立てようと決めました。ただ、斬られて後ろに置かれることだけは避けたかったけど、結果的に後ろに置かれてしまいましたね。だけど、まだホームだったし自分が動けばレースも動くだろうと思って叩きました。ギアも掛けていたし、いざとなれば先行も頭にあった。身体も自然に前へと反応していましたしね」
  好位を確保しても、焦らずに別線の動向を見極めていた。
  「後ろを見ても誰もいなかったし、あまり早く踏んでも来られてしまうんで、しっかりタイミングを取って前に踏みました。伊藤(正樹)さんも前に踏んでいたし、直線で伏見さんと接触したんで危なかったけど、良く伸びました」
  これが初のGIII制覇。直後に控える競輪祭に向けて弾みを付けたに違いない。
  「やっと獲れたけど、別に焦りはありませんでした。今回は平原に人気が集まっていたし、気楽に戦えたことが良かったんだと思う。これからも自分のペースで頑張ります」

  2着には、浅井の先行を利した伊藤正樹が入線する。
  「ホームで前があれだけ流していたし、もう浅井が駆ける展開になっていたね。俺も自力だし、付いていくことには問題なかったけど、やっぱりスピードが凄かった。俺も車間を空けて援護できたし、最後は思い切り踏んだけど、直線がえらい長かった。この展開で獲れないのは悔しいな」

  矢口マークの伏見俊昭が直線を伸びて3着に。
  「最後に動いたほうが良いと思って、スタートで前を取りました。矢口は落ち着いてましたね。最後は(接触で)転ばなかっただけでも良かった。あれがなかったらはタラレバだし、今日は矢口が強かったです」

  先行した浅井康太は4着に。それでも2車で積極的に駆けての結果だけに表情は明るい。
  「駆けたのは最終1センターからです。ホーム過ぎ、まだ誰も駆ける気配が無かったし、順番的にも先行しなきゃいけない展開になってしまいましたね。最後は残れなかったけど、ここで行かなければダメってところで躊躇なく駆けられたし、良い感じで先行できたので納得しています。このメンバーではさすがに簡単には勝たせてもらえませんね」

  地元の期待を背負った平原康多は、後方八番手に置かれてしまい成す術なし。何もできずに終わった。
  「脚の感じは凄く良かったのに組み立てが最悪でした。考えていた事が何ひとつできなかった。何やってんだかって気持ちです。ダメダメすぎますね…。この分、競輪祭で頑張ります」

  ライン三車で、五番手からでも十分勝機はあった荒井崇博だったが、接触した伏見が外に弾けた影響を受けてしまい、伸び切れなかった。
  「ギア倍数をかけてたし、あの位置でも良かった。でも、最後に接触したのがね」


ゴール





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