『大宮競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:1月18日


 東日本発祥61周年記念「倉茂記念杯」はいよいよ大詰めの3日目を迎えた。今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースで決勝戦9つの椅子を争った。準決勝Cでは人気の小嶋敬二が2着に敗れる波乱もあったが、平原康多、山崎芳仁ら主力メンバーは順当に決勝進出。明日の決勝戦でいよいよシリーズチャンピオンが決まる。
 明日(19日)も引き続き工藤わこさん、三遊亭道楽さんによる予想ガイダンス(9時45分から)やニコニコ予想会(9、10、11レース発売中)を開催。加えて埼玉の歌姫あえかさんによるミニライブ(2、7レース発売中)も行なわれます。明日もぜひ大宮競輪場で白熱のレースをお楽しみください。


<8R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
   1着権利の準決勝Cを突破し、見事に決勝戦一番乗りを果たしたのは芦澤大輔(写真)だった。前を任せた藤田竜矢が先行、小嶋敬二の巻き返しをしのいだレースを振り返ると、感極まって時折言葉を詰まらせた。
 「藤田さんが駆けてくれたし、後ろを手島(志誠)さんが固めてくれた。恵まれました。腰をやって(復調まで)長かったので、夢のような出来事です。今日は誰が来ても止めるつもりで気合が入ってました。決勝進出は嬉しいし、明日も出し切りたいです」
 小嶋敬二にとっては苦しい展開になった。藤田の先行に対して、立て直したのが最終バック。「よくあそこまで届いたっていうくらい、立て直すのが遅すぎた。波もあったからね」。渾身の巻き返しも届かず、ガックリ肩を落とした。
 地元記念で決勝進出はならなかった藤田竜矢だが、出し切ったレースに表情は晴れやかだ。
 「自分のラインから1着が出たので。芦澤くんは全部止めると、昨日から気合が入ってた。それに応える形で先行できたし、信頼に応えられてよかった。結果はしょうがないです」


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
池田勇人選手
池田勇人選手
   人気の関東ラインはズラリと4車。前受けの中村一将がイン粘りを試みたが、バックで中村を競り落とした平原康多(写真)が見事人気に応えた。
 「イン粘りはほぼないと思ってたんですけどね。来られたので勝負するしかなかった。必死でしたね。前で後輩が頑張ってくれてたし、期待に応えられてよかった」
 落ち着いてペースに持ち込んだ池田勇人(写真)が2着に粘り、地元記念初優出を決めた。
 「(中村一が)粘ったのでアレッと思ったけど、マイペースで駆けました。平原さんは練習でも(ヨコが)強いし、外だったら負けないと思ってましたから。決勝は信じられないです。3日間先行で結果を出せてるし、今年のいいスタートが切れた。今日が一番楽でしたね」
 埼京ライン3番手を固めた藤井克信は惜しくも3着で決勝進出を逃した。
 「もうちょいだったけどね。粘りもあるかなと思ってたし、あの展開になって直線勝負だと切り替えた。内から2番(中村一)が意外に生き返ってきたので気になったね」
 中村一将は「引いたところでね。前を取った時点で、よほど早く来ない限り粘ろうと思ってた」と粘った経緯を話した。


<10R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   佐藤朋也の先行に、荒井崇博(写真)は7番手に置かれてしまう。それでも中団からまくり追い込みの矢口啓一郎が不発に終わると、直線でその外を鮮やかに突き抜けた。
 「メチャクチャ出たですわ、自転車が。ビックリしましたね。無理やりだったけど、かなり伸びたから。あとはこの倍数(3.86)で何でもできるようになればね。いいことがあるかな?と思って今年からギアを上げたけど、だいぶ流れがいいし道中も楽。明日も力勝負がしたいですね」
 2着に入った渡邉晴智(写真)は、とにかく佐藤の積極さを褒めちぎった。
 「僕はスタートを頼まれただけで、あとは任せてた。2車だしカマシかと思ってたんだけどね。そしたらあんなに早く行ってくれて。2車で先行ですよ、尊敬しますね。(決勝進出という)最低目標を達成できたのは佐藤くんのおかげ。残せなかったのは僕の器量不足です」
 関東ライン3番手から中を割った小沼良が、山口富生との写真判定を制して決勝に進出。
 「自分が一番ビックリしてます(苦笑)。届かないと思ったけど、嬉しいですね。でも(矢口不発の)その上を行く荒井は強い。今までが散々だったので、明日はしっかり頑張らないとね」
 上手く中団を確保した矢口啓一郎だったがまさかの8着に。
 「大事にいきすぎましたね。詰まりそうだったのを変に車間を空けてスピードを殺してしまった」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
小岩大介選手
小岩大介選手
   細切れ4分戦となったレースは三宅達也が最終先行。これで山崎芳仁(写真)は7番手に置かれてしまったが、バックから先まくりを打った松岡孔明を目標にすると、他をあざ笑うかのようなスピードで前団を飲み込んだ。
 「ホームでカマそうかなと思ったけど、(三宅)達也さんに見られてたし、ダッシュ勝負じゃキツいと思った。仕掛けようかなと思ったところで4番(松岡)が行ったので、それを目標に。今回は1着が2回取れてるし悪くないですね。明日のギア変更は体調次第で決めたいと思う」
 2着好追の神山雄一郎は山崎の強さに舌を巻く。
 「まずは人気に応えられてよかった。でもあんなに楽に行っちゃうんだから、(山崎は)力の違いがあるかなって感じがするね。僕もデキは悪くないと思うから付いて行く分には大丈夫だけど、山崎は直線でもまだ加速してる感じだから抜けないね」
 3着には松岡のまくりに乗った小岩大介(写真)が食い込んだ。
 「松岡さんは行ってしまうと思ったし、あとは山崎さんがどこから来るのかなって感じでした。最後はいいコースが空いて恵まれました。今回はギアの効果でしょうね。踏み方にも慣れてきたし、日に日にギアが軽く感じるようになってきてます」
 惜しくも4着だった高橋大作は「登られると苦しいね。ギアが足りなかった」。
 先まくりを打った松岡孔明も「行けるかと思ったけど、ギアが足らんかったですね」と、肩を落とした。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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