『東日本大震災被災地支援競輪 大宮競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月17日
 本日、「東日本大震災被災地支援 東日本発祥63周年記念 大宮競輪倉茂記念杯」の最終日・決勝戦が開催され、見事、村上義弘選手が栄冠を勝ち取りました。番手を奪った地元の平原選手、また松岡選手の強烈な捲りを退けての優勝劇に場内のファンは大きな盛り上がりを見せていました。2012年も「魂の走り」は健在です!
決勝戦 レース経過
 周回中は岩本俊介─渡邉晴智、村上義弘─山口幸二─富永益生、平原康多─齋藤登志信、松岡貴久─柏野智典の並びで周回を重ねる。打鐘前に上昇した松岡が誘導後位に入ると、それを抑えた平原が先頭に立ち、今度は打鐘で村上が平原を叩いたところで最後方から岩本が上昇し、主導権を握る。最終1コーナーから平原が早めの巻き返しを見せると、それに合わせて3番手の村上が2コーナーから捲り発進。ここで、平原は村上マークの山口を外からキメて番手奪取に成功。この平原の動きに番手の齋藤が付いていけず、後方から捲ってきた松岡が平原追走の形となる。しかし、最後までスピードが衰えなかった村上が後続の猛追を振り切って優勝。2着に松岡、3着には松岡マークの柏野が入線した。


村上義弘選手
村上義弘選手
 力でねじ伏せる捲りで2012年のスタートダッシュに成功した村上義弘
「今日は取れた位置からと思っていたんですけど、スタートで幸二さんがいい位置を取ってくれたのは大きかったですね。捲りにいったのは2コーナーから。平原の動きは見えていなかったんですけど、あれ以上待っていたら誰かとかぶってしまうと思ったし、松岡か平原かは分からないけど、どっちかが捲ってきそうな雰囲気を感じたので、強引といえば強引なしかけだったかもしれないけど、出ていきました。ゴールした瞬間は松岡の方が伸びてるかなと思ったんですけど、その辺は今回から使っている4回転のいいところが出たのかもしれないですね。これからのレースの中で深谷(知広)君、武田(豊樹)さんを相手に勝負権を見出していくためには自分が別の一歩を踏み出さないといけないと思ったからこその4回転ですけど、これでやっていくしかないですし、これからもその可能性を探っていくしかないかなと。今回は4日間いい内容のレースが出来たんじゃないかなと思います。グランプリではペダルを踏んでゴールできなかったので、もう1回という思いで今年も頑張っていきたいと思います」

 最終バックで渡邉の牽制が響いて伸びを欠いた松岡貴久はあと一歩優勝に届かずの2着。
「ゴールした瞬間は変わってないだろうなと思ってましたよ。晴智さんに当たられたのがちょっと痛かったですね。前の動き関係なしに、そのまま捲っていっていれば面白かったかなと思うんですけどね」

 その松岡マークで3着入線の柏野智典は涙を見せた昨日とは一転、充実の表情。
「晴智さんの牽制がなければ貴久もそのまま行ってただろうし、僕ももうちょい伸びて2人でゴール前勝負が出来たかなと思うんですけどね。ただ、レース中はかなり冷静に走れましたし、他の選手の動きもけっこう見えていて、このメンバーを相手にそれなりの勝負を出来たことで、かなりいい手応えは掴めたと思います」

 3連覇の期待が懸かった平原康多は確定板を逃す4着。
「(村上の番手奪取は)狙ってはいなかったですよ。カマシで出切れないと思った時点で1回下がったんですけど、その時に村上さんの車が出ていったので、山コウさんをキメて付いていった感じ。今日のレースに関しては自分のやれることは全部やったつもりだし、力は出し切ったと思います」

 平原との連係が崩れた齋藤登志信の追い込みは5着まで。
「あのまま平原に付いていっても、展開がごちゃついて難しくなってしまった可能性もあるしね。逆に付いていけないとなった時点で、僕は松岡の捲りにしっかりスイッチできていれば面白かったんですけどね。まだまだです。このレースを次に繋げていける様に、また頑張ります」

 6着は平原に村上マークを奪われてしまった山口幸二
「村上がちょうど仕掛けていくところで当たられてしまったから、あれはちょっと付いていけなかったですね。展開的にはいい感じになったんですけど、平原の仕掛けがちょっと早かったね。まあ、その中でも村上が優勝してくれたのはよかったかな。ただ、今日のレースに関してそうだけど、これから1年間初手の位置取りをしっかりやっていかないといけないっていうのはちょっとしんどいね(苦笑)」

 村上ライン3番手を固めていた富永益生は山口と共に後退し7着。
「幸二さんがキメられたのを後ろから見ていたんですけど、それまでもけっこう脚を使っていたし、あれで脚が一杯になってしまって。久々の大きな舞台でもうちょいいい着を取りたかったというのはあるんだけど、これも任せた結果ですから。それでも、こんないい緊張感の中で走れて、自分にとってはいい刺激になりましたよ。この刺激をこれからのレースに繋げていきたいですね」

 逃げた岩本マークの渡邉晴智は8着に敗れ首を傾げる。
「(松岡の捲りは)何で止まらないかなぁ。自分の中ではしっかり牽制したつもりだったんですけどね。あれは俺の力不足。もうちょい俺がしっかりしてれば違う結果になっていたかもしれないですけどね」

 果敢に主導権を奪いにいった岩本俊介だが9着に沈んでしまう。
「昨日までの3日間で内容のあるレースをしてこなくて、今日のメンバーにもちょっとナメられるのが嫌だったんで、先行したかったんですよね。ライン的にはちょっと残念な結果になってしまったんですけど、僕がまだまだということです」

ゴール
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