『大宮競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月7日
 大宮競輪場で開催されている東日本発祥64周年記念「倉茂記念杯」は3日目を終了。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。SS班の5人のうち3人が脱落するなど波乱はあったが、地元のエース平原康多を筆頭に、長塚智広、浅井康太、神山雄一郎らベストナインが出そろった。明日の決勝戦で今年最初の記念覇者が決まる。
 最終日も場内ではシンガーソングライターあえかによるスペシャルライブや埼玉名輪会の往年の名選手によるトークショーなどイベントが盛りだくさん。ぜひ、大宮競輪場でお楽しみください。
<9R>
水谷好宏選手
水谷好宏選手
石毛克幸選手
石毛克幸選手
 準決勝一発目の9レースは3連単の配当が65万円を超える大波乱の決着となった。水谷好宏(写真)が後続のもつれを尻目に堂々の逃げ切り。待望の記念初優出を果たした。
 「後ろを信じて先行した方が堅いと思っていました。前向きな姿勢が結果につながりました。自分の力だけじゃありません。後ろの人たちに仕事をしてもらったおかげです。去年はなかなか記念の決勝に乗れなかったんですが、やっと乗ることができました。500バンクはみんな駆けたがらないから思い切りいけばチャンスはあると思っていました」
 水谷の番手を回った小倉竜二はまくってきた佐藤友和を最終2センターで大きく外にけん制。空いたインコースを成田和也が突くが、降りてきた小倉竜二が接触して落車。木暮安由と佐藤も乗り上げて落車した。2着には最内から伸びた石毛克幸(写真)が入った。
 「根田(空史)君が出切れそうになかったので、申しわけないけど降りました。バックから仕掛けようか迷ったんですが、見てしまいました。みんな強いから後ろから食われるんじゃないかと思って…。最後はうまく内が空いて入っていけました。ツキがありますね」
 中村圭志が好展開を生かして3着に入り、初めて記念の決勝まで勝ち上がった。
 「でき過ぎで怖いです。今日は3番手で内を締めることしか考えていなかった。前がかかっていたし、佐藤君も自分のヨコに来たときはきつそうでした。でも、まさか3着に入れるとは。これで今年の運を使い果たしてしまったんじゃないかな」
 根田空史はイメージ通りに仕掛けられなかった。
 「4回転ギアにまだ慣れていませんね。3.92と同じ感じで踏んだら早く前にいってしまい、1コーナーの登りで小倉さんにブロックされてしまった。2コーナーの下りでいければ面白かったんですけどね」

<10R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
浅井康太選手
浅井康太選手
 渡邉一成の先行に乗った神山雄一郎(写真)がまくってきた深谷知広を好ブロックで仕留める。直線できっちり抜け出し、完全Vに王手をかけた。
 「最高の展開でしたね。渡邉一成君がすごいいいレースをしてくれました。相手は強かったけど自分のできる限りのことはしようと思っていたし、深谷君を何とか止められて良かったです。明日も番手でできる範囲のことはするつもりです」
 浅井康太(写真)は深谷不発の展開から冷静に踏み場を探して2着に強襲した。
 「深谷に千切れそうになりました。じっくり構えると思っていたので、タイミングが取りづらかった。神山さんの番手の走りはすごく勉強になりました。脚はかなりきつかったけど何とかしのげました」
 渡邉一成は深谷を不発に追い込む逃走劇で3着に逃げ粘った。
 「神山さんが後ろで気持ちが入りました。神山さんは信頼できる選手の一人ですからね。安心して駆けることができました。きつかったけど決勝に乗れて良かった。自分にしては長い距離を踏んでいるので、少し疲労感はあるけど、決勝も頑張ります」
 吉原友彦は最終バック最後方の展開から大外を踏み上げたが、6着までが精いっぱい。
 「前団がもつれてチャンスはある展開でしたね。深谷君の外を踏んでしまったのが失敗。あれでだいぶ外に膨らんでしまいました」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
西岡正一選手
西岡正一選手
 最終レースは地元の平原康多(写真)が完勝。最終ホームで追い上げて逃げる中村一将ラインの3番手を確保すると、そこから二の脚を使って豪快にまくり切った。
 「外併走でもいいと思ったけど、キメにいったのは瞬時の判断です。今日は体調があまり良くなかったし、しのげて本当に良かった。決勝は細切れ戦ですね。タイミングを逃さず仕掛けて、その結果、優勝できればいい」
 長塚智広は終始、からまれる厳しい展開だったが、懸命に追って2着をキープした。
 「平原君が強かった。ダッシュがすごすぎです。(調子は)見ての通りです」
 平原に3番手を奪われた西岡正一(写真)は態勢を立て直して3着に食い込んだ。
 「自分が3番手をしっかりキープできていれば結果が違ったかもしれない。降りてくるとは思っていたんですけどね。決勝に乗れたのは良かったけど、自分だけになってしまったし、内容は全くダメ。決勝は水谷君にしっかり付いていきたい」
 後方から大外を伸びた荒井崇博は4着まで。
 「もう少し真っ直ぐ走れれば3着には入れたと思う。でも、ああなるのがまくりだから仕方がない」
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