『大宮競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月8日
 大宮競輪場で開催されている東日本発祥64周年記念「倉茂記念杯」は1月8日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。今年最初の記念覇者に輝いたのは地元の平原康多。激しい直線の攻防を制し、通算8度目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で浅井康太がいち早く飛び出し、渡邉一成、平原康多がこれに続いた。初手は前から浅井ー中村圭志、渡邉ー神山雄一郎、平原ー長塚智広、石毛克幸、水谷好宏ー西岡正一の順番で並ぶ。
 周回が進んで、動きがあったのは赤板を過ぎてから。まずは水谷がゆっくり上昇していくと、合わせて平原も動いて3番手を狙う。水谷が前を押さえ、誘導が退避したところで打鐘が入る。水谷が先頭に立ち、3番手は平原と浅井で重なったが、結局、平原が石毛に促される形で5番手に車を下げた。水谷は後方を警戒しながら、ホームからペースを上げて先行態勢に入る。水谷が軽快に逃げるなか、8番手の渡邉が1センターからスパートし、グングンと番手を上げて行くと、神山は踏み出しで離れてしまう。そして、平原も合わせて前に踏んでまくり合戦に。両者の攻防はスピードが優った渡邉がまくり切ったが、これを目標にする形で平原も懸命に追走。最後は平原が追い付く勢いを利用し、直線で追い込んで優勝を手にした。長塚も必死にハンドルを投げたが届かず微差の2着で、渡邉は3着となる。浅井はブロックした西岡の内を斬り込んだが、抜け出したときは時すでに遅し。4着に終わる。

平原康多選手
平原康多選手
 平原康多が2年ぶり4度目の当地記念制覇を果たした。細切れの決勝戦は渡邉一成が8番手から抜群のスピードで前団を飲み込んだが、これを追って最後は渾身の追い込みを決めた。
 「細切れで作戦は特に考えていなかったです。自分のタイミングで踏んだんですけど、(渡邉)一成がワンテンポ早く仕掛けていたんですね。浅井の上を越えて追っていけたのが大きかったです。一成を抜き返して終わりじゃなかったですね。長塚さんに抜かれたと思いましたが、優勝できて良かったです」
 昨年は度重なるケガに苦しんだが、不屈の闘志で復活を遂げた。地元で文句なしのスタートを切り、ここから反撃が始まる。
 「ケガをして得るものも多かったですから。その経験がなければ、こういう走りはできていなかったと思います。今年はダービーも予選スタートで厳しいですが、負けなければいいという気持ちで身体を作っていきます」

 長塚智広は番手から輪界屈指の切れ味で迫ったが、僅かに届かなかった。
 「平原君が強かったです。余裕はなかった。抜いていると周りから言われたけど、自分では絶対に抜いていないと思った。恵まれました」

 8番手に置かれた渡邉一成は最終2コーナーから抜群のスピードで前団を飲み込んだが、最後は末を欠いた。
 「今日はバックを取りにいくような仕掛けを考えていました。8番手からで距離が長かったですね。今回の神山さんのデキなら付いてきてくれると思ったんですけどね。もうちょっと抵抗したかったけど、いいレースはできたと思います」

 浅井康太は勝負どころで内に詰まってしまった。
 「いい位置を取る組み立てが基本だったので、それはできたけど、(渡邉)一成さんの仕掛けが見えなくて対応できなかった。今日は残念ということで、また次は頑張ります」

 水谷好宏は4日間連続で気風良く風を切った。
 「みんな強いので、まくりに回っても厳しいですからね。どう先行態勢に入るかだけを考えていました。今日は重く感じました。力は出し切れたし、力負けですね」

 単騎の石毛克幸は平原ラインの3番手から組み立てた。
 「切り替え、切り替えで脚を使うよりも、平原君ラインの3番手に決めた方がいいかなと。道中は余裕があったんですけどね。神山さんに割り込まれなければ、いい勝負になっていたと思います」

 完全Vに王手をかけていた神山雄一郎は渡邉の仕掛けに離れてしまった。
 「見てのとおり今日は離れてしまいました。付いていければ2人で決まっていたかもしれないし、(渡邉)一成には悪いことをしました。出し切ったし、しょうがない。また出直します」

ゴール
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