『大宮競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月20日
 大宮競輪場を舞台に開催中の東日本発祥65周年記念倉茂記念杯は3日目が終了。準決勝3個レースが争われ、藤田竜矢、神山拓弥、平原康多がそれぞれ勝利。S級S班からは新田祐大も勝ちあがり、最終日は豪華メンバーで決勝戦が争われます。
 大宮競輪場では最終日もファンサービス・イベントが盛りだくさん。先着650名様にスピードクジを配布、クオカード、場内で使える食事券が当たります。場内ステージでは埼玉OB会イベント、山口幸二氏によるトークショー(5R、8R発売中)などが予定されております。ぜひ大宮競輪場にてレースとともにお楽しみください。
<9R>
藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
菅田壱道選手
菅田壱道選手
 阿部大樹が打鐘で押さえて主導権を奪取。徐々にピッチを上げて行くと石井秀治も最終ホームから早めの始動。阿部ライン3番手の岡田征陽が石井をブロックした動きの影響で高木隆弘、伊藤健詞が落車。藤田竜矢(写真)は車間を切って後方をうかがいながら、石井の仕掛けに合わせて番手から発進。直線をしっかりと追い込んで勝利し地元記念の決勝戦進出を決めた。
 「勝つには勝てましたがラインの前と後ろに迷惑をかけてしまいました。後輩が頑張って仕掛けてくれた結果だと思います。石井さんは征陽が止めたのが分かって、自分たちの後ろに菅田(壱道)君が入ってるのが見えたので、そこ(菅田)が来たら合わせて行くつもりでしたが、見たら石井さんが来てました、流石に強いですね。番手なので余裕はあったんですが、自分だけになってしまってるのが何とも言えませんね」
 藤田に続いた岡田征陽は落車の原因となり失格の判定。岡田に続く形で入線の菅田壱道(写真)が2着に繰り上がった。
 「逃げるのは阿部君だろうし、そこに続く位置は譲れないところでした。そこを取ってからの勝負だと思ってました。内藤(宣彦)さんを連れ込むことは出来なかったけど、自分で考えて動いた結果ですので。オーバーワーク気味で入ったけど日に日に感じは良くなっています」
 石井秀治は最終1コーナーで岡田のブロックを受けるも態勢を立て直してバックから再始動。ゴール線は4着通過ながら、繰り上がりの3着で決勝進出を決めた。
 「早めに動いても行けるスピードだったので仕掛けました。番手の藤田君のところはブロックもあるかと思ったけど、まさか3番手(岡田)がけん制するとは想定外でした。立て直してから行ったけど、冷静さを欠いてましたね。4コーナーでもスライスしてるし、良い仕掛けではなかった。でも決勝に勝ちあがれたので、最終日も頑張るだけですよ」
 単騎で臨んだ内村泰三は石井の想定外の強さに舌を巻く。
 「落車を避けて、石井君の後ろに付けようと思えば付けられたけど、並の選手なら仕掛けを止められて終わってる展開。あんなにまた仕掛けていけるとは思わなかった。付いていれば決勝もあったかもしれませんね。判断ミスと言うよりも自分の想像を超えた強さでした」

<10R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 後方から押さえた小埜正義が最終ホームから先行すると、中団が新田祐大と天田裕輝で併走に。外の天田が1コーナーから仕掛けて行くが、神山拓弥(写真)が天田を追えず、天田の後位が空いたところから新田が外へと持ち出し仕掛ける。新田はバックで前に出切るも、その動きへと切り替えた神山が直線を追い込んで新田を交わした。
 「中団で併走になったから、新田さんの後ろをキメて位置を確保しようと思ったんですが、そのまま天田さんが踏んで行ってしまって。追走できずに結果的に迷惑をかけてしまった。勝てたけど、慣れない番手で判断が難しかったです。今(レース直後)でも何が正解だったか分からないし、これから先輩方に聞いてアドバイスをもらいたいと思います。新田さんを追いかけて、更に抜けているので調子自体は悪くないと思いますよ」
 最終2コーナーからまくる形となった新田祐大(写真)が2着。
 「小埜さんがホームで仕掛けた時に、内に差し込んでしまって仕掛けられなかった。5番(天田)と被ったので最後はこじ開けてでもと覚悟を決めたけど空いていたので何とか前に出て、後はそれからだと気持ちを切り替えました。後ろは千切ってる感じだったので、思い切って踏んだけどまた(神山に)差されてしまいましたね。走り方は下手でしたが、フィーリング自体はなんとなく良くなっていると思います」
 神山の仕掛けを追走した浦川尊明が3着に続いた。
 「(天田との)連係が切れてるのは分かったけど、拓弥なら絶対に前を追いかけるだろうし、思ったとおりに新田君を追いかけてくれました。自分はそれに集中するだけでした。前回(取手で)武田さんを3日間ともマークしたし、まるでバイクだと感じた武田さんに比べると気持ち的には楽でした」
 逃げる小埜をマークした小林則之は新田を追いかけるように番手から出て行くが伸びを欠いて6着の結果。
 「小埜君があんなに仕掛けてくれたのに。他のラインも自分が想定していた以上に早い仕掛けで対応が追いつかなかった。完全に自分の力不足です。頑張ってくれた小埜君に申し訳ない」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 打鐘過ぎに相川永伍が前を押さえると正攻法の松谷秀幸は相川ラインの3番手で粘り、最終1センターで台和紀をドカして3番手の位置を取り切る。最終2コーナーから濱田浩司が猛スピードで襲い掛かるが、相川後位の平原康多(写真)は濱田の仕掛けに合わせて番手から発進。そのまま押し切って地元記念の決勝へと勝ち進んだ。
 「ラインの力ですね。一応、自分のところでも粘られると思って構えてました。前(相川)も残したかったけど、あれだけフカしてましたし、濱田さんもいいスピードで迫って来てた。ギリギリまで引き付けたけど、最後は出て行かせてもらいました。決勝も良い形で終われるように、ファンの方に納得してもらえるような競走にしたいです」
 松谷秀幸(写真)は、平原の後位を台から奪い取り平原に続いて2着入線。
 「引いてまくれる相手じゃないので、メンバーを見た時からやることは決まっていた。平原君のところだと、平原君もヨコは強いし併走が長引くと思って3番手でした。自分もラインを背負っているので勝負させてもらいました。台さんがキメに来たのもきつかったですし、追いかけるので必死でした」
 福田知也は松谷の運行を褒め称える。
 「3番手の和泉田(喜一)さんには勝負権がなくなってて本当に申し訳なかったですが、今日のメンバーならあれしかないと思いますよ。台さんのところで勝負して、あとはそこからどれだけ行けるか。松谷君が上手くやってくれた。前は抜けなかったけど、松谷君も前を追いかけて加速してるところだし、差は詰められてるので悪くないでしょう」
 濱田浩司は最終2コーナーから仕掛け、前団に迫るも平原に合わされ、その後は伸びを欠いた。
 「展開はこうなると思ったとおりでしたが、台さんが浮くのを見てしまって仕掛けがワンテンポ遅れてしまった。もう少し早く仕掛けていれば、自分や番手の岩津(裕介)にもチャンスがあったと思います」
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