『大宮競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月15日
 大宮競輪場を舞台に東日本発祥67周年記念「倉茂記念杯(G3)」が明日1月16日に開幕する。今シリーズは昨年のグランプリを制した浅井康太に神山雄一郎、園田匠、深谷知広ら強豪が集結。地元勢は、昨年の覇者・平原康多を中心に迎え撃つ。好メンバーがそろい激しい戦いが繰り広げられそうだ。
 本場では開催中毎日、先着500名様にホットドリンクをサービスします。有名解説者の予想会など様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、初日の16日はエンターテインメント集団「XK徒(ザクト)」の慶さんによるイリュージョンショー(10時頃、3・7R発売中)なども予定されています。ぜひ、大宮競輪場へ足をお運びください。
<1R>
 オープニングレースの1番車には地元の藤田竜矢が抜てきされた。昨年後半から好調を維持していたが、12月伊東記念で落車。回復具合が気になるところだ。
 「おっ、1レースですか、頑張らないと。落車したあとは練習はできていたんで、それが出せれば。怪我の影響がないって言えば嘘になりますけど、あまり気にならないところまではきています。なのであとは明日一走してみてからになりますね」
 このレースで点数最上位の武井大介は田中勝仁を目標に予選突破を狙う。
 「明日は田中君に任せていきます。(前々走)平塚の落車についてはもう大丈夫ですね。前回の岸和田は体調が悪くて。帰って検査したらインフルエンザでした。なので1週間休んで、そのあとは1週間がっちり練習してきました。予選だけど、地元の藤田君もいるし、しっかりと勝ち上がれるように。大宮は500(バンク)だけど、地元とはバンクの特徴も違いますからね」

<2R>
 成清貴之は久留米229着で今年をスタート。昨年は落車続きで不本意な1年だったが、今年は巻き返しに必死だ。
 「去年はストレスばっかり溜まる1年だった。その分も今年は発散したいですね。もう少ししたら勝負になりそう。今回も徐々に出せればいいですね」
 阿部力也も11月函館記念の落車から精彩を欠いていたが、前回の岸和田では久々にシリーズ2連対を決めた。
 「函館の落車でフレームも壊れて、ずっとイマイチだった。新車も届かないし、しっくり来ないフレームでやってたけど、前回から前に乗ってたやつに換えたらちょっとはマシになりました。まあまあかなって感じですね」
 牧剛央は年始の大垣で無傷の優出を決めるなど相変わらずよさそうだ。
 「ずっと好調は維持してたけど、展開に左右されてた。去年の夏ごろはバック番手か3番手かみたいなのが続いたし、前回も流れがよかった。きっちり差せてるし調子はいいと思います。なるべく上まで上がれるように頑張ります」

<3R>
 唯一のライン3車となった関東勢がこのレースをリードしそうだ。その先導役を務める鈴木庸之は好調を実感している。
 「状態は悪くはなさそうです。佐世保(記念)のあとにメニューを変えて。そのあと広島(記念)にいく4日前からタイムも出だしました。メニュー変えたらタイムがすぐ出ているし、上がってきていると思います。最近は僕だけがタイムも出てるし、夏と同じ位のところまできています。なので今回は楽しみですね」
 その鈴木の番手となる齊藤努は前場所の1月大垣を途中欠場。状態の見極めが必要となりそうだ。
 「大垣の初日に腰痛が出てしまいました。一発目だから走りたかったんですけど、脚に痺れまで出て。なので休ませてもらいました。無理しちゃダメですね。そのあとは体と相談しながら、ケアしてだいぶ体も動いてきて走れる状態ですね。大宮は記念の決勝にも乗ってますし、良いイメージはあります」

<4R>
土屋壮登選手
土屋壮登選手
 土屋壮登(写真)は10月宇都宮から2カ月間、直前も1カ月と地元記念を前に欠場続き。レース勘も含め、状態が気がかりだ。
 「宇都宮(999着)の一場所前から腰が悪かった。治して様子見で走っていこうと思って(12月平塚で)復帰しても、あまりよくなかったので。しょうがないですね。練習としては空いてる時間しっかりやったし、もう腰は大丈夫。今年のいいスタートが切れるようにですね」
 小島雅章は久留米で753着と今年のスタートダッシュに失敗しただけに、地元のここから仕切り直しだ。
 「状態は悪くないけど、初戦はズッコケましたね(苦笑)。練習は変わらずやってるし、とりあえずここに向けてしっかりやってきました。展開がある程度向けば3着までには入れる調子だと思います」

<5R>
 ここは栃茨両者に小宮剛が続く関東ラインが本線となりそうだ。ラインの先兵となる長島大介は11月向日町、取手と連続優参。その後は決勝にこそ進めていないが状態は悪くない。
 「調子は変わらず良いですね。ラインも3車だし、行けるところからしっかりと仕掛けたいですね。芦澤(辰弘)さんとは2回目なんですけど、前回は迷惑をかけてしまったので、今回はしっかりと決められるように。点数的にも本線になると思うんで、しっかりとワンツー、ワンツースリーまでいけるように。大宮も地元と同じ500バンクだし、悪いイメージもないです」
 芦澤辰弘は前回の1月小倉では予選で失格に終わったものの、12月広島記念では21着で準決勝進出。そのときの状態を維持して今シリーズに臨む。
 「状態はばっちりですね。小倉で失格したあとは2日休んで、そのあとは通常通りに。2週間くらい空いて追い込むところは追い込めたし、調整としては満足です。自分は追い込みなので、長島君の好きなように走ってもらって。しっかり付いていって、最後は抜けるように。しっかりとチャンスをモノにできるようにします」

<6R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 石丸寛之(写真)は和歌山記念から中2日での追加参戦。「やってきたのは散髪だけ」とジョークを飛ばすが、連勝で勝ち上がった前回の状態はキープしてそうだ。
 「疲れだけしっかり取って、あとは昨日軽く追い込んで来ました。状態は悪くない。あとはここ1カ月走りっぱなしなんで、そこ(疲れ)ですね。大宮記念は昔追加で走って悪かった。(5月静岡)ダービーの賞金もかかってるし、今回同じパターンはしたくない。気がかりはそれだけです」
 結果にこそ結びついていないが、高久保雄介には攻める姿勢が戻っている。
 「前回の立川記念も攻める気持ちが出てた。自分でもそう思います。今は着より、どういう走りをするか。そうしてれば自然と結果は出てくると思う。ホームバンク(びわこ競輪場)も500なんで走り慣れてるし、しっかり主導権を握りたい」

<7R>
神田龍選手
神田龍選手
 今期から昇級の神田龍(写真)が初の記念を迎える。S級初戦となった1月平では437着で優参と、早速力のあるところをみせており、今シリーズでも注目の1人となりそうだ。
 「初めての記念なんでやっぱり緊張しますね。前回の平では意外といけるかなという手応えはつかめましたね。なので今回はまずは予選突破をできるように。でもやっぱり記念はすごいメンバーですね。この中で勝っていかないといけないんですね(笑)。今期の目標としては名前を売っていきたいと思っているので、記念でも自分らしい競走をしていきたいです」
 挑戦を受ける立場となった佐藤博紀は笑顔で検車場入り。10月向日町記念で一次予選を突破して以降11月松戸、松山を連勝で優参するなど好調を維持。ここも神田の挑戦を一蹴するか。
 「記念では予選突破が目標なので、まずは初日を勝ち上がれるように。上がれば上がるほど相手も強くなるし、あとはあんまり考えないように。500(バンク)はあんまり走ってないんでそこまで。大宮もS級に上がってからは初めてですね。悪い感じもしないし、とりあえず自分の力を出し切れるように」

<8R>
 6Rの石丸寛之とは逆で和歌山記念が追加だった三宅伸も中2日とタイトなスケジュール。しかし、こちらは疲れの心配など無用のようだ。
 「僕らは本数(走って)勝負だからね。最近は流れもいいし、疲れもない。あとからドッと来るかもしれないけどね。冬場は練習するのも億くうになるから、レースを走ってるほうがいい。中2日も軽めに乗ってきました」
 心配なのは年頭の久留米で968着と叩いてしまった才迫開のデキだ。
 「前回は追加だったとはいえ、さすがにヤバイと思ったので、焦って練習してきました。けっこうゆっくり距離を乗ったり、時間をかけて練習はしてきました。もう少し時間がかかりそうだけど、何とか頑張ります」
 今期からS級の菅谷隆司はこれが初めての記念参戦となる。
 「去年は落車もあったし、もう少しいい状態でS級に上がりたかったですけどね。練習ではだんだんよくなってるし、前と変わらずタイムは出てる。でもレースになると…。そこの修正ですね。一走してみてS級はハイペースからもう1回ダッシュできないと戦えない感じ。その辺は慣れなんでしょうね」

<9R>
鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 予選のメーンを任されたのは新鋭の鈴木竜士(写真)だ。初の記念参戦となった12月伊東では優参はならずもビッグインパクトを残し、その後の同月小倉、1月松戸でも快走。今シリーズでも伊東記念以上の衝撃を与えられるか。
 「(中3日も)状態は空きすぎるよりはいいんで、大丈夫だと思います。大宮はチャレンジ以来ですけど、そのときはピンピン2着でした。でも相手も違うし参考にはならないです。記念は1回経験しているのでそこまで緊張しないでいけそうです。伊東でも3日目、4日目は自分の走りができました。(深谷との)リベンジマッチですか? そこまで自分が勝ち上がらないとダメなんで。準決勝まではいかないとダメですね。自分はやることをやるだけです」
 鈴木と連係するのは志村太賀だ。予選では堅実な成績も、求めている感覚とはまだまだ差があるようだ。指定練習を終えたあとも入念にセッティングを調整していた。
 「フレームを換えながらやってるし、自分でも状態がつかめていないんです。逆にどういう状態か聞きたいくらいですね。初日は緊張する位置ですし、離れないようにしないと。やってみないとわからないですけど、ワンツーのイメージもまだ沸いてきていないです。ただ迷惑だけはかけないようにしないと」

<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 5年連続のS級S班は逃した深谷知広(写真)だが、昨年は伊東記念優勝という形で乱高下した1年を締めくくった。巻き返しを期す今年は初戦からどんな走りを見せてくれるのか。
 「今年はしっかりG1で活躍できるようにですね。(立川記念、和歌山記念でトークショーをして)ここが3場所目なんで走り初めって感じがしない。空いてたので、練習はしっかりできた。地元や競輪学校と色んなとこでやりました。初日からしっかり勝ち上がれるように頑張りたい」
 今年から初のS級S班となる園田匠は立川記念で決勝進出と年頭はまずまずの滑り出しを見せた。
 「決勝が不甲斐ないレースだったので、そこだけですね。でも一発目だし、最低決勝に乗れてよかった。グランプリから地元に帰れてなかったし、帰ってようやく練習する時間が取れた。今回はしっかり練習して来れました」
 山田英明は2場所前の前橋から色も新たに新車を投入。前回、大垣では決勝2着と感触もよさそうだ。
 「色を水色に変えたぐらいで、サイズとかはほとんど変わらない。進みも悪くないです。走ってみないと分からないけど、自分の状態も悪くないと思います。そろそろ結果を出さないと、このまま終わってしまう。今年はどっかで芽を出さないと」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 昨年のグランプリでチャンピオンに輝いた浅井康太(写真)がここ大宮記念から今年の初戦を迎える。検車場にも笑顔で入り、リラックスムードで自転車を組み立てる。そのあとの記者の質問にも和やかな表情で応えた。
 「2日から練習したんですけど、ほとんど休みなくきているんでちょっとオーバーワーク気味ですかね。でも感じはグランプリのときと変わらずこれています。あんまり環境も変わっていないし、僕は挑戦者的な立場が好きなのでそういった気持ちで。今年の目標は一走一走貫くことです。自分のスタイルを貫けば、それが優勝に繋がっていくと思うので。8割くらいで頑張れば、勝手に10まで出てくれると思います。(1番車のジンクスも)武田(豊樹)さんも村上(義弘)さんもグランプリに乗ってますし、そういう選手になっていきたいです。1年間そういった気持ちで頑張ります」
 村上博幸は昨年前半は落車も多く怪我に苦しんだものの、競輪祭で優参と後半は復調。今年初戦となった1月松戸でも優勝と好発進を決めた。S班へ返り咲くため表情からも意気込みが感じられる。
 「体調は変わらずです。松戸の次の日にも刺激を入れて、中日も自転車に乗って練習やってきました。疲れというより練習した張りがありますね。その張りを取りながらいきたいですね。昨年は怪我で思うような1年にならなかったので、ここで弾みをつけたいですね」
 櫻井正孝が中近コンビに待ったをかけられるか。前回の立川記念では内容には不満げも後半2日間を連対締め。その流れを生かしたい。
 「後手を踏まないように、前々で勝負ができるようにしないといけないですね。いつも通り頑張るだけですね。ただ500(バンク)は苦手でイメージも良くないんです。ただ先輩(安部貴之)も付いてくれるんで、勉強する意味でもどうにかしたいですね。総力戦でやります」

<12R>
平原康多選手
平原康多選手
 地元のエース、平原康多(写真)が初日のトリを飾る。今年は立川記念で決勝3着とまずまずのスタート。今回は新車も投入して大会連覇を狙う。
 「立川記念で思ったより疲労があったんでしょうね。疲れてるなかでウエイトをしてたら、ちょっと首を痛めてしまった。でも、練習メニューは計画どおりやれたので。負けるときは負けるし、地元っていうのは気にしてない。一戦一戦しっかり自分のレースをしてって感じですね。初日は今日来たばかりの新車を使ってみます。グランプリには間に合わなかったけど、今年用に作ったので」
 神山雄一郎は「(立川記念から)1週間しかなかったから、休んで乗って普通にですね。頑張るだけです」と終始リラックスムード。今年初となる平原の番手でしっかりとワンツーを決めるか。
 今年初戦の宇都宮から10日あまり空いた小川勇介は先を見すえた練習に取り組んできた。
 「前回は準決勝で負けたけど、1着を取れてるし感じはいいです。練習は変わらず。でも、けっこう空いたんで久留米の全日本選抜に向けて強めにやってきた。その分の疲れはちょっとありますね」
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