『大宮競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月17日
 大宮競輪場を舞台に東日本発祥67周年記念「倉茂記念杯(G3)」はシリーズ2日目を終了。優秀の「昇竜賞」をメーンに二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争った。優秀戦では浅井康太が勝利し、準決勝へ弾みをつけた。明日はいよいよ準決勝。ベストナインを巡って熾烈な戦いが繰り広げられる。
 本場では開催中毎日、先着500名様にホットドリンクをサービスします。有名解説者の予想会など様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、3日目の18日は小林優香選手トークショー(5・8R発売中)なども予定されています。ぜひ、大宮競輪場へ足をお運びください。
<6R>
武井大介選手
武井大介選手
 最終ホームから風を切った桐山敬太郎に対して、2コーナーで4番手外併走から山田英明が仕掛けようとするが、成清貴之に弾かれて終了。鈴木庸之も車が出ず南関トリオのペース。直線に入り番手から抜け出した武井大介(写真)が先頭でゴール。武井は桐山を称えつつ、反省の弁も口をついた。
 「あれだけ桐山君がいってくれてるんで悪いけど。山田君がバックから来るかと思ったけど来なくて、来たらもっていって戻ってワンツーかなと思ってたんだけど。南関の先行は少ないし準優以降の為にも、桐山君も必死にいってるから残さないといけなかったですね」
 最終2コーナーで南関勢後位にスイッチし、直線強襲した香川雄介が2着。
 「直線は外踏んだ瞬間ヤバいと思って瞬時に。とりあえず勝ち上がれてよかったです。今日は自分の自転車でもないし(初日落車)。でも弘法筆を選ばずかな(笑)。自転車は届いてるんで、明日は自分の自転車でいきます」
 成清貴之は香川には交わされたが3着で準決勝へ駒を進めた。
 「山田君へのは波でああなっちゃっただけです。今日は(桐山)敬太郎のおかげです。(武井)大介もしっかり伸びてくれたし。本当は敬太郎を残さないとダメなんだけどね。自分も(香川)雄介に抜かれちゃダメでしたね」
 先行した桐山敬太郎は直線垂れて5着に沈んだ。
 「500(バンク)はペースが難しいですね。昨日は何の課題も見つけられなかったけど、今日は課題も見つかりました。ここから全日本(選抜)まで空くんで、課題を修正して。全日本に繋がる競走ができました。納得のいく負けだけど、やっぱり悔しいですね」

<7R>
志村太賀選手
志村太賀選手
 正攻法から一旦下げた阿部力也が、ホームでカマして主導権を握る。地元の池田勇人は中団に収まり、西谷岳文は7番手で最終バックは一本棒。池田のまくり追い込みは進みがイマイチで、西谷も全く動けず。最後は阿部の番手で車間を切っていた内藤宣彦が有利に抜け出した。
 「(阿部は)本当はもう少し遅めに仕掛ける予定だったんですけどね。空気が重かったし番手を回っていてもキツかった。そんな中、前で風を受けている阿部君が頑張ってくれました。自分の状態も(引き続き)良いです」
 目標の池田が不発とみるや、志村太賀(写真)は内に進路を取って2着に突っ込んだ。
 「(池田が)行けるかなと思ったんですけど。ちょっと苦しそうだったので、待って待って最後は内に行きました。2着ならやった方(笑)。準決勝も前に離れないように頑張ります」
 志村に猛然と迫った伊藤一貴が3着で準決勝のキップをつかんだ。
 「今日はとにかく『太賀に付いて行く』事だけを考えていました。伸びているし調子はいいですね。記念の準決勝は久しぶり。嬉しいです」

<8R>
小島雅章選手
小島雅章選手
 単騎の選手が4名。三谷竜生と藤田竜矢の2分戦となったこのレース。三谷が打鐘で押さえると、前受けの藤田はイン粘り。亀井久幸のイン斬りや楠木孝志郎のまくりはあったが、藤田が三谷後位を奪うと続いた小島雅章(写真)が抜け出した。
 「2分戦みたいなレースだったし、藤田が頑張りますって言ってくれてたので。打鐘過ぎたら突っ張る。出られたら粘るって感じでした。藤田が頑張ってくれたんで、僕もちょっと熱くなっちゃった。2コーナー苦しかったけど、今日は藤田が頑張ってくれたんで」
 藤田竜矢の気迫の攻めが埼玉ワンツーという最高の結果をもたらした。
 「地元で2分戦。引いて8番手じゃつまんないんでね。前を取ったら粘り含みと決めてたんで楽でした。危なかったけどとにかく前々に踏んでいこうと。小島さん仕上がってますね」
 近畿勢が分断され、3番手を回った岩本和也は4コーナー最後方に置かれる。それでも直線で空いたコースを鋭く突くと3着に食い込んだ。
 「いつもはコースを迷うけど、今日はあそこしかなかったから。まぐれ過ぎですね。あの動き(イン粘り)は予定外だったけど、昨日悔しかったんで今開催中にリベンジしたいと思ってた。何とかなりましたね」

<9R>
安部貴之選手
安部貴之選手
 打鐘過ぎに仕掛けた佐藤博紀に対し、先頭に立っていた北野良栄も合わせて踏み込み番手狙いに出た。番手を奪取した北野はバックからまくるが、佐藤博の掛かりも良くつばぜり合いに。すると態勢を立て直した佐藤友、その後位から安部貴之(写真)が2センターから踏み上げる。大外を伸びた安部が前団をまとめて差し切った。1着の安部は「櫻井(正孝)の高級車が合っているのかも(笑)」と冗談交じりに話し始めた。
 「自転車(初日落車)は明日も櫻井のでいきます。体格もそんなに変わらないですし。体の痛みはないことはないですけど、大丈夫です。北野君が後ろになった時点で、ああいう展開は予想していました。(佐藤)博紀もバッて切って駆けていくタイプじゃないし、(佐藤)友和さんと俺が何とかしなきゃいけなかったですね。それでもこのメンバーで1着取れてるんで」
 2着の須賀和彦は満面の笑みでレースを振り返る。
 「嬉しいですね。安部さん、佐藤友和さんの間に僕が入っているのは不思議ですね。記念の準決は今の制度になってからは初めてです。踏み出しであれだったけど、外から追い上げていって。2センターからはグッと踏んで。前があんまり掛かってないからいけました」
 佐藤友和が何とか3着で準決勝の切符をつかんだ。
 「俺も(佐藤)博紀も反省点のあるレースですね。博紀もちょっと遅かったし、もったいないです。もうちょっとスムーズにいきたかったですね。俺も北野君を締めたところでちょっと。でもリカバリーもできてるんで、そこはよかったです」
 菅谷隆司はシンガリ負けにも前を向いた。
 「佐藤(博紀)君も2コーナーくらいから踏み直していて強かったです。でも作戦通りいけたし、行くところで行って出し切っての負けなので。また明日から切り替えて頑張ります」

<10R>
芦澤辰弘選手
芦澤辰弘選手
 後ろ攻めの長島大介が打鐘で先頭に立つと、石丸寛之は中団、中団の組み立て。7番手に置かれた根田空史はホーム、2コーナーでも動けず後方のまま。車間を詰めた勢いで石丸が迫るが、長島の番手で絶好だった芦澤辰弘(写真)が追撃を振り切った。
 「今日は(根田に)行かれても行かれなくても全開で突っ張れ。最悪イン粘りという作戦でした。案外すんなりだったけど、石丸さんも脚を使わず4番手だったし勢いがよかったですね。長島のおかげですね。僕じゃ(自力で)750mとか行けないから。いつも恵まれてばかりだから、いつか援護して恩返ししたい」
 中団からまくり気味に追い込んだ石丸寛之が2着に食い込んだ。
 「9番(長島)が強かったですね。根田だけ怖くて、ホームで来るかなと思ったけど来なかったから。勝ち上がれていい追加になりました。でもあそこの位置を取ったらラインで決めたかった。そこは申し訳ないです」
 巻き返し不発に終わった根田の後ろから萩原孝之が直線鋭く伸びて堤洋との3着争いを制した。
 「根田は2コーナーでは行くかなと思ったけど行かなかったので。あのまま(外を)付いて行ったらないと思って、中を狙ったらたまたま。あんな狭いとこ行ったのは初めてです」

<11R>
鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 前受けから7番手まで引いた鈴木竜士(写真)が最終ホームで一気にカマす。鈴木は抜群のスピードを発揮しバックで前団をとらえると、そのまま後続の追撃を振り切り、一次予選に続いて堂々の逃げ切り勝ちを決めた。
 「ラインで決められればよかったんですけどね。でもしっかり全員が勝負権あるところまでラインを連れて行くのが自分の仕事だと思ってたし、それはできたかなと。仕掛けどころは前も若干踏んでたけど、緩んだところでいこうと。最後に関してはバタバタしたし、結構いっぱいいっぱいでした。その辺はまた修正して。まだバンクも長く感じますね。伊東記念で色々学んで、それを今回は生かせていますね。明日は自分がどれだけ通用するか試したいです。また神山さんに任せてもらえたし頑張ります」
 番手を生かせず3着の神山雄一郎は自身の話より「鈴木君が強かった、すごい強かった。(作戦通り前取って)行けるところから行ってくれました」と鈴木の頑張りを称えることに終始した。
 直線で外を伸びた牧剛央が神山を交わし2着となった。
 「小林大介君は抜けんし、神山さんも抜けんだろうと思って先行する鈴木君は抜こうと思ったけど、思ったより内の人が進んでなくて。結構よい感じでいけましたね。冬場は周りがタイム出ないけど、僕はタイムが落ちないんです。状態は疲れていて、昨日の方がよかったんですけど、今回の走りでちょっと自信になりましたね」

<12R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 優秀の「昇竜賞」はハイレベルなレースとなった。先行態勢に入った深谷知広にまず櫻井正孝が争いを挑んだが、浅井のけん制で不発。そこを1センターから平原康多が巻き返すが浅井のけん制、深谷の踏み直しに合わされてしまう。3番手の林巨人まで続いて中部勢でワンツースリー。「100点満点。満足してます」と的確な仕事を見せた浅井康太(写真)が直線抜け出した。
 「奇跡ですね。(平原に)行かれたらダメだし、しっかり止めないとと思ってた。止められたのは自信になりますね。調子はボチボチです」
 差されはしたが深谷知広も連日、力強い逃げで好調をアピールしている。
 「ラインで決まってよかったです。2日間先行してるけど体はいい感じ。明日も自分のできることをしっかりやるだけです」
 3番手の林巨人もしっかり食い下がって3着。中部ワンツースリーの結果を素直に喜んだ。
 「ワンツースリーなんですか? (平原に)行かれてると思ってました。僕もしっかり内を締めて仕事ができた。完全に深谷は戻ってますね」
 平原康多は4着に敗れたが、バックからの力勝負は見応え十分だった。
 「深谷も強かったし、浅井も強い。今日に関しては完敗ですね」
 園田匠はホームで柏野智典に入られたのが痛かった。
 「(櫻井の仕掛けで)かぶって平原が来ると思ったので車間を切ろうとしたら柏野さんに入られた。裏目に出ましたね。最後も行きたくなかったけど内に。伸びは悪くなかったです」
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