『大宮競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月19日

 大宮競輪場で開催されている東日本発祥70周年記念「倉茂記念杯(GIII)」は、1月19日に3日目を迎えた。ファイナルをかけて争われた準決では、平原康多が連勝で地元ファンの声援に応えた。しかしながら、もうひとりのS級S班の村上義弘は、決勝進出を逃した。20日の最終日には、いよいよ70周年記念の決勝の号砲が鳴らされる。また、6レースでは、「S級ブロックセブン」が一発勝負で行われる。
 本場では20日の最終日も、入場が無料で、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。「ロッチ」によるお笑いライブ、仮面ライダージオウショー、埼玉県内の公営競技の選手によるコラボトークショー(オートレーサーの若井友和選手など)、クオカードなどが当たるスピードくじを先着で1200人に配布、先着500人にお菓子のプレゼント、ご当地グルメのもてなしとして先着500人にさといもコロッケのサービス、先着200人にサイボクハム鉄板焼サービス、埼玉支部選手会チャリティー屋台、グルメ屋台、有名解説者による予想会、ガールズケイリン選手によるおもてなしブース(高橋梨香選手が参加)、ご当地キャラグリーティング、競輪VR体験コーナーどもが予定されています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<10R>

野口裕史選手
野口裕史選手

矢野昌彦選手
矢野昌彦選手
 前受けから8番手まで下げた野口裕史(写真)は、思惑通りタイミングを計って打鐘の4コーナーからスパート。先行態勢の矢野昌彦をとらえると、そのまま番手の渡邉晴智をはじめ村上義弘、山崎芳仁らネームバリューのあるメンバーを寄せ付けず逃げ切った。
 「渡邉さんとは、(打鐘の)4コーナーからホームで行けるところでっていう感じだった。自分は視野が狭いし、前輪しか見てないから(1着だって)わからなかった。ホームが軽いからか、千葉でモガくより、路面が軽く感じる。二次予選Aの6着で(準決に)上がれてラッキーだったし、力を出そうと思っていた」
 南関コンビに出られて3番手に飛び付いた矢野昌彦(写真)が、空いた車間を詰めるように村上義弘の反撃を阻んで2着に追い込んだ。
 「3番手に入れたし、後半で(前との距離が)詰まって来て、まくり追い込んだ。駆けてた感じも悪くない。うまくいきすぎているけど、力を出し切れているし、気楽に走れているのがいいんじゃないですか」
 関東勢の後ろにいた単騎の田中誠は、最終2コーナーで1車追い上げて矢野後位に収まる。バックからは村上と体を併せての攻防を制した。
 「(初手で)南関の後ろってのも考えたけど、カマシの3番手で出切れなかったていうのがあって後ろからになった。南関にスイッチしようと思ったけど、いけなくて村上さんが来たので、思い切ってもっていかないと決まらんと思った」

<11R>

志智俊夫選手
志智俊夫選手

海老根恵太選手
海老根恵太選手
 打鐘の2センターでじわりと先頭に立った山田久徳を単騎の土屋壮登が切って、最終的に吉田敏洋が最終ホームで主導権を握る。吉田に志智俊夫、橋本強まで出切る。7番手からまくった郡司浩平に合わせて中団から山田も出るが、逃げる吉田の掛かりがいい。番手絶好の志智俊夫(写真)が追い込んで1着も、吉田のゴール前での落車があるだけに手放しでは喜べない。
 「ラインの3人で決められる形を取れたかなっていうのが反省点ですね。(海老根恵太が突っ込んで来て)誰か来ている音がしたんですけど、見えなかった…」
 中部勢に付けた橋本強が、直線で外に持ち出して2着に入った。
 「僕は3番手で最大限、(山田)久徳のタイミングを崩したり、できることをやった。あれ以上はできることがない。そこからは外を踏む余裕もありました。(吉田の)掛かりが良かったんで、ラインの3人で決まると思ったんですけどね。吉田さんが落車してしまったっていうのも…」
 郡司のまくりが合わされると、海老根恵太(写真)は最終4コーナーからコースを探して3着に伸びた。
 「(郡司のまくりは)止まるとは思わなかった。それで車間も切らずにピタリと付いてた。だから、もう内しかなかった。あのコースは行きたくなかったけど、そこしかなかった。(落車した)吉田君と土屋君には悪かったですね」

<12R>

平原康多選手
平原康多選手

神山拓弥選手
神山拓弥選手
 初手で5番手の位置から動いた古性優作が、打鐘2センターで一度切って前に出る。先行態勢も古性がペースを上げないでいると、4番手の平原康多(写真)が最終1センターから踏み上げる。しかし、これを2コーナーで古性が自ら横に振ってブロック。一瞬態勢を崩した平原だが、すぐに立て直して先頭でゴールした。
 「(古性が)すごかった。さばきは日本一ですね。来るとわかってるから避けながら行ってるんですけど、その範囲を超えて来た。あそこ(のブロック)で加速が鈍りました。でも、スピードが死に切らなかったから、回して行けました。(番手で神山拓弥と古性が)やり合ってる間に、誰かにまくられないようにペースで回していました。踏み直したというか、ペースだったんで。怪我明けにしては自力でしっかり走れている」
 古性は平原に行かれると、番手の神山拓弥(写真)に絡む。だが、神山拓はしっかりと番手を死守して2着に続いた。
 「(古性が)来るとわかってたんで、ツケマイして返す準備をしていました。(その後は内を)締めていました。締めておかないと、確実に古性が復活してきちゃうんで。本気で抜きに行ったけどまったく出なかった。正直、平原さんが先行したら別線をブロックしなきゃと思ってたけど、2センターからの踏み直しがすごすぎた。平原さんが強すぎる」
 単騎の黒田淳は初手から関東勢を追走する。最終バックで前に踏んで3番手に位置を上げると、そのまま流れ込んで決勝にコマを進めた。
 「単騎で後ろになるぐらいだったら、前を取ろうと思った。でも、神山(拓)が前にこだわったんで関東の後ろになった。関東の後ろならカマシの4番手の可能性もあると思っていました。結局近畿が前で(関東は)その後ろになったんで、流れを見ながら仕掛けようと。去年は記念の決勝に乗れなかったんで、(今年の)一発目で乗れてホッとしています」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

根田空史選手
根田空史選手
 根田空史(写真)は、前回の立川記念を1612着。痛めていた手首も回復し、昨年終盤から調子を取り戻している。
 「(手首の)痛みは前よりもだいぶよくなって、力を出し切れるようになった。痛みがあると脳が制御しちゃうらしいんですよね。大宮との相性はあまり良くないかな。でも、(7車立てなら)後方になっても、いつもの中団くらいだし、500(バンク)なんで落ち着いて仕掛けたい。無理に行ってもタレちゃうし。風がありそうだけど、重い方が得意なんで。この後に防府のFIがあって、その次に全日本(選抜)もあるし、1着を取っていい流れに乗っていきたい」
 窓場千加頼は、直近の3場所でバック7本と、積極的な仕掛けで好走している。
 「最近は緩んだところで自然と体が反応して叩きに行けています。ダービー(出場権)の賞金で勝負駆けになるので狙いにいきたい。でも、あまり深いことは考えずに、しっかり反応できたところから仕掛けたいです」
 林巨人が窓場の番手から白星を狙う。
 「(窓場)千加頼にしっかりと付いていきます。500(バンク)だけど、7車だと難しいですね。展開も9車よりも動きづらいですから。(窓場と連係は)何度もあります。(12月)宇都宮の最終日にも連係して、先行してくれたけど抜けなかった」