『西武園競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:4月16日

 西武園競輪場で開催されている開設71周年記念「ゴールド・ウイング賞(GIII)」は、4月16日に2日目が行われた。平原康多、森田優弥の地元の初日特選組の2人は、ともに二次予選で勝ち星を挙げて準決に進んだ。いよいよシリーズも3日目、17日には準決の3個レースで激戦が繰り広げられる。
 西武園競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場では4日間、入場無料。投票券の裏面に「ラッキー」が出たらプレゼントがもらえるラッキー投票券などが予定されています。西武園競輪場、またテレビ、インターネット中継などで観戦をお楽しみください。

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和田真久留選手
和田真久留選手
 平尾一晃が主導権を握るが、ペースが上がらない。一本棒の7番手に置かれた和田真久留(写真)は、打鐘の3コーナー過ぎからカマす。山本健也は付け切れず、和田、岡村潤で出切って、3番手以下を離す。平尾目標から強襲した園田匠は届かず、和田が押し切った。
 「あの流れだと7番手になっちゃうし、ラインも3人なんで(最終)ホームくらいで出切れればと(仕掛けは)早めの気持ちでした。叩き切って余裕はあったけど、西武園の特徴もあってコーナーでうまく(自転車を)寝かせられなかった。それで岡村さんが付きづらかったかもしれません。フレームを今回から(新車に)換えて、ギアのパーツも換えた。(5月のダービーに)向けての気持ちが大きい」
 平尾の余力を確かめて最終4コーナーから踏んだ園田匠は3着。
 「(和田が)早くきたら出させて、あとは平尾が追いつくかなと。それでギリギリまで待った。自分は9車の競輪が向いているし、(前回から)空いている時に自転車をいじってかなり良くなった。方向性もわかって、上積みしかない」


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池田憲昭選手
池田憲昭選手
 前受けの渡邉一成が、赤板過ぎに簗田一輝を突っ張り主導権をキープする。今度は2コーナーから仕掛けた取鳥雄吾も出させずに渡邉が逃げる。外に浮いた取鳥は、大槻寛徳のブロックで落車。目標を失った池田憲昭(写真)は、3番手に降りて脚をためる。最終4コーナーで外に持ち出した池田が、北日本の2人をとらえた。
 「セオリーなら簗田(一輝)が切って、そこを叩いて(渡邉を)後方に置く流れなんですけど。(渡邉が)突っ張った。佐藤(真一)さんのところが空いていたので、降りて(取鳥を)迎え入れようと思ったら落車してしまった。自分は今日(2日目)の朝セッティングを微調整して、いい方向に出てくれました。脚も軽いし状態はいいですね」
 別線をすべて突っ張った渡邉一成が2着に逃げ残った。
 「突っ張れたら突っ張ろうと思っていた。すかさず取鳥も来たのでキツかったですね。後ろでガシャンと音が聞こえて、取鳥がハマってると思って、いつ来ても合わせられるように踏み続けてました。そこは冷静に後ろを確認すれば良かったです」


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森田優弥選手
森田優弥選手
 川口公太朗の欠場で8車立て。中四国ラインの主導権で一本棒の6番手になった森田優弥(写真)は、打鐘の4コーナーで仕掛けた前の山田涼を追いかける。出切った山田の上をまくった地元の森田が1着。
 「2人(松岡孝高、山田)がどんな感じなのかなって見てたら、判断が遅れた。自分で行くタイミングを迷って中途半端になった。(山田は)動かないと思ってたんで、それで反応が遅れた。脚の感じもあんまり良くない」
 川口の欠場で単騎になった山田涼だが、思い切った仕掛けが功を奏した。
 「(川口の当日欠場で)突然の単騎だったけど、先輩にアドバイスをもらってでした。(後ろに)森田の姿が見えて、森田の力だったら行っちゃうと思った。そうなると最後尾になるんで、それならと(仕掛けて)行っちゃいました。(初日は)自分の走りで残れたんで、まずまずと思ってた。そしたらこんなにいいのかと」


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野口裕史選手
野口裕史選手
 藤井昭吾もペースを上げるが、野口裕史(写真)が赤板2コーナーから襲い掛かる。藤井との踏み合いを制した野口に和田健太郎が続くが、渡邉豪大は稲垣裕之にさばかれ、最終ホームで藤井が3番手に飛び付く。後続を警戒しながら和田が直線で迫るが、野口が押し切った。
 「(藤井は)ワンテンポ仕掛けが遅いかなっと思ったんですけど、結構踏んでいたので焦りました。それで脚にきていたんですけど、SSパンツがどうにかしてくれるだろうと。後ろの気配がなかったのでだいぶ空けてくれているのかなと。和田さんのことを信用しているので、出し切れました」
 和田健太郎は4分の3車輪差の2着。
 「いつもよりは野口の仕掛けは遅かったですけど、落ち着いて相手が緩めたところを行ってくれました。掛かりは良かったですね。自分も徐々に感覚は戻りつつある」


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町田太我選手
町田太我選手
 7番手で車間を空けていた町田太我(写真)は、打鐘の2センターから反撃に出る。再三にわたる村上義弘のけん制を乗り越えた町田が、中近ラインをのみ込んだ。
 「石塚さんは村上(義)さんが付いているんで目いっぱい行くだろうと。(自分は)落ち着いていきました。そこ(村上義のけん制)を考えて外を回るようにした、それでも、(村上義が)来たんですごいですね。出切ってからは、自分のペースに入れられた」
 橋本強が町田との連結を外す。風を切った石塚後位の村上義弘は、町田を追うように自力に転じた。
 「「1、2回目で町田君が止まったかと思ったけど、3、4回目と脚を使う感じだった。(町田が)見えているんですけど、対応が難しかった。自分は一時期のようなお手上げ状態ではないと思う」


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高橋晋也選手
高橋晋也選手
 佐伯亮輔が先行態勢を取り、打鐘の3コーナーからペースを上げて駆ける。6番手の高橋晋也(写真)は、最終ホーム手前から発進。抜群の加速力で前団をとらえて2着以下をちぎった。
 「(佐伯亮が)普通に押さえてきたら突っ張ろうと思ったけど、勢いよくきたので出させてからと。(中四国ラインは)2段駆けっぽかったので行くところは、あそこしかなかったですね。踏んだ感覚は良かったです」
 先行した佐伯亮の番手の佐伯辰哉は、高橋は止められずもS班の守澤太志を阻んで2着に入った。
 「高橋さんを止められれば100点でしたけど、守澤さんとバッティングしたのでそこで勝負しました。記念の準決は4着止まりなので、決勝を目指して頑張ります」


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平原康多選手
平原康多選手
 中部勢を受けて3番手で山本紳貴と併走になった黒沢征治は、水谷良和をすくって外に弾くとそのまま主導権を奪取。黒沢の動きに抜かりなく対応した平原康多(写真)が、黒沢を差し切った。
 「もう任せていたんで、(黒沢が)どうするかでした。自分は踏み遅れないようにするだけと。昨日(初日)乗っていた自転車だったら付いていけてなかったかもしれない。換えて正解でした」
 トリッキーな立ち回りにはなったものの、人気の地元3車での上位独占に黒沢征治が笑みを浮かべる。
 「(包まれてゴチャついてからは)あんまり覚えてないけど、(ラインの)3人で決められて良かった。それが一番ですね、ホッとしました。勝ち上がりで平原さんの前で走れるのはうれしいことですし、勉強になる。明日(準決)は違うけど、決勝ではまた(平原の)前を回りたい」