スタートで佐藤慎太郎と石丸寛之が踏み込むも、石丸が誘導後位に入り正攻法の構え。宗景祐樹が石丸後位で、志智俊夫―佐藤、新田康仁―赤井学、手島慶介―内田慶、最後方に園田匠で周回が進んでいく。 残り3周を切ると、園田が単騎で上昇し、石丸の前に入った。赤板を過ぎの二角から新田が上昇を開始。園田を叩いて主導権を奪う。志智と石丸で中団争いになると、石丸が内を突いて中団取りに出たが、内田とからみ合う形になった。新田が本格的に先行態勢に入るも、二角から単独で三番手キープの手島が一気にまくって出る。手島はあっさり新田を飲み込んで四角ではハナに立つ。石丸との競り合いを制した内田が懸命に手島を追う。しかし、手島のスピードは最後まで衰えず、そのまま先頭でゴールを駆け抜け1月大宮記念に続き今年記念V2を達成。内田が2着かに、立て直して外を強襲した志智が突っ込んだ。
競輪祭決勝での落車以来歯車に狂いが生じ、最近は本来のキレが見られなかった手島慶介が、決勝の舞台で真骨頂を発揮した。 「今回は決勝に乗れればいいかな位の気持ちだったので素直に嬉しい。最近は身体と気持ちが一致しないで本来のデキではなかったが、この優勝で悪い流れも断ち切れそうで宮杯にも弾みがつきそうだね」と、1月大宮記念以来となるVに満面の笑顔がこぼれる。 レースは先行した新田康仁―赤井学の後位を占めて3角から鮮やかにまくり切った。 「後ろの慶(内田)には何も作戦は言わず、黙って任せなさいとだけ。誰が先行するかも解からないメンバーだっだし、正直展開も読めなかった。とにかく前々に居て、流れの中でレースを組み立てるのが自分の持ち味だから」 競輪祭の失格で来月は正規の配分が止まる。 「平の全プロは走るが、少しリフレッシュしたいしたいね。その後はしっかりと乗り込んで宮杯に臨みたい」 直線大外を迫り記念初Vかと思われた志智俊夫は無念の表情を浮かべる。 「手島君が行った上からでは…。でも先にまくって出れば佐藤(慎太郎)君の優勝で、どちらにしても2着だったかもね」 また、手島慶介を追走して3着の内田慶も絶好の展開をものに出来ずうな垂れれていた。 「脚が無いですね。あの展開で前を交わせないのでは…。まだまだ手島さんにはかなわないと言うことです。また練習を積んで次に頑張ります」 果敢にホームから先行勝負に出た新田康仁は「今日は先行しか考えていませんでした。出てから掛かり切る前に手島君に来られて…」と言葉少なに帰り支度を急いだ。 デキの良さでは今回一番と思われた石丸寛幸だったが…。 「もう少し早く前に踏んでいれば良かったかな。新田さんの先行は読めていたが、1センターで誘っている感じがして迷ってしまった」