『西武園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:4月25日


 西武園競輪開設59周年記念「ゴールド・ウイング賞」が今日から開幕した。朝から雨が降り続くあいにくの空模様となった初日は、バンクが水路と化す悪コンディション。全レースを通してパワー系の選手の活躍が目立った。
 なお、明日(26日)も入場門において豪華商品の当たるスクラッチカードが先着2000名に配られるほか、設定タイムをクリアすると「ギャンブルレーサーオリジナルグッズ」などがもらえるサイクルタイムトライアルや特設ステージでは内林久徳さんによる予想会(5R発売中)、埼玉支部の選手によるトークショー&ゲーム大会(開門時、2、3、6R発売中)など楽しいイベントが盛りだくさん。この機会に、お誘い合わせのうえ、西武園競輪場へご来場下さい。


<1R>
 最終バックからカマした大森慶一が好回転で風を切るも2センターで脚色が鈍ると六番手から外に車を出した住村実が直線強襲で突き抜けた。
 「内が空いていなかったので外に出すしかなかったが、巧い具合に伸びてくれましたね。脚は溜まっていましたからね。それにしても勝ちあがれて良かった。負けてしまうと4日間は長いですからね」


<2R>
三宅裕武選手
三宅裕武選手
   細切れ戦で激戦となったが、最終ホーム七番手だった三宅裕武(写真)が圧巻のパワーまくりを披露。桁違いのスピードで三角手前で前団を飲み込むとそのまま押し切った。
 「本当はバック手前から仕掛けたかったけど、ここは直線が短いから気持ち早めに1センター辺りから踏みました。三角までには出切りたかったのでね。ギアを上げた事もあり、軽く感じたし雨も特に気にならなかった。記念での勝ち上がりは久し振りなのでうれしいですね」


<3R>
高津晃治選手
高津晃治選手
   宮司周郎の先行に対し、三上佳孝がカマすと両者ともに譲らず壮絶なモガキ合いに。すると宮司の四番手で脚を溜めていた高津晃治(写真)がバックからまくりゴール前で外を鋭く伸びた。
 「宮司さんも頑張ってくれていたし、本当は申し訳ないんですが、あそこから行かないと僕も着が無くなってしまいますからね。踏み出しは悪かったけど、脚を溜めてた分、直線伸びました。今回はSS班の二人(三宅伸・石丸寛之)と宿舎の部屋が一緒で緊張感があるのが良かったのかな(笑)。明日からも少しでも上のレースを走れるように頑張りますよ」


<4R>
 ゴール前は横一線に広がる大混戦となったが、先行した松岡孔明の番手から抜け出した谷口浩介が僅差で1着を勝ち取った。
 「松岡君が巧く駆けてくれたおかげです。僕は内を締めながら付いていっただけですよ。雨は降っていたけど、気温が上がってきたので身体が動いてくれました。初日に勝てるなんて、上出来ですね」
 谷口の1着に貢献した松岡孔明だったが、自身は1/8車輪差の4着で勝ち上がりを逃し、悔しさを滲ませる。
 「ホームで一旦流したら、その後なかなか掛からなくて。普段なら押し切れる展開なのに…。悔しいな。体調は悪くないけど最近はイマイチですね。成績にもムラがあるし。明日からは負け戦回り、長い4日間になりそうです…」


<5R>
 打鐘で栗林巧が一旦前を押さえるが、その上を最終ホーム手前から中山健が一気にカマして先行。そのまま押し切ってこの日初となる「逃げ」の決まり手をマークした。
 「作戦が見事にハマりましたね。スタートで池澤さんが良い位置を取ってくれたおかげです。バックでまくりがくる気配がして慌てて踏み直したので最後は残れると思わなかったけど、何とか踏みとどまれましたね。今日走った感じだと状態はまずまず。記念競輪は今まで準決C進出が最高の成績なので、今回はその上を狙っていきたいですね」


<6R>
大沼孝行選手
大沼孝行選手
   坂本亮馬が早めのスパートで後続を引き離して圧勝した。レースは大沼孝行が先行。坂本の後ろは競り合いとなったが、慌てずに落ち着いて仕掛けると後続をブッ千切ってゴールした。
 「桑原(大志)さんは先行のハコに行くと思ってたので、前受けから引けば自分に展開が向くと思ったけど、自分のところに来ましたね。でも、後ろを気にしても仕方ないから自分のタイミングで仕掛けました。雨が降っていたし寒かったのでバンクが重たかったですね。この前来たときに落車してるし、とりあえず無事に勝ち上がれて良かったですよ」
 競り合った原司と桑原は踏み出しで離れてしまった。逃げた大沼孝行(写真)が坂本を追う形で2着に入った。
 「初日から珍しく軽かったですね。坂本君に行かれてしまったけど、1車だったのが分かったから落ち着いていけました。離れてしまったんで何とか追い付かないといけないと思って必死で踏んだけど、ホームで流し過ぎたので追い付かなかったですね。もう少し踏んでいれば良い勝負ができたのに」


<7R>
田中孝彦選手
田中孝彦選手
   田中孝彦が若手らしく思い切った先行策で別線を完封。栗原厚司がゴール寸前で追い込み、ラインで上位を独占した。
 「今日は誰かにからまれると思ってたけどすんなりでしたね。直前の練習の感じだと千切れそうだったけど、走ってみたらしっかり付いていけたのでよかった。でも、最後田中君の踏み直しが強烈だったからやっと抜いた感じ。ラインでワン・ツー・スリーが決まってよかった」
 田中孝彦(写真)は自分のレースで力を出し切った。
 「今日は後ろ攻めから駆けることしか考えていなかった。最終ホームで吉田(勇人)さんがカマし気味できたんで、踏んでおかないと出られてしまうからペースを上げました。あとは自分のペースに入れたけど重たかったですね。ラインで上位が決まってよかったですよ」


<8R>
原真司選手
原真司選手
   巧く中団を確保した原真司(写真)が、バックから好回転でまくり発進。そのままスピードを落とすことなくゴール線を駆け抜けた。
 「脚を使わずに中団を取れたので余裕がありました。仕掛けてからもゴールまでずっと伸びていった感覚ですね。状態も問題ないです。平記念の時も調子は良かったけれど、今回はもっと良い感じ。なんか最近は記念競輪でしか1着取れていない事が気になりますね(笑)」
 人気を背負った天田裕輝は後方に置かれた挙句、勝負どころの最終ホームでバックを踏み万事休す。
 「行くつもりだったけどタイミングが狂ってしまって躊躇してしまいました。まだまだ力不足ですね…」とうなだれる。


<9R>
松岡健介選手
松岡健介選手
   ライン3車となった武田豊樹が打鐘から押えるとハイペースの逃走劇を敢行。巧く四番手に入った松岡健介(写真)がバックから仕掛けてダービー王の先行をまくりきった。
 「今日は打鐘のところでの位置取りに限ります。荻原君が武田さんを叩くと思っていたけど、来なかったので僕が踏み上げました。海老根さんが少し車間を開けていたので巧くそのスペースに入り込めましたね。西武園は1着も多いし相性が良いバンク。明日も良い着が取れるように頑張りたいです」
 果敢な先行策も5着に沈み、優秀戦を逃した武田豊樹だったが、レース後はサバサバした表情で競走を振り返った。
 「最近は人の後ろの競走が多かったから、今日はあえて『大胆な競走』を心掛けた。楽ばっかりしていたら、脚が落ちてしまいますからね。今日はバンクも重かったし、誘導も上がったのできつかった。でも、自分の状態は問題ないし、あと三日間で少しずつ修正できれば良いですね」
 松岡に先まくりを打たれ後手を踏んだ海老根恵太は、懸命に前を追うも2着まで。
 「打鐘のところが失敗でしたね。武田さんがまさかあそこまで踏むとは思っていなかったから口が空いてしまい、松岡君に入られてしまった。2着に入れたし状態は悪くないけど晴智さんには迷惑を掛けた。申し訳ないし情け無いです」


<10R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
   前日から状態の良さを公言していた山賀雅仁(写真)が有言実行。道中、溜めに溜めた脚を最終バック手前から一気に爆発させると小嶋敬二、濱田浩司といった強豪を豪快にまくり切り大金星を挙げた。
 「大ギアが活きる展開になりましたね。車間が空いていない状況で仕掛けたし、その直後に小嶋さんを避ける形になったので、思うように車が進まず厳しかったけど、何とかまくりきれました。今回は状態も抜群に良いし、この開催が本当に楽しみだった。今日は身体と心がうまく噛み合った結果ですね。今までテレビで見ていた格上選手を相手に勝てたのだから自信になるし、自信にしていかなくてはいけませんよね」
 2着には山賀のまくりを追った竹内智彦がそのまま入線。ただただ、その強さに舌を巻いた。
 「あれは強いよ。4コーナーから、さらに加速してたからね。踏み出しだって、普通なら躊躇してしまうようなところから仕掛けていたからね。相当、自信があるんだろうね。いやぁ、あれは強い」
 小嶋敬二が不発に終わり万事休すかと思われた山口幸二だったが、最後は内を鋭く伸びて3着に食い込んだ。
 「社長(小嶋敬二)がホームでカマした瞬間にスリップしてたけど、僕自身はそれを冷静に対処できたしレースは見えている。最後はきつかったけど思い切り踏んだら、思いのほか良く伸びてくれました」


<11R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   平原康多が後ろ攻めから押さえて主導権を奪った。田中誠がバックからまくり出て隊列が短くなったところを石丸寛之(写真)がひとまくり。最後は三宅伸を振り切って1着でゴールを駆け抜けた。
 「前を取って、後ろからやり合ってくれて最後に自分がまくる展開になりましたね。2センターで車輪が滑って浮いて危なかったけど、それ以外は冷静に(ペダルを)回せた。踏むべきところでしっかり仕掛けられているんで調子は良いと思う」
 三宅伸は「思いっ切り抜きにいったけどね。強かったしあれは絶対に交わせんでしょう」と石丸の強さに脱帽する。
 平原康多は、「今日は着を気にせず思い切って駆けようと思っていた。ジャンで佐藤(悦夫)さんがきたんで、たまには突っ張るところも見せておかないと。ホームでは田中君(誠)がきているのが見えたからずっと踏みっ放しだった」と末を欠いた理由を話した。
 突っ張られた佐藤悦夫は「追い上げではなく、叩こうとしたけど突っ張られました。太田さんの所が少し空いていたので入ろうと思ったけどダメでしたね。競るんだったらイン粘りでしたね」と完敗を認める。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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