『西武園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:4月26日


 西武園競輪開設59周年記念「ゴールド・ウイング賞」。二日目の今日は、前日の大雨とは打って変わり抜けるような青空で絶好の競輪日和となりました。バンクの中ではファンの声援を受けた選手達が、準決勝への勝ち上がりをかけて熱く凌ぎを削りました。
 明日、三日目も入場門において豪華商品の当たるスクラッチカードが先着2000名に配られるほか、特設ステージでは三遊亭道楽さんの予想会(5R発売中)を開催。また、サイクルシアターでは準決勝を1着で勝ち上がった選手よるインタビュー&抽選会(9、10、11R発売中、11R終了後)が行なわれるなど楽しいイベントがめじろ押しですので、是非、本場へとお越し下さい。



<5R>
澤田光浩選手
澤田光浩選手
   前受けした鈴木孝征が押し出される形で主導権を奪った。松山勝久のまくりを田淵浩一が好ブロックで止め地元両者で大勢は決したかと思われたが、澤田光浩(写真)が大外を急襲して1着をさらった。
 「自分の位置が狙われると思っていたし、それは仕方ないからあとは落ち着いていこうと思っていた。でも、塩川(真一郎)君が切り替えてくれたのですんなり回れましたね。松山があまり進まなかったし、コーナーで振られたからスピードが止まってしまったけど、最後は何とか伸びましたね。準決Aは久しぶりだから嬉しいね」
 鈴木孝征が2着に逃げ粘る。
 「誰も来なかったし、ジャンの3コーナーくらいで腹をくくりましたよ。後ろがどうなっていたのかは分からなかったし、松山君は四番手にいると思ってたから、いつまくって来るのか心配だった。大敗はないだろうけど、逃げて3着以内に入れるとは思っていなかった。先行したのは久しぶりだったから今日は重たかったね」
 3着は田中秀治。狭いコースを突いて最後にしぶとく伸びてきた。
 「ダメだと思ったけど最後は届いたみたいですね。もっとビビらずに中を割っていけば突き抜けていたと思うけど躊躇してしまった。周回中は脚が重たかったけど、残り半周は脚が回ったので調子は悪くないと思いますよ」


<6R>
疋田敏選手
疋田敏選手
   正攻法に構えた三宅裕武が最終ホームから突っ張り先行を敢行、果敢に風を斬ると、直線で番手の疋田敏(写真)が鋭く抜け出した。
 「全部、三宅君のおかげですね。最後に三宅君を残してあげられなかったのが追い込み屋としての僕の未熟なところです。本当は大矢さんと三宅君が2着同着くらいに残せると理想なんですけどね。渡邊君が切り替えて来ていたのもわかったし、前との車間をあけて上手く対応できた。今日はレースが冷静に見れていた。大矢さんも別地区なのに気持ち良く三番手を固めてくれたし、本当にありがたいですね」
 まくりに構えた中山健は作戦に迷いが出て仕掛けが大幅に遅れた。最後は桁違いのスピードで2着にまで食い込むも、レース後は反省の弁が口をつく。
 「本当はスタートで前を取りたかったんですけどね…。押えるかカマシか迷ってしまって前を見すぎてしまいました。渡邊さんが切替えた時も、前がもう少しゴチャ付くと思ったのに一本棒になってしまったし、落合さんに迷惑を掛けてしまった。最後は何とか2着までいけたし、状態は悪くないと思うので明日こそ力を出し切るレースをしたいですね」


<7R>
天田裕輝選手
天田裕輝選手
   先行一車の天田裕輝(写真)がマイペースに持ち込み、堂々と逃げ切った。
 「今日は前を取って押さえにくるのが遅ければ突っ張るし、早めなら引いてカマす作戦でした。昨日失敗してしまったんで、今日はしっかりと走って勝ち上がりたかった。今日は楽な展開だったから調子がどうなのか今ひとつ判断できないですね。強い人と戦った方がやりがいがあるので、準決勝Aにいけてよかったですよ」
 天田の番手は吉田勇人と飯尾主税で競り合いに。踏み出しで吉田が遅れ、競りは飯尾に軍配が上がった。
 「スジを通して自分が外競りをしなければいけないけど、前を取った時点で天田君は突っ張るだろうし、誘導のペースが上がってキツいから内にしました。来期はA級に落ちるし、今期は頑張って早めにS級点を確保したい。そのためにも今回は頑張りたいですね」と気合が漲る。


<8R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   小嶋敬二が圧倒的支持を集めるも、勝ったのは四番手確保から先まくりを打った坂本亮馬(写真)。上がり11.0で別線を置き去りにし、見事に紫原政文とのワンツーを決めた。
 「いやー、今日は掛かりましたねー。これなら小嶋さんに交わされることも無いと思っていました。今日はすんなり中団を取れたことが勝因です。最近は競走に気持ちが入ってきている。やっぱり『競輪は気持ち』ですね。今は仕掛け所で仕掛けられているし、ようやく競走で力を出せるようになって来ましたよ」
 最終ホームで七番手におかれた小嶋敬二はまくり不発で5着に沈み、悔しさを滲ませる。
 「坂本君とかぶるのが嫌だったので七番手まで車を下げました。坂本君が仕掛けたら、それに乗っていこうと思っていたが、なかなか仕掛けてくれませんでした。人の力を当てにした消極的な姿勢が何よりの失敗ですよね。それにしても坂本君の上がり11.0でしょう?それには追いつけませんよ」
 主導権を取った荻原尚人にとっても坂本のスピードは想定外。いともたやすくまくられた事にショックを隠しきれない様子だ。
 「すんなり中団を取ったって事もあるのだろうけど、坂本君が強すぎた。僕も掛かっているつもりだったのに。あんなにあっさりまくられるとは…。僕の状態も決して悪く無いんだけどな…」


<9R>
田中誠選手
田中誠選手
   田中孝彦が昨日に続いて果敢に主導権を握ったが、二次予選はラインでワン・ツーはならなかった。武田豊樹が七番手からスパートすると前団を一蹴。最後は番手にスイッチした田中誠(写真)が抜け出して1着を手にした。
 「武田さんは今日は中団にこだわることはないだろうから、自分が中団を取れると思っていた。あとはそこからどう出るかのレースでしたね。新井さんは落車しているしセッティングが出てないみたいだからこういう展開も予想してました。巧く番手に切り替えられましたね。晴智さんが後ろを見ていたし、ブロックがくるだろうから、車輪を外に差し込んで先に踏みました」
 田中誠が早めに踏み込んだため、その後ろに切り替えた渡邊晴智が流れ込んで2着。まくった武田豊樹は3着まで沈んでしまった。
 「七番手になったのは油断していた訳ではないけどね。今日は田中(孝彦)が思い切って行く展開になるだろうし、向こうのタイミングで行かせてから自分が巻き返すレースになると。ある程度、無理矢理仕掛けなければいけないレースになる思ってたんで、1着が取れなかったのは仕方がない。でも、晴智にまで先着されたのは本調子ではないってことなのかも。明日までにしっかりと調整します」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
   初日4着で地元ファンの期待を裏切った平原康多(写真)が、今日は汚名返上。前攻めから突っ張るそぶりを見せつつ上手く中団を確保すると、バックから豪快に発進し関東勢での確定板独占を演出した。
 「打鐘のところは、あそこで引いたら七番手なので、突っ張りました。おかげで良い位置が取れましたね。あそこで少し脚を使ったけど、そのあとまくれたし状態に問題は無い。やっぱり1着は気持ち良いですよね」
 2着は平原の番手に付けきった太田真一がそのまま流れこんだ。
 「今日は作戦通りの展開になりました。交わせなかったのは仕方無いです。平原がまくりでは抜けませんよ。僕にとっては交わす交わさないより、離れる離れないの方が大問題。離れなかったので御の字です。抜くのは決勝の時だけで良いですよ(笑)」
 あと攻めから押えに行った濱田浩司にとっては平原に突っ張られた事が想定外だったようだ。
 「まさか平原君が突っ張るとは思っていなかったからね。びっくりしました。だったら中団で良いと思って踏むのをやめたら大沼さんが行ってしまった。僕の場合、ギアをかけてるから立て直すのにも、時間が掛かるんですよ。でも、その後は平原君のまくりのスピードも、もらえたわけだし、本当は3着までには入らなくてはいけないレースでしたよね」


<11R>
山口幸二選手
山口幸二選手
   最終ホームで松岡健介が山賀雅仁を叩きカマシ先行。ゴール前で番手から抜け出した山口幸二(写真)が今節1勝目を挙げた。
 「山賀君と海老根君がどういう作戦で来るかわからなかったから難しかったけど、松岡君が叩きたいと言っていたのでその意見を尊重しました。上手くいきましたね。最後はちょい差しのイメージでした。相変わらず調子は悪くない。『優勝の無い安定感』ってやつですね(苦笑)」
 最後は交わされるも2着に粘った松岡健介は強気の攻めが巧を奏したようだ。
 「山口さんと伊藤(健詞)さんには『山賀が緩めたところを叩くので勝負させて下さい』と話してありました。作戦が決まりましたね。山賀にもう少し蓋をされて2センターあたりから行かれたらキツかったけど、あいつも結構早目に仕掛けてくれましたからね」 
 前日は圧巻のまくり劇で大金星を見せた山賀雅仁だったが、この日は松岡にまくられ8着。二日続けての大仕事とはならなかった。
 「今日は風も強くって、バンクもとにかく重かった。それにしても主導権を取れなかった事はショックですね。でも、落ち込んでもいられないし、相手が強かったと割り切って気持ちを切替えないとですよね。明日も頑張るだけですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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