『西武園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:4月27日
開設59周年西武園記念競輪「ゴールド・ウイング賞」も今日が三日目。いよいよ大詰めを迎えた覇権争い。今日はベストナインの座をかけて激戦となった準決勝4レースをピックアップします。
最終日の明日も特設ステージではセキュリティコンパニオンによるミニライブ(8,9R発売中)や、江戸鷹・山口健治さんによる予想会(5R発売中)が行なわれるほか、入場門においては引き続き豪華商品の当たるスクラッチカードが先着2000名に配布されますので、合わせてお楽しみ下さい。
<8R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二(写真)
が実力の違いを見せ付けた。前受けから荻原尚人を突っ張ると、スピードを緩めることなくそのまま先行。最後は番手の田中秀治が付きバテするほどの逃走劇で堂々と逃げ切った。
「昨日は荻原君を簡単に出させてしまったし、先行できなかったから今日は先行しようと思っていた。向こうも出させてくれると思ってるだろうから、前を取って突っ張ってやろうと。レース前、秀治に『突っ張る』と言っておいたんです。突っ張って4コーナーで後ろを見たら秀治が付いていたから、安心して思いっきり踏みました。しっかりと先行してSSシリーズを見据えた走りができた」
2着には
紺野哲也
が入る。荻原が突っ張られると田中後位に切り替え、直線で一気に追い込みをかけるが、小嶋には届かなかった。
「荻原を入れてあげたかったけど、小嶋さんがもう踏んでいってしまったから。前の田中君はずっと内を締めながら踏んでいたからキツそうだった。さすがにそこから前は交わせないですよ」
その
田中秀治
は小嶋の強さに舌を巻いた。
「小嶋さんはやっぱり凄い。昨日、前を取って全部突っ張ると言ってたから、ギアを上げて準備してたのに。ジャンで一回引いたかと思ったら一気に踏んで行ってしまった。付いているだけで脚は一杯だった。良い勉強になりました」
荻原尚人
は見せ場を作れず。
「小嶋さんが後ろからくれば番手で粘ろうかと思ってたけど、初手で小嶋さんは前を取ってしまった。前受けから引いてくれると思ったんだけど…」
<9R>
濱田浩司選手
三宅伸選手
打鐘から押さえ先行にでた
濱田浩司(写真)
が巧妙なペースで駆けて別線を完封。山賀雅仁との二分戦を制した。
「風も強いし、バンクも重かったけど、すんなりペースに持ちこめたので勝てました。脚も残っていたので最後も踏みなおせましたし、『決まった!』と思いましたよ。明日、軽く感じれば十分勝負にはなると思います」
番手絶好だった
三宅伸(写真)
だが濱田を交わせず。藤野孝彦ときわどい2着争いとなったが、微差で決勝のシートを死守した。
「今日はハマちゃんが強すぎた。あと一周走っても抜かせんよ、あれは。バックが追い風でハマちゃんがどんどん掛かっていくから、自然と車間が空いてしまった。四角で踏みなおされたときには『ハコ4』まで覚悟したもの。何とか(決勝に)残れてよかったですよ」
正攻法に構えた
山賀雅仁
だったが、一旦車を下げると、鈴木孝征に切り替えられ7番手に。濱田のペース駆けに最後まで仕掛けの糸口をつかめず7着と完敗した。
「一旦引くのが僕のスタイルだし、切り替えられるのは仕方ないし想定内。ただ、今日はホームで仕掛けるべきでしたね。なかなか緩まなかったし、濱田さんにずっと見られていて、躊躇してしまったけど、今日の場合は、ホームで強引にでも仕掛けないとレースになりませんよね。今日の負けは、自分が何もしなかっただけ。後ろに迷惑を掛けてしまって本当に申し訳ないです」
<10R>
坂本亮馬選手
紫原政文選手
細切れ戦で打鐘からはめまぐるしく先頭が入れ替わるが、最終ホームで
坂本亮馬(写真)
が一気にカマし主導権を奪取。最後は紫原政文に交わされるも2着で優参を決めた。
「後ろ(田中誠)が高校の先輩だし、その後ろが赤パンツ(紫原政文)だし、本当に緊張しましたよ。ただ、『お前の好きなように走れ』と言ってもらっていたので、思い切り駆けれました。今回は久々に感じが良いですね。良く反応出来ている。今までだったら今日のホームのようなペースだったら、怖くて仕掛けらませんでしたからね。決勝は凄いメンバーがそろったけど、気負わず練習のつもりで思い切った競走をしたいですね」
九州3番手からレースを進めた
紫原政文(写真)
。前の田中誠が武田豊樹に競られ苦しい展開も、四角でその武田を自らドカすと直線で鋭く突き抜けた。
「四角では亮馬も武田も、みんな脚を使ってきつそうだったから、その分、最後は僕が抜け出せましたね。昨日までは動きが悪かったけど、今日は踏んだ感じが良くなって来た。決勝進出は最低限のノルマだからホッとしてますよ」
松岡健介を止めたり、田中誠の内で粘ったりと、縦横無尽に暴れまわった
武田豊樹
。結果は3着も、納得のレースは出来たようだ。
「ダービーが終わってからは、少し気が抜けてしまったけど、僕の場合はレースで気持ちを上げていくしかない。今日は久々に気持ちの入ったレースが出来ました。でも、紫原さんに止められるあたりはまだまだ未熟だし、最後はちょっと雑なレースになってしまったところが反省点ですね」
<11R>
平原康多選手
太田真一選手
この日もトリを飾ったのは
平原康多(写真)
と
太田真一(写真)
の地元タッグ。レースは平原が打鐘から駆けると、まくってきた南関勢に対し太田真一が好ブロックをみせる。最後は1着同着という最高の形で連係を決め、共に決勝へと駒を進めた。
「お互いがしっかり仕事をして、連係を決められた事が何より大きいですね。良いレースが出来ました。今回は3日間ともしっかりバックが取れているし、状態は問題ないですよ。明日はラインの誰かが獲ってくれれば良いくらいの気持ちで思い切ったレースをします」と
平原
が笑顔で語れば、
太田
も安堵の表情で口を開く。
「良かったー!とりあえず最低限のノルマはクリアですね。本当に緊張しましたよ。今日は気合だけ。久々に気合いが入りましたよ。二人とも決勝に乗れなかったら洒落にならないので、今日は、僕は捨て身で後ろからのまくりを全部止めるつもりで走ってました。乗ってる感触としては今日が一番良かったし、毎日少しずつ康多との着差もつまって来ているから、明日も頑張れそうですね。あと1つ!頑張るだけです」
昨年当所での全日本選抜の準Vが、鮮烈に印象に残るまくり職人
石丸寛之
だが、この日は不発。6着に沈み決勝進出を逃した。
「今日は前を見すぎて仕掛けるタイミングがかなり遅れてしまった。しかも、踏んだ直後に海老根君が外に浮いてきたりして…。昨日まではゴール前、大外が良く伸びていたので、最後は外に車を出してみたけど、今日は重くてあまり伸びませんでしたね。気持ちを切り替え、明日はしっかり走って帰りますよ」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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