『西武園競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:4月28日


 4月25日から行われた開設59周年西武園記念競輪「ゴールド・ウイング賞」は本日最終日を迎え、4日間の全日程を終了した。海老根恵太、渡邊晴智、石丸寛之、山口幸二らのSS班は準決勝で敗退したが、地元のエース平原康多を筆頭に関東勢はそろって決勝に駒を進めた。注目の決勝は平原康多―太田真一の地元勢に武田豊樹が並んで関東で結束。小嶋敬二や坂本亮馬らの自力型と力勝負を演じた。レースは小嶋敬二が先行し、平原康多がまくる両者の力比べとなった。お互い一歩も引かず2センターまでもつれたが、最後は余力を残した平原が直線で抜け出し、地元の西武園記念初優勝を飾った。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると濱田浩司がスタートを決めて誘導を追うと、三宅伸が続いて瀬戸内勢が前受けに出た。以下は平原康多―太田真一の地元勢に武田豊樹が続き、小嶋敬二―山田敦也、坂本亮馬―紫原政文の隊列に落ち着いて周回が進む。
  赤板で坂本が上昇すると小嶋もこれに乗って行き、濱田は三番手まで下げる。打鐘で小嶋は外で併走の形となるが、平原が外を踏み上げると小嶋も合わせてスパートする。小嶋がホームから主導権を握り、平原は三番手の位置をキープした。結局、坂本が六番手、濱田は八番手の一本棒となりラスト一周を迎える。平原が二角からまくり出ると、小嶋も懸命に粘り両者のモガキ合いは3コーナー過ぎまで続いたが、平原がまくり切りそのまま後続を振り切ってVを飾った。太田は伸びを欠き、G前で中を割った紫原、大外を伸びた武田が2、3着に入った。


平原康多選手
平原康多選手
 輪界を代表する機動型の壮絶な力勝負に場内のファンは酔いしれた。小嶋敬二が平原康多(写真)を突っ張ると、平原はすぐさま軌道修正して三番手を確保。2センターまで続いた両者の攻防は、最後は平原が力で強引にねじ伏せて決着を付けた。
  「ジャンでまさか小嶋さんが突っ張るとは思わなかった。でも、巧く三番手に入れてもらえたし、あとは力勝負と思ってバックから仕掛けました。ずっと併走してたから苦しかったけど、コーナーを出るまでに小嶋さんより少しでも前にいれば、最後は山おろしの惰性でいけると思っていた。脚に余裕があったし、最後は惰力を使えましたね」
  昨年12月の全日本選抜では二次予選でまさかの敗退。期待した地元ファンを裏切る結果となってしまっただけに、今回の優勝はいつも以上に価値は大きい。
  「全日本では凡走したし、それ以来ずっと自分の中にモヤモヤしたものがあった。今日の優勝で借りが返せたし気持ちが晴れました。去年の大宮記念を優勝してから成績が良くなった。ダービーで落車してからは体調が今ひとつだったので、今年もその再現ができれば。SSシリーズの初日はまた武田(豊樹)さんと一緒。次はワン・ツーを決めて初戦をクリアしたいですね」

 2着には紫原政文が入った。坂本亮馬と共に立ち遅れてしまったが、2センターから内を突っ込み、直線で太田(真一)と山田(敦也)の間を鋭く伸びた。
  「小嶋を出させて三番手をキープできれば亮馬の優勝があったのかもしれないけどね。最後は内外のどっちを行くか一瞬迷った。前が止まったんで思い切って内を突っ込んだけどアタマまでは無理だったね。でも、強い人が駆けて七番手からの2着だから上出来だと思う」

 三番手の武田豊樹は今開催連日伸びた外のコースを選択したが、惜しくも3着止まり。
  「平原はまくりだったんで優勝を狙いに行くだろうから、自分は何とか2着に入れればと思った。先行選手が番手や三番手を回るとモロいことが多いから、今日はしっかりとしたレースがしたかった。自分も先行選手だし、普段ラインの大切さが分かっているから、最後のギリギリまで待った所から追い込み勝負をしました。もう少しだったけどね。紫原さんに抜かれたのは悔しい」

  太田真一は8年ぶりの当所優勝とはならなかった。
  「平原がすんなりまくる展開だったら2着はあったかもしれないけどね。平原が突っ張られてから、中団に入れてあげるのに脚を使ってしまった。小嶋さんが掛かっているのに平原はよく行ってくれたね。最後は皆2着狙いでゴール前は激戦。山田を目掛けて突っ込んできた。平原が小嶋さんを締め込んだときに自分は脚が一杯になってしまった」

 今節はカマシ、まくりで連日にわたり場内を沸かせた坂本亮馬だったが、強豪がそろった決勝戦では一歩力が及ばなかった。
  「ジャンで突っ張ることも考えたけど、あそこで突っ張ってもね。車番的に後ろ攻めになったら嫌だなと思ってたらそうなってしまった。前を取って叩くレースをしたかったんですけどね。強い人に前で駆けられてはどうしようもないし、あの位置からでは苦しい。山崎(芳仁)さんでも厳しいんじゃないですかね。ペダルは回ってるんだけど、体がスライスしていく感じだった。でも、佐世保に続いて今回も良い勉強になりました」




ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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