『西武園競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:4月27日


 4月24日から行われた西武園競輪開設60周年記念「ゴールド・ウイング賞」は本日最終日を迎え、4日間の全日程を終了した。地元からはエースの平原康多と藤田竜矢が決勝に進出。武田豊樹、神山雄一郎も勝ち上がり、関東勢は別線での戦いを選択した。レースは激しくもつれたが、平原が豪快にまくって優勝。昨年の当所記念、そして今年1月の大宮に続き、地元記念3連覇を飾った。

決勝戦 レース経過
 各ラインが死力を尽くす熱のこもった決勝戦となった。レースは、牽制気味のスタートから武田豊樹が出て正攻法の位置を占める。これで、武田-神山雄一郎-高谷雅彦、稲垣裕之-山田裕仁-山口幸二、藤田竜矢-平原康多-岩津裕介の並びが出来上がった。
  青板2センターから藤田が上昇を開始。これを見た稲垣は車を下げ、藤田は一旦、中団位置に入るが、2コーナーから踏み出すと、打鐘手前で武田を叩いて前に出る。しかし、藤田ラインの動きを追った稲垣が間髪入れずに踏み出し、ホーム手前で藤田を捻じ伏せるようにして主導権を奪う。これに今度はすかさず武田が襲い掛かるが、稲垣も掛かっていてまくらせない。バック手前からは山田が番手まくり。ほぼ同時に藤田を捨てた平原が後方から怒涛の勢いでまくって来る。3コーナーで武田との踏み合いを制した山田を先頭にして直線に入るが、スピードに乗った平原は直線半ばで山田を鮮やかにまくり切って快勝。懸命に平原を追った岩津を制し、2着には山田後位から抜け出した山口が入る。

平原康多選手
平原康多選手

 平原康多が西武園記念連覇を達成した。目標の藤田竜矢が稲垣裕之に叩かれて後方に置かれる展開となったが、最終2コーナーから自力発進。最後は大外を一気に駆け抜け、激戦を制した。
  「最終ホームで後方になってしまった時は、厳しいと思いました。苦しい展開になったけど、藤田さんが、稲垣さんと武田さんに脚を使わせていたので、まくり切れたんだと思います。武田さんを越えられれば行けると思ったけど、山田さんの番手まくりが予想外でした。最後は目一杯踏んで何とか勝てましたね。優勝できてホッとしました」
  小松島共同の決勝では落車失格を喫し、前検日には弱気のコメントも聞かれた。悪い流れの中で地元記念を迎えたが、「失敗はレースで取り返すしかない」の言葉通り、最高の結果で流れを引き戻した。
  「共同の決勝で落車失格は正直ヘコみました。今回は地元でプレッシャーも感じたけど、優勝で悪い流れは断ち切れたかな。この後はSSシリーズがあるし、この流れを途切れさせないようにしていきたい」

 山口幸二は番手まくりの山田裕仁を追い込んで2着に入った。
  「チャンスは一回しかないなと思っていたけど、稲垣はいいタイミングで仕掛けてくれた。武田をうまくブロックできた時に優勝が一瞬だけ見えたけど、その外で平原の息遣いが聞こえて、ダメだなと思った。結果は2着でも十分です」

 同期の平原をマークした岩津裕介は3着まで。
  「最終4角でスライスした。雨もあったしうまく伸びきれなかった。でも、平原のスピードは凄かったけど、自分もついていけてた。前走からレース間隔がなかったけど、いい感触で踏めてましたよ」

 山田裕仁は稲垣の番手から発進するも、直線で力尽きた。
  「稲垣君に全面的に任せていました。後ろから来てたから行かせてもらったけど、1周半踏みっぱなしで休むところがなく、最後まで持たなかった。平原君にお見事と言ってあげたい」

 武田豊樹は最終ホームから巻き返したが、山田に合わされて不発に終わる。
  「ホーム中団で一呼吸置いてから仕掛けたほうが良かったのかな。もともと膨らみ易いバンクなのに、雨もあって伸び切れなかった」

 稲垣裕之は強引に藤田を叩き切った。
  「アウェーの競走だったけど、勝負どころで行けた。いいペースで駆けたんだけど、武田さんや平原君が1枚も2枚も上でした。また練習して次につなげたい」

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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