『西武園競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:4月18日
 西武園競輪開設63周年記念「ゴールド・ウィング賞」が18日に開幕しました。初日はS級特選3個レースをメインに一次予選が争われました。S級特選レースは、吉田敏洋、村上義弘、平原康多が勝利して初日を好スタート。2日目は優秀競走「ギャンブルレーサー賞」をメインに二次予選が争われます。
 西武園競輪場では先着1,000名様に「さい☆ボーグ君」のラスクをプレゼント。場内ではパフォーマーじっきぃさんによるステージショー(10時15分頃、2R発売中、5R発売中)、ガールズケイリン選手、小林莉子さん、石井寛子さん、石井貴子さんによるトークショー(7R、8R発売中)、日本競輪選手会埼玉支部によるチャリティーオークション(10R発売中)など、様々なイベントを用意しております。また、2日目に限り入場は無料となっております。ぜひ、西武園競輪場へ足をお運びください。
<1R>
湊聖二選手
湊聖二選手
 山本健也の最終ホームガマシは番手の成田健児が離れて単騎ガマシに。番手にハマる形となった湊聖二(写真)は山本との差を詰め、そのままの勢いで踏み込み白星を手にした。
 「山本君が叩きに来て、後ろが離れてるのが分かったので一度出させたけど、成田さんも追い上げてくるだろうし、山本君が追い上げを待っていた感じだった。自分も一度上げたスピードを落としたくないしそのまま出て行きました。インを斬って先行する覚悟があったので、思い切って行けましたね。もう一つ頑張って、準決勝に勝ちあがりたい」
 山本健也は湊の仕掛けを追って2着入線。
 「練習が良かったからそろそろレースでと思った。叩いた後、すぐに湊さんに行かれて、番手にハマる感じでレースの形としては自力じゃないから悔しいけど、2着の数字は喜びたい。最近の中では踏めている感じがありました」

<2R>
 石丸寛之はホームガマシを狙う長島大介に合わせるように中団からまくり発進。長島のスピードをもらった大薗宏は、石丸、室井健一の後ろへスイッチ。直線で大外を伸び勝利した。
 「長島君が作ったスピードそのままで室井さんの後ろに付いて行く事が出来た。室井さんより先に踏めば勝てると思ったけど、室井さんが内に行って更に自分が踏みやすくなりました。一走して脚に刺激を入れられたし、2日目も楽しみですね」
 石丸寛之は3着の結果にも納得の表情。
 「長島君がいいスピードを持ってるのは知ってるし、被される前にと思って自分のタイミングじゃないけど無理矢理仕掛けた。やっぱり最後はキツかったですね。自分も内をあけたし、そこを室井さんに突かれるのはしかたない。出来る事をやっての結果ですよ」

<3R>
柏木伸介選手
柏木伸介選手
 柏木伸介(写真)が頭脳プレーで勝利。周回中に強引とも思える動きで誘導後位をキープ。一度小原将通を出させて、その後押さえた稲毛健太を自ら叩いてスローペース。後方はゴチャ付いたが、それを尻目にピッチを上げて押し切り、南関ライン3車で確定板を独占した。
 「後ろ攻めはしたくなかったので、位置を取れなかったら早めに動こうとは思っていた。小原君が粘るのも見えてたし、稲毛君が包まれているのも分かってました。自分が実際に踏んだのは残り半周くらいだし、うまく走れました」
 2着の細川洋は柏木の運行を絶賛する。
 「柏木君は、走る前から自信満々みたいで、オーラすら感じさせるくらい。何から何まで彼がうまくやってくれた。自分は付いていっただけ。バック向かい風でキツい中、良い加速で抜ける感じは無かった」

<4R>
 伊藤正樹は前受けから中団4番手の位置を確保。最終2コーナーからの仕掛けは、後続を置き去りにする圧勝劇だった。
 「前回(4月別府)の落車で肋骨と右手首が痛んでる。身体が痛いし、レースではとにかく中団を取ることにこだわった。結果的に中団を取ることができて、勝てました。同期の大薗が朝のレースで勝ってたし、自分も勝たないとと思ってました」
 前反祐一郎は、逃げた中村雅仁の後位から追い込んで2着。
 「自分は前が頑張ってくれての着ですからね。先行で頑張ってくれてるし、後ろは止めてあげたかったけど、伊藤さんだけスピードが違ってました。伊藤さんの後ろに誰か続いてたら苦しかったけど、1人だったので助かりました」

<5R>
 打鐘2センターで内を突いた緑川修平が主導権。谷津田将吾は緑川を追えず、宿口陽一が番手にハマる。宿口は緑川を目標に最終2コーナーからまくり発進。宿口に続いた山口貴弘が追い込んで勝利した。
 「宿口はカマシだけ気をつけてくれればと思ってました。逃げようとした時に緑川君が来て、いい展開になりました。今回は練習もしてきたし、身体は動いてます。調子も前回よりは良いですが、僕は前の頑張りが全てですよ」
 宿口陽一は2着の結果に安堵の表情。
 「後ろが大先輩の2人だったので、緊張してました。逃げるつもりで踏んでたおかげで結果的に良い展開になった。先輩2人とも、二次予選に進めたし、とりあえず肩の荷が降りた感じ。2日目はまた気持ち新たに頑張れそうです」

<6R>
 押さえ先行の伊藤信に対し、松坂洋平は内から中団5番手の位置を確保。松坂のまくりに伊藤も抵抗を見せるが、直線を伸びた松坂に軍配が上がった。
 「悪かったころに比べると、少しは状態が良くなっているけど、良い状態の時なら、引いてから自信を持って外から仕掛けてると思う。まだ状態が良くないから内から位置を取りに行ったりしてるんだと思います。今日の1着が薬になって、状態も良くなってくれればいいのですが」
 伊藤信は2着の結果に悔しさをにじませる。
 「展開は理想通り。自分のレースに持ち込んでたのに、それでも松坂さんに負けている。強い松坂さんには抜かれてしまったけど、番手の人には抜かれてないし、自分の中では、踏めている手応えがありました。勝ちあがれたことが大きいです」

<7R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 竹内雄作(写真)が圧巻の逃走劇を披露。赤板で後方の辻中国宏も動きを見せるが、正攻法の竹内が突っ張って主導権取り。打鐘を過ぎ、徐々にピッチを上げていくと、別線は出番なし。竹内が堂々と押し切った。
 「赤板あたりで突っ張ることも考え始めた。打鐘でも誰も来ないし突っ張ると決めました。バック向かい風でキツかったけど、そこを乗り越えたらあとは楽になるので。練習のような感じで踏むことができました」
 西岡正一は追走が一杯の様子。
 「打鐘からずっときつく、自分に余裕がなくて付いているだけだった。竹内君が、踏んで止めて踏んで止めてと何度もやっているので、脚が全く溜まらなかった。まくられる気配はなかったけど、自分も一杯でした」

<8R>
佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 打鐘過ぎに中団の位置を確保した志村太賀が打鐘4コーナーから一気の仕掛け。後方に置かれた佐々木雄一(写真)はすかさず反応して前を追走。差を詰める勢いそのままに、まくって勝利した。
 「太賀が中団を確保したから、最終2コーナーくらいからのまくりと思ったが、仕掛けが早かったですね。吉川さんも追っかけて行って、自分が最後方だったので、慌てて追いかけました。9番手になりたくない思いだけですね。4日分を出し切ったと言われないように、残り3日間も頑張らないと」
 志村の後位から直線で追い込んだ大澤雄大が2着。
 「(志村が)うまく中団を取ったから、まくりだなと思って構えたら、仕掛けが早くて千切れそうだった。(高橋)京治さんも4着で、予選の埼玉勢はみんな二次予選に勝ちあがれたけど、太賀を残せなくて申し訳ないですね」

<9R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 藤田竜矢が最終ホームガマシで主導権を奪うが、藤田を追った吉田敏洋(写真)がロングまくりで応戦。吉田のスピードは衰えることなく、力強く押し切って優秀戦へと駒を進めた。
 「トップスピードの入り方はダービーの時より良い。前回のF1戦は調整の時間が足りなくて迷惑をかけてしまったけど、今回は時間もあったし良い状態で戦えてます。自分の手応えが良いので、今回は楽しみですよ」
 山崎芳仁は吉田の仕掛けへ切り替え2着に続いた。
 「吉田さんのスピードが違ってましたね。切り替えて差せるイメージで踏んだけど、自分の予想以上に吉田さんが踏み直していて届かなかった。多少の疲れは感じるけど、身体は動いているし問題なさそうです」
 山田裕仁は、吉田の踏み出しに遅れるも中団から仕掛けた山崎が良い目標となり3着に食い込んだ。
 「離れてしまいました、脚が違いますね。吉田君が近年稀に見る強さでした。自分は自分に出来ることを、明日以降も頑張るだけです」

<10R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 正攻法の村上義弘は打鐘過ぎに後方の動きを確認しながら突っ張って主導権取り。ペースをつかんだ村上は直線でもしっかりと踏み直し勝利した。
 「練習をしっかりしてきたし動けてます。自分の後ろが(三谷将太と武井大介の)競りだった。どんな選手も本音では競りは嫌だろうし、自分の後ろで競ってくれて居るので、価値のある先行をしようと思った。いつも頑張っている将太と決められなかったのは残念ですが、残りのレースも積極さを忘れず一戦一戦頑張るだけです」
 芦澤大輔(写真)は中団4番手の位置を確保。最終2コーナーからまくりを仕掛けるが、村上に合わされ2着が精一杯だった。
 「何でもやりたい気持ちはあったが、自分の後ろに後閑(信一)さんが付いているし、中途半端な動きはしたくなかった。自分が思ったような位置を取って、思ったような位置から仕掛けたけど、村上さんには通用しなかった。これが力の差ですね」
 競り勝った三谷将太の後位から直線を追い込んだ有賀高士が3着。
 「今日は前の2人の力でしょう。村上も自分のレースに徹したし、将太も競り勝って位置を守った。何もしてない分だけ脚に余裕があって3着に食い込めました。前の二人に気迫溢れるレースを見せてもらい、いい刺激になりましたよ」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
 大方の予想通りに阿部大樹が早めの主導権取り。平原康多(写真)はギリギリまで別線の動きを引き付けたが、園田匠のまくりに合わせて最終バックから発進。見事勝利し、人気に応えた。
 「やはりというか、阿部が頑張ってくれました。別線の動きをギリギリまで見極めて、ブロックしたかったけど(園田が)来たのが直線のところだったしブロックも難しかった。阿部もタレてたし、人気にもなっていたので前に踏ませてもらいました。セッティングをダービー前に戻して、動ける感じがもの凄く良いです」
 岡田征陽は内、外と絡まれながらも平原を追走。2着に続いた。
 「自分は前に付いていっただけですよ。久々のレースだけど体調も問題なかったです」
 園田匠は平原に仕掛けを合わされたが、しぶとく踏んで3着。優秀戦の権利を確保した。
 「後方になってしまったのが想定外だったけど、自力で仕掛けられたし動きは悪くない。周りの様子もしっかりと確認できた。前回落車しているけど、自分が思っているよりは悪くなかった」
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