『西武園競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月21日
 西武園競輪開設63周年記念「ゴールド・ウィング賞」は4月21日に最終日を迎えた。昨日から降り続いた雨は、昼過ぎには止み、良好なバンクコンディションの中、決勝戦が争われました。決勝戦を制したのは萩原孝之。村上義弘の先行をぴったりと追走、直線で追い込んで勝利した。
決勝戦 レース経過
 号砲で武井大介が飛び出す。正攻法に海老根恵太を迎え入れると、海老根―武井―林雄一―村上義弘―萩原孝之―藤田竜矢―岡田征陽―芦澤大輔―吉田敏洋の並びで周回を重ねる。
 赤板ホームから上昇した藤田は、まず中団の村上にフタをする。単騎の吉田は藤田には続かず、最後方で前の様子をうかがうと、打鐘に合わせて藤田が誘導員を下ろす。しかし、すかさずその上を村上が叩いて主導権を奪取。上手くこの動きに続いた吉田だったが、藤田と3番手で併走となる。この併走が決着する前にホームから早めに仕掛けた海老根だったが、2コーナーで藤田が吉田を持っていくと、そのあおりを受けて大きく後退する。これで一度は4番手アウトに下がった吉田だったが3コーナーから再度踏み上げる。村上後位の萩原はこれを張りながら直線踏み込むと、村上を捕らえて後続も振り切り嬉しい記念初優勝。吉田後位にスイッチした林を2センターで飛ばし必死で萩原に迫った岡田が2着、続いた芦澤が3着に入線した。

萩原孝之選手
萩原孝之選手
 3日間とも自力で戦っていた村上義弘が、決勝戦で導き出した答えは先行策だった。打鐘で藤田竜矢が叩くが、村上がさらにそれを叩いて主導権。前に出て一度ペースを緩めたが、最終ホームから一気にピッチを上げて逃げた。3番手は村上ラインを追走した吉田敏洋と藤田でもつれる。海老根恵太は最終ホームからのロングまくりを仕掛けるが、2コーナーであおりを受けて失速。村上の番手をすんなりと回った萩原孝之(写真)が絶好の展開をいかして直線で追い込んだ。
 「地区が違う即席のラインだったけど、村上さんが先行してくれました。自分の結果はそれに尽きます。流れが良くて、勝つことができました。村上さんの番手と言うことで、気持ちに余裕は無かった。先行するとは思ってなかったし、まくりに離れると恥ずかしいから、付いていくことだけ考えていました。後ろの動きも見えていて、最後は村上さんの先行を無駄に出来ないと思って前に踏ませてもらいました。記念の優勝は目標にしていたので嬉しいです」

 藤田竜矢をマークした岡田征陽が2着。最終2センターで外の林雄一をドカして踏み場を確保。直線で追い込んだ。
 「レースが終わってから藤田君とも話をしたんだけど、打鐘のところでもう少し踏んでいたら、もっといい展開になっていましたね。あの位置では引くことも出来ないし、藤田君は関東のみんなが優勝を狙えるような組み立てをしてくれた。久しぶりに楽しいレースができました」

 芦澤大輔は岡田の内を追い込み3着で確定板入り。
 「藤田さんが引かずに、いい位置で強いレースをしてくれました。優勝は出来なかったけど、こうやって走るひとつひとつのレースが大事になってくるだろうし、また次に向けて頑張りたいです」

 逃げて強し、まくって強しとシリーズを通してその強さを体現しつづけた村上義弘。結果は4着だったが、決勝戦でもスタイルを崩すことなく自らの競走に徹した。
 「西武園はまくりが決まりにくいバンクだし、どのラインも番手選手がしっかりしていたので、逃げる方が固いと思いました。今回は、初めて4日間を通して4・2倍を超えるギアを使ってたし、その疲労も多少はあるだろうけど、残れないのは自分の脚力。得られたことを次に活かしていきたいです」

 吉田敏洋は最終2コーナーで藤田に身体を当てられるも、しぶとく踏み続けたが最後は伸びを欠く。
 「一番大事な決勝の日だったのに、4日間で身体が一番重たかった。何をやっているんだろう。打鐘で一杯になっているようではダメ。練習してきます」

 藤田竜矢は村上ラインに続く吉田と併走。最終2コーナーでは吉田に身体を当てるなど、強気な攻めを見せた。
 「組み立てはある程度考えていた通り。押さえた後、だれも来なければ逃げる、来れば出来るだけ前の位置で勝負。(吉田が)被る形で苦しくなってしまったが、レースは作れたと思うし、納得はしています」

 最終ホームから仕掛けた海老根恵太。いい勢いで加速していくが、最終2コーナーで受けたあおりが痛手となった。
 「タイミングはバッチリでしたが、2コーナーさえなければ。たらればは、言っても仕方ないし、また次に頑張るしかないです」

ゴール
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