『西武園競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月8日
 西武園競輪開設64周年記念「ゴールド・ウイング賞」は4月8日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9選手による決勝戦が最終11レースで争われ、三谷竜生の先行を3番手からまくった山崎芳仁が地元勢の猛追を振り切って今年2度目の記念制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲と同時に深谷知広、吉田敏洋がスタートを出て前受け。以下の隊列は池田勇人―平原康多―岡光良―神山拓弥に単騎の山崎芳仁が続き、三谷竜生―西川親幸で周回を重ねる。
 三谷は青板の4コーナーからじわりと上昇を始め、赤板で中団の池田に併せ込む。三谷ラインに山崎が切り替え続く。池田にフタをした三谷は、再度2コーナーから踏み込んで打鐘で深谷を押さえて主導権。三谷に西川、山崎まで出切り、池田がそれに続くと前受けの深谷が下げる。中団を4車の関東ラインが占めて、深谷は8番手。先行態勢の三谷が最終ホームからペースを上げて、隊列は一本棒。
 4番手の池田が1センターからまくり上げると、山崎も合わせて発進。池田を制した単騎の山崎がバック過ぎに逃げる三谷をとらえて、池田もその外を襲い掛かる。池田に平原と追走するが、岡はいっぱいで2人に遅れる。8番手の深谷もようやく3コーナーから外をまくり上げて、山崎、池田、平原に迫り直線へ。
 池田とのまくり合戦に踏み勝った山崎が、大ギアのパワーでそのまま押し切りV。池田に付けた平原は、外を踏むも届かずの2着。3着に池田、深谷は4着まで。


山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 実力者が勝ち上がった決勝戦。鉄壁の布陣を敷く関東勢と連日の強さ際立つ深谷知広の対決に注目が集まるなか、勝負を制したのは単騎の山崎芳仁(写真)だった。強力なライバルを後ろに置いての先まくりで孤軍奮闘。4.58のマックスギアが火を噴いた。
 「3番手を取れたのが全てですね。三谷君が緩めるようなら1回叩いて前に出ようと思ったんですが、そのまま踏んでいってくれたので絶好の展開になりました。後ろに池田君がいるのは分かったし、仕掛けるのを確認してから踏みました。池田君に出られそうになってヤバイと思ったけど、身体を当てながら何とか合わせ切れました。優勝できて良かったです」
 次走は伊東の共同通信社杯。06年の東王座戦でビッグ初制覇を遂げるなど、抜群の相性を誇るバンクだ。
 「あっせんが止まるまで、あと一戦ですから。伊東は33バンクの中で一番得意なんです。お客さんの期待に応えられるように、一戦一戦しっかり頑張ります」
 選手会脱会騒動で5月から半年間の自粛欠場が決まっている山崎。欠場前の最後の一戦に全身全霊をかけて挑む。

 地元のエース平原康多は池田勇人のまくりに乗ってこん身の追い込み勝負をかけたが、惜しくも優勝に手が届かなかった。
 「池田が前で頑張ってくれました。山崎さんの後ろに切り替えようか迷ったけど、池田もまだ外で頑張ってましたからね。池田と2人で力を出し切っての負けなので、気持ち的にはすっきりしています」

 池田勇人は最終1センターからスパート。先まくりの山崎との力勝負は見応えがあったが、捕らえることはできなかった。
 「打鐘過ぎに三谷君を叩きにいくか迷いましたね。前もけっこう踏んでいたし、深谷は下げそうでしたから。4番手に入って、早めにいかないと厳しいと思って仕掛けました。山崎さんが気付く前に前までいきたかったけど、合ってしまいました。力負けなのでしょうがないです」

 深谷知広は勝負どころで8番手に下げて万事休す。4着に入るのが精いっぱいだった。
 「あんな展開になるとは思わなかった。中団で引くかどうか迷ってしまった。あそこがダメでしたね。脚がなかったし、また練習してきます」

 三谷竜生は強豪相手に先行で見せ場を演出した。
 「このメンバーで後方になっても仕方がないし、2車でも先行するつもりでした。でも、緩めたらいかれてしまうし、厳しかったですね。力は出し切りました」


ゴール
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