『西武園競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月11日
 西武園競輪場を舞台に開設65周年記念「ゴールド・ウイング賞(G3)」は佳境に入り3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦を繰り広げた。地元の平原康多をはじめ武田豊樹、岩津裕介のS班が貫禄を見せ快勝し、連日のサバイバルを勝ち抜いたベストナインが決定。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。また、第9Rでは「第105回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が行われ、一発勝負で若手の精鋭が覇を競う。
 場内ではファンサービスやイベントも盛りだくさん。最終日もお子様限定で駄菓子セットをプレゼント。また、たこ焼き、焼き鳥販売のケータリング出店、選手会体験型イベントブースなど盛りだくさん。さらに、マジシャン「ぺる」マジックショー(10時頃、2、8R発売中)、浅井康太選手トークショー(6、9R発売中)、久保千代志氏予想会(3R発売中)などのイベントも予定されております。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<10R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 山田英明が打鐘で小林則之を叩いて先頭に立つと、2センターからペースを上げて主導権を握る。初手から山田ラインを追った稲垣裕之がスパートすると、番手の岩津裕介(写真)がブロック。しかし、止まらずと見るや岩津はそのまま番手まくりを敢行し、1着で決勝一番乗りを決めた。
 「山田が思い切って行ってくれましたね。誰も来てなかったし(山田は)まだ仕掛けなくてもよかったと(レース後)話してたんですけどね。そこからは稲垣が直線で良いスピードできてたんで。香川(雄介)さんも後ろ固めてくれてるんで、割り切って行くしかないなと。乗った感じは調子は徐々に良くなってます。(今回は)平原(康多)が強いんでもうちょっと(上積みが)欲しいですけど、ちょっとずつ頑張っていきます」
 合わせられた稲垣裕之(写真)だが、これを凌いで2着で決勝へ駒を進めた。
 「仕掛けるべき所だったけど、ちょっと強引に行ったところもありました。正直完調ではないですけど、集中して走れてます。今のベストを尽くしたいという気持ちだった。単騎は最近はなかったですけど、あまり意識はしなかったです。明日に向けてもうひと調整します」
 8番手に置かれた佐藤友和だが、豪快にまくり上げると直線で外を強襲し3着を確保した。
 「昨日よりは出脚は良かったです。ああいう展開にしたのは良くなかったけど、僕のやることはひとつだったんで。セッティングは昨日より良いです。こういう動かし方をしたいという答えを出すための方程式が見つかりました。方程式が見つかって、解いてみて明日その答えがどうでるかですね」
 2センターから内を突いた加藤圭一は惜しくも4着で決勝進出ならず。
 「小林さんが稲垣さんに付いて行ったんで。(最後は)内に行くしかないと思って行きました。3日間3番手なんでいろいろと考えていきました」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 武田豊樹(写真)が貫禄の違いを見せ付けた。レースは赤板前から猪俣康一が上昇していくと、中団の松谷秀幸が先に動いて誘導の後ろに入る。猪俣は中団の武田の外で警戒していると、打鐘で松谷が誘導を切って主導権取りへ。油断した猪俣は突っ張られ終了した。さらに松谷が先行態勢に入ると、武田は下りてきた林巨人を退かして3番手確保。松谷が懸命に逃げるなか、武田が2角まくりを決めて勝利した。
 「外を蓋されていたけど、余裕がありました。飯嶋(則之)も絶対離れないと思ってたし、松谷も頑張るとは思ってた。あのオッズ(2車単180円)だったんで、なんとか車券に貢献できたかな。まだまだ上を目指したいんで、明日も遠慮はしない」
 完璧マークを決めた飯嶋則之(写真)は2着。明日の決勝戦、関東勢はダービー決勝と同様のメンバー構成となった。
 「余裕はないですよ。思いのほか2センターでニュートラルには入ったんですけど。でも武田さんの後ろなんで気合が入りました。進まなかった脚を気持ちでカバーしただけ。本当に気持ちです」
 武田にまくられたものの、渡邉晴智が3番手の女屋文伸をさばいて3着に。渡邉は笑顔で検車場に引き揚げる。
 「武田はすごいですね。まさか後ろにいるとは。気付いてなかったです。僕の至らないところがあった。本当にラインのおかげ、ありがたいです。自分だけになっちゃってすみません」
 先行した松谷秀幸はまくられ5着に沈む。
 「猪俣さんがスーッと行ってくれれば、出してまくりだったけど…。今日やっと自力を出した感じなんで、最終日は勝てるように。体の状態は徐々に良くなっていってます」

<12R>
平原康多選手
平原康多選手
村上博幸選手
村上博幸選手
 後攻めの平原康多(写真)が赤板前から上昇し誘導後位へ。打鐘で岩本俊介が叩いて出るも、7番手に下げた中村一将が早めに巻き返し、最終ホームを先頭で通過する。番手の村上博幸は後ろを警戒して車間を切って待ち構えるも、平原は瞬時にトップギアを入れ、あっさりと前団を飲み込んだ。
 「行けないと思ったけど行けた感じですね。決して余裕はないですよ。明日は自分が関東の先頭で頑張ります」。完全優勝へマジック1。1月大宮に続き、地元連覇へ今一度気持ちを入れ直す。
 佐藤龍二は平原の動きにきっちり対応し2着に続いた。
 「1番人気と分かってたし緊張しました。最後も平原さんに誘われてる感じはしましたけど、抜ける感じはしなかったですね。平から2連続で記念優出なんで良い感じですね」
 村上博幸(写真)は平原を止められず、3着確保が精一杯。
 「脚が付いてきてないですね。今日は力の差がありすぎました。中村さんの踏み出しも良かったし、平原も見えてて車間も空けてたんですけど…。平原は加速して行く感じでした。今年入って3回コケてるから高望みしてもしょうがないんで、徐々に戻せるように。明日は今ある中の力を出し切れるように」
 初の記念決勝を目指した伊藤勝太は8着に終わった。
 「脚がなかったですね。でも1回は動けたんで。余裕はあったんですけど、見ちゃいましたね。仕掛けは1個(中村の)あとでも良かったかもしれないですけど展開ですね。勉強になりました」

<最終目9R ルーキーチャンピオンレース>
野口大誠選手
野口大誠選手
渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 最終日の第9レースに105回生によるルーキーチャンピオンレースが開催される。3日目の午前中に続々と集まってきた新鋭9名が、明日の一発勝負に備えた。
 注目は在校1位で、トップの選考順位で出場を決めた野口大誠(写真)だ。学校時代は卒業記念レースを獲れなかった悔しさも味わったが、ここまでは前評判通り、順調に出世街道を歩んでいる。
 「それ(卒記Vを逃した悔しさ)があったからルーチャンに出れるのかもしれない。卒記も獲っていたらそこで満足していたかもしれないし。今となっては獲れなくてよかったって思えるようになった。コンディションも(前走の4月小倉)ミッドナイト終わりからリズムも戻して大丈夫です。みんなライバルだけど気になるのは渡邉(雄太)君と(野口)正則君。でも、相手どうこうより自分の力を出し切りたい。意識せずいつも通り。単騎は初めてだけど、後ろを考えなくて自分の走りに集中できる」
 渡邉雄太(写真)は在校13位ながら、今や野口大と双璧をなすまで成長した。
 「(調整は)雨だったんで思ったようにはやれていないです。ローラーとかですね。最近になってやっと力を出し切れるようになってきました。(明日は)1着を狙っていきますけど、主導権にこだわる競走をしていきたい。(ライバルは)みんな気になります」
 高木翔は東日本同士で渡邉と連係を選択。
 「自力でやるか迷ったけど、優勝するなら(渡邉の)後ろでと。番手の競走は(昨年9月函館以来)2回目です。そのときは番手まくりで優勝しました」
 自在性あり、在校2位の畑段嵐士は先行力ある野口正則の番手から勝負に行く。
 「同級生で高校も近畿で近かったので。明日は正則の後輪に集中して。(前走4月名古屋のあとは)3日しっかり乗って、3日しっかり休んできました。コンディションはバッチリです」
 その野口正則の先行力は同期の中でもトップクラスだ。
 「小さくならないように大きな競走で勝ちを意識していきます。畑段とレースで連係するのは初めて。でも高校、大学と競技をやってきた仲なので」
 在校4位の清水裕友も虎視眈々と一発を狙う。
 「特に変わったことはせず、いつも通りの練習をしてきました。アピールポイントは我慢強い、粘り強い競走です。ダッシュはないので、どちらかと言うと上げていく感じ。行けるところからタイミングをみて勝てるように」
 吉川嘉斗は中四国スジで清水の後ろから勝負する。
 「練習では後ろもするけど競走では初めて。作戦は全て清水君に任せます。僕はとにかく千切れないように。楽しんで走りたい」
 中部の2人はお互い分かれて単騎勝負に。堀兼壽は特班後も先行にこだわる競走で2Vを挙げている。
 「(3月高知の)落車の影響は全くないです。前々にいないととは思いますけど、やり合って脚を使うくらいなら、脚を溜めてドンの方がいいかな」
 神田龍は3月豊橋で準優勝するなど、1・2班戦でもV争いを演じている。
 「お互いが力を出し切るレースをした方が良いとなって、堀君とは別々に。(前走の4月岸和田は)体調不良でしたけど、戻したんで問題ないです。いつもと変わらない気持ちで走ります」
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