『西武園競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月23日
 西武園競輪場を舞台に開催されている開設66周年記念「ゴールド・ウイング賞(G3)」は、23日に3日目を迎えた。決勝進出をかけて熾烈を極めた準決の3個レースでは、池田勇人、浅井康太、吉田敏洋がそれぞれ勝ち星を挙げた。また、地元のSS班平原康多は2着でシリーズ未勝利ながらも優出を果たした。いよいよシリーズも大詰め、24日の最終日に第11レースの決勝でゴールド・ウイング賞をかけて白熱した戦いが繰り広げられる。
 本場では24日の最終日も、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。先着サービス(500人に焼き菓子をプレゼント)、「Pepperふれあい体験(世界で唯一の感情認識型ロボットによる競輪予想)」、「専門解説者予想会(山口健治氏)」、元競輪選手の田淵浩一氏による「西武園競輪予想会」、「日本競輪選手会体験型イベントブース」、「地元特産祭り」、世界ナンバーワンに輝いた「桜美林大学 ソングリーディング部」による演技を実施、SS班の園田匠選手(福岡・87期)によるトークショーなども予定されています。ぜひ、西武園競輪場へ足をお運びください。
<10R>
池田勇人選手
池田勇人選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 結束力の固い山田久徳、稲垣裕之の京都コンビを押さえ、地元の相川永伍が池田勇人(写真)、山口貴弘を連れて主導権を握って出る。7番手から田中晴基がまくり上げたが一息。今度は最終1センターから4番手の山田がまくって行くが、余裕を持って相川を追っていた池田が山田をけん制しながら番手まくり。後続を振り切って、決勝一番乗りを果たした。
 「ただ(番手から出て)行くんじゃなくて、ひと通り仕事をしてと思っていた。2回振っても(山田が)来ていたから、割り切って行きました。そうしないと(相川)永伍さんもムダになってしまうから。(二次予選、準決の)2走は人の後ろなんで、脚的な疲れはないけど。気持ちが入っているんで、そういうところの疲れはあります」
 前で懸命に踏み込む山田の余力をギリギリまで見極めた稲垣裕之(写真)は、最終3コーナーで切り替えて中を踏み、山口貴弘にからまれながらも2着に突っ込んだ。
 「相川君がうまくて、掛かっていた。(山田)久徳がもう一回伸びていったんで、外を踏むのを待った。もうワンテンポ早く踏んでいれば桑原(大志)さんと決まっていたかもしれないけど…」
 外の稲垣を再三もっていった山口貴弘だが、直線では稲垣に盛り返されて3着。
 「自分は付いていただけなんで、あとは全部前の2人に任せていた。離れないことだけを考えていました。3日間ひとりも抜いてないんですけど、(決勝に)乗れたんでよかったです」
 小埜正義は、任せた田中晴基が外に浮くとシビアに切り替えるも、残念ながら決勝には届かず。
 「田中君が頑張ってくれました。稲垣さんにスイッチしたが、続いただけでいっぱいでした。もう少し自分にテクニックがあればリカバリーできたはず」
 自分のスタイルを貫いて主導権を渡さなかった相川永伍
 「年齢は自分の方が上だけど、格は池田君が上なので、主導権は渡さないと決めていた。自分の仕事はできたと思います」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 雨谷一樹が赤板前からアクションを起こし、レースが動き始める。雨谷が一度ハナに立つと、これを吉本卓仁が叩き徐々にペースを上げて先行策。浅井康太(写真)が中団へ追い上げたが雨谷も譲らず、もつれたところを鈴木裕が追い上げて4番手を確保。結局、浅井は8番手まで車を下げさせられたが、最終2コーナーから反撃開始。3コーナーでのあおりを難なく乗り越えて、無傷の3連勝で準決を突破した。
 「(西武園は後方からのまくりが決まりにくいと言われるが)どこも一緒ですよ。最後に一番にゴールすればいいんで。西武園がどうとかは、わからない。結果的に行けてるし、人気に応えられたのでよかったです。(脚は)普通です。決勝もチャンスはあると思うし頑張ります」
 これが地元の執念なのか。藤田竜矢は最終3コーナーで中を突くと、狭いコースを縫って、直線でも伸びて2着を確保した。
 「あそこしか突っ込むところがなかったし、どうなってもいいと思って集中していました。(VTRを)見たら全然空いていたんで、追い込み選手ならなんてことはなかったでしょうね。今日は雨谷君が位置取りを厳しくいってくれた。自分に脚がないのはわかっているし、本当に気持ちだけです」
 逃げた吉本卓仁(写真)は、浅井にまくられたものの合志正臣の援護もあって3着に踏ん張った。
 「ジャンではハナを切ろうと。後ろが合志さんなら仕事はしてくれるんで。あとは久しぶりの先行だから、気負わないようにと。3車だから仕掛けながら出られても3番手なので。もうワンパンチ欲しいですね、気持ち周回中も重い。自転車っていうより、フレームに合わせ切れていない」
 一度、追い上げて中団確保からまくった鈴木裕だったが、合志に阻まれて車体故障。アクシデントに見舞われた。
 「(接触がなければ)行けてたかもしれないですね。ただ何度か(他にも)行けるタイミングがあったのに逃してしまったから、結局ダメだった。残念だけど仕方ないです」

<12R>
平原康多選手
平原康多選手
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 赤板で土屋壮登が飛び出して、平原康多、芦澤大輔、手島志誠まで関東4車が出切る。前受けの吉田敏洋は5番手まで下げて、関東勢に切り替え続こうとする単騎の松岡健介を入れず併走。吉田との併走を嫌った松岡は1車押し上げたものの手島に弾かれ後退。5番手キープから態勢を整えた吉田は、狙いすました最終2コーナー発進。逃げる土屋の後ろから平原が番手まくりで応戦するも、スピードとパワーに物を言わせた吉田が関東勢を仕留めて1着。
 「スピードに乗ったらいいですね。今日はタイミングを間違えないようにと思っていた。ジャンからジャン4コーナーで行ける態勢を整えていたけど、あそこで行っても平原が番手から出て行くだろうし。3コーナーだと平原にもらってしまう。だから、あのタイミングだけは間違えないようにと。踏み出した時は出が良かったし、3コーナーまでに平原に並ぶことができればへばりついてなんとか行けるかなと。きれいにまくれたのは、マグレかもしれないけど自信にはなりますね。(決勝は)浅井(康太)の後ろで自分の良さを殺すよりもと思って。浅井を連れてだと最低限の走りを求められるけど、それでもイケそうな感じがする。僕がしっかりと仕事をして、浅井に仕事をしてもらうのが別線にとっても怖いと思うんで」
 「僕がヘボいだけです…」とは、番手まくりも吉田を合わせ切れずに2着で優出の平原康多(写真)。芦澤との車単が190円の断然人気だっただけに、地元ファンの期待に応えられず反省の弁。
 「難しいですね。自分も番手まくりを前提にレースをしてなかったんで。(吉田を)止めたかった。土屋も掛かっていたし、そこら辺が未熟でした。1着を取りたかったけど、(吉田に)行かれてしまった…」
 吉田のまくりに離れ気味だった大槻寛徳を最終2センターで仕上げた芦澤大輔(写真)が、平原に流れ込み3着。
 「(吉田が)強かったし、あのスピードじゃ…。悔しいですね、圧倒的な人気にもなっていたんで。今日は平原君に任せていたし、平原君が圧倒的に強いと思っていたけど、今日は吉田さんが…。自分は今日が一番良かった。やっと踏みたいところで踏めてきた。明日の決勝は今日よりもいいと思います」
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