『西武園競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月21日

 西武園競輪場を舞台に開催されている開設68周年記念「ゴールド・ウイング賞(GIII)」は、4月21日に3日目を迎えた。初日特選、2日目の優秀を圧巻の内容で連勝した地元の平原康多は、準決も人気に応えて無傷で決勝にコマを進めた。また、三谷竜生、浅井康太も順当に勝ち上がった。いよいよシリーズも大詰め、22日の最終日には激戦を勝ち抜いた豪華メンバーによって決勝が行われる。また、6レースでは「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が一発勝負で争われる。
 本場では22日の最終日も、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」のキャラクターショー、女性アイドルグループ「夢みるアドレセンス」のライブショー、ふなごろー、ふにゃっしーらによる「ご当地キャラ紹介ステージ」、先着1000人にオリジナルクオカードやオリジナルキャップが当たるスピードくじの配布、先着お菓子プレゼント(500人)、先着ドリンクサービスなどが予定されています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<10R>

新山響平選手
新山響平選手

和田圭選手
和田圭選手
 青板3コーナーから後ろ攻めの新山響平(写真)が上昇。5番手の鈴木謙太郎は合わせて出ようとするが、先に新山が誘導を降ろして赤板過ぎにハナに立つ。そこを吉田敏洋が2コーナーで新山を押さえて出る。吉田ラインに坂本亮馬も続く。新山は内に包まれた状態で打鐘を迎える。しかし、吉田が内のコースを空けると、新山は吉田をすくって最終ホームで主導権を奪取。その後も快調に逃げた新山が、そのまま後続を振り切って、今年初の記念決勝進出を決めた。
 「前々にと思ってました。運が良かったですね。(打鐘で)フタをされた時に、ヨコの動きでは勝てないなと思ってたら内が空いてくれた。初めてレースで内(のコース)に行ったかもしれないです。(ギアの)3.77がいいのか、体がいいのかわからないですけど、調子はいいです。(決勝は)簡単にはいかないと思うけど、先行で頑張りたいです」
 インを突いた新山にわずかに車間が空いた和田圭(写真)は、その車間をキープするように追走し2着でゴール。
 「フタをされた時に、(鈴木)謙太郎さんが来ていたら巻き返せなかったですね。(自分は最終バックで)新山と車間を空けて、吉田(敏洋)さんが来たら(車間を)詰めて踏もうと思ってた。でも、あれ以上車間を空けてたら離れてました。(新山が)強かったですね」
 内側からきた北日本コンビを追って、3番手に入った吉田敏洋は和田の動きに惑わされて3着流れ込み。
 「走ってる回数(経験)が違うでしょう(笑)。(坂本)亮馬には、内をすくわれたらいかんなと思っていたけど、あそこを空ければ来るのは新山しかいないと。あれでまくれればカッコいいけど、和田がどうすんのって。ちぎれているのか、うまく空けているのかどっちだろうって。あれ(和田)にやられた。自分はタテ脚は出てないけど、しっかりレースを見てつくれている。主導権を取れてない。でも、それほど悲観はしていない」
 包まれて仕掛けられなかった鈴木謙太郎は、最終2コーナー手前からまくり出たが不発。8着に終った。
 「展開負けですね。新山より先に動きたかったけど、先に(前を)切れなかった時点で、どう動くか考えていたら展開に追いつかなかったです。終始、余裕はあって外が空いてれば仕掛けられたので悔しいですね」

<11R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板でじわりと浅井康太を押さえた三谷竜生(写真)は、中四国勢を受けて4番手。中四国ラインに続いた木暮安由と三谷の併走になるかに思われたが、木暮は打鐘の3コーナーでそのまま踏み上げる。門田凌が突っ張ってペースを上げると、木暮は小倉竜二が踏み遅れた番手に入る。阿部大樹が木暮に遅れてタイミングがズレた三谷だったが、最終1コーナーで外をけん制しながらまくりを打つ。逃げる門田の番手から合わせて出た木暮を三谷が沈めて1着。
 「阿部君の動きが邪魔になったけど、レースの流れで(仕掛けて)行けたことは良かった。(木暮に合わされて)苦しかったですけど、外側(併走)は得意なんで。調子自体はずっといいし、初日、2日目、3日目と徐々に良くなっている。決勝もしっかり走りたい」
 後方の浅井康太(写真)は、最終ホームで踏み上げるが三谷に合わされる。落ち着いて三谷、成田和也のあとを追って立て直し、2センターから外を踏んで2着に伸びた。
 「(まくりは)無理やり行ったんですけど、もうちょっと早く行けば良かったっていう反省点がある。あれで早めに行っても、ゴールまでもってたと思う。もう一度踏んでから伸びたし、もったいなかった」
 三谷とタッグを組んだ成田和也は、急造ラインもソツなく追走。最終3コーナー過ぎから内に小倉を押し込んで、ゴール寸前で木暮を交わして3着に上がった。
 「(三谷は)強いですね、余裕をもって走っている。三谷君がまくって、木暮君に合わされてどうかと思ったけど(三谷は)ずっと踏んでましたね。自分はまだ外を踏むには早い。内を空けたら小倉さんに行かれるだけなんでああなった。そんなに余裕はないけど、(決勝に)上がれたんでよかったです」
 「まだまだ自分の力が(周りと戦う)レベルにない」とは、主導権を握った新鋭の門田凌。木暮を合わせて敢然と風を切ったものの、三谷にまくられて力の差を痛感する。
 「みんな知っている人たちだったんで、そんな緊張はしなかった。でも、落ち着いてできたのか、できてないのかは…」

<12R>

平原康多選手
平原康多選手

芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 平原康多(写真)が無傷で決勝進出を決めた。レースは後ろ攻めの宿口陽一から動くと、中団の松谷秀幸、前受けの井上昌己と各ラインが一斉に動き出す。井上が松谷を突っ張った上を、宿口が赤板の2コーナーで押さえて主導権を握った。フカして駆ける宿口に対し、7番手の松谷が打鐘の4コーナーから反撃に出る。平原は松谷をけん制するが、止まらないと判断して番手まくりを敢行。力強く押し切って人気に応えた。
 「宿口がタレてきて。松谷をけん制したけど、行きそうだったから踏ませてもらいました。宿口は練習を一緒にしているし、気持ちは伝わりましたね。結果を出してやらないと申し訳ないと思って。(1着で)ホッとしました。後ろの芦澤(大輔)も付いてきてくれると思っていましたね。芦澤とは何度も連係しているし、同級生で気心知れた仲なので。(決勝は)優勝を意識すると勝てないので。自分の走りをしようと思った方がいい結果が出る。決勝も自力で芦澤とどちらかが優勝できるように」
 芦澤大輔(写真)が平原に続いて2着を確保。関東3番手から、しっかりラインを盛り立てた。
 「余裕があったというより、なにも考えずに集中していました。松谷も仕掛けてくるし、みんななんでもしてくるので負けないように。あとはマークだけはと思って。(宿口)陽一と平原にお世話になりましたね」
 中団を確保した井上昌己は、番手からまくった平原、芦澤を追走。中村浩士に絡まれる展開を乗り切って3着に入った。
 「位置を取るだけでいっぱいになってしまいました。2コーナーで詰まったけど、松谷も来ていたし、(中村)浩士さんも降りてきて。よく凌いだ感じですよ。とにかくキツかったです」
 後方から仕掛けた松谷秀幸だったが、関東の2段駆けに屈して8着。苦虫を噛み潰したような表情で、記者の質問に応えた。
 「(7番手に置かれて)最悪ですね。ちゃんと切れば良かったです。状態は悪くないんですけど…。悔しくてなにも言えない」
 平原の白星に貢献した宿口陽一は、「せめてバックは取りたかったですね。あと50メートルもてば。今後は脚をつけて。このあともダービーがあるので」と、さらなるレベルアップを誓った。

<最終日・6R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>

根田空史選手
根田空史選手

雨谷一樹選手
雨谷一樹選手
 南関の地区プロのスプリント種目を7連覇中と、競技でも実績のある根田空史(写真)に人気が集まりそうだ。近況は体調を崩して一息だったが、回復して上昇ムード。
 「(前回からは)いつも通り練習してきました。最近はずっとこっち(カーボンフレーム)しか乗ってない。(練習は)ほぼ8割方カーボンです。こっちの方が日ごろから乗り慣れてます。(体調は)前回から落ち着いて、かなり楽になりました。(中5日でも)疲れも大丈夫です」
 ナショナルチームに所属している雨谷一樹(写真)のスピードからも目が離せない。ハードなトレーニングのなかで、レベルアップを実感している様子だ。
 「力を出し切れるように、前々にいて、行けるところから全開でいきます。(ここまでは)ナショナルチームの仲間とずっと練習しかしてないです。そのなかで、自分の中では強くなってると思います。少し疲れてはいるんですけど、やれることはやってきたんで」
 普段は追い込みが主戦法の東口善朋だが、巧みなレースセンスで見せ場を作りたい。
 「カーボンはたまに使ってます。地区プロも走ってるんで、不安はないです。とにかく強い自力選手ばっかりなんで、後方にだけは置かれない様に。位置を取ってからですね」
 伊豆のベロドロームで金子貴志や村上義弘らとの練習を経験している下岡優季は、競走得点以上のポテンシャルを秘めている。
 「(カーボンフレームでやっている)練習はそこそこ自信があるんで、それを出せればチャンスはあると思う。競技はやったことないですけど、穴をあけられるように。西武園は初めてですね。軽そうだし、スピードを生かせれば」