『開設58周年京王閣記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:10月23日


 20日から京王閣競輪場で開催されていた開設58周年記念「ゴールドカップレース」は23日に全日程を終えた。メインは連日、激戦を制して勝ち上がった9名のファイナリストによる決勝戦。レースを制したのは後閑信一で、移籍初戦、期待を一身に背負った今開催を制した。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると松岡健介が飛び出し、後閑信一と長塚智広が続いた。初手の並びは松岡―山口幸二―吉永好宏が前攻め、平原康多―後閑―高橋大作が中団に位置し、長塚―坂本英一に斎藤登志信が付けて後ろ攻めとなった。
 レースが動いたのは赤板から。まずは長塚がゆっくりと上昇を開始し、ジャンで松岡を押さえにかかる。しかし、松岡はこれを突っ張った。するとすかさず平原が一気に踏み込んで先頭に立ち、続いた長塚は中団取りに徹して松岡を下げさせた。隊列は一本棒となり、理想的な展開となった平原はホームから先行態勢に入った。バックでは完全に平原のマイペースとなり、松岡は巻き返せず。大勢は決して勝負は平原と後閑のマッチレースとなり、後閑がゴール寸前で平原を捕らえて優勝した。


後閑信一選手
後閑信一選手

 レースは平原康多が力強く先制すると、四角ハコの後閑信一が直線を鋭く伸びて、ゴール直前で僅かに差し交わした。東京初陣となった今回、見事に期待に応えた後閑は、表彰式を終えて検車場に引き揚げてくると、周囲の仲間達にしきりに感謝。優勝した喜びを噛み締めながら取材に応じる。
 「平原君とは作戦は組まなかった。信用しているし『好きに走ってくれ』と話しただけ。平原サマサマです。彼は日に日に脚が良くなっていたから、今日は抜けないかなと思った。今回は移籍初戦とあって、いろいろな人の期待に応えなければと言う責任を感じていただけにホッとしています。この責任を果たせたのは、周りのおかげ。平原君にせよ、二日目に落車したのに頑張ってくれた高橋君にせよ、本当に皆さんに感謝しています」

 先行してレースを作った平原康多は大役を果たした。自身の状態も抜群に良く、尚且つ日頃から世話になっている後閑の優勝に貢献でき満足気だ。
 「今日は精一杯の仕事が出来ました。先行と決めていたし、一番良いかたちになりました。僕自身、かなり脚が戻っているのを実感できたし、今日は2着でも十分満足です」
 今開催は2122着とデキの高さを覗わせた。次場所以降に期待がかかる。

 もう一人の“地元”高橋大作は二日目に落車負傷するアクシデントに見舞われたが、きっちりと優出。満身創痍の身体にムチを打ち、三番手をきっちりと固めて3着に流れ込んだ。
 「前が頼もしい二人だし、三番手の仕事はできたと思います。地元だし、今日は気合だけで走ったけど、最後は脚に余裕があった。もう少し(コースが)空けばチャンスだったですね」

 関東勢は5名が決勝に乗り、ラインは二分された。長塚智広は坂本英一との連係で、中団を奪うなど積極的に動いたが、結果は着外に。
 「折角の決勝だし何かしないといけないでしょ。中団を取れたけど、吉永さんがヨコに来ていたからね…」

 松岡健介は仕掛けどころを逸し、最後まで反撃できず仕舞い。
 「前を取ったけど、関東勢が多いし突っ張るのは難しい。結局後ろに置かれてしまった」

 松岡マークの山口幸二は「(松岡と)中団を取って、まくりやまくり追い込みで勝負と思っていたけど、後方になってしまったからね」とサバサバとレースを振り返る。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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