『京王閣競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:10月18日


 本日、10月18日から京王閣競輪場にて開設59周年記念「ゴールドカップレース」が開幕。秋風漂う晴天のなか、今日は予選から特選まで計11レースが予定通り行われ、各戦ともに熾烈なデットヒートが繰り広げられた。
 なお、明日は、北京五輪ケイリン銀メダリストのエドガーや、永井清史、長塚智広らの面々によって「ワールドグランプリ08」が行われる。こちらも見どころ十分だ。
 明日も本場では5ライダーが大集合する握手会や、ラッキー縁日、豪華景品のあたるスクラッチカードの配布(先着3000名様)や、コカコーラ社飲料の無料サービス(先着5000名)など様々なイベントを用意しております。ぜひとも京王閣競輪場までお越し下さい。


<1R>
 オープニングの1レースは、逃げた大森慶一を利した杉浦康一が直線で抜け出した。
 「作戦はほぼ予定通り。大森には組み立てのことを少し話しただけで、あとは全て信頼していました。久々に連係したけど、全く不安はありませんでした。ただ、2センターで横に8番(手嶋靖)が来たから、仕方なく早めに踏んだ。もう少し余裕があれば良かったんだけどね…」
上吹越直樹は後方八番手に置かれたが、直線で大外を強襲して3着に食い込んだ。
 「中団を取りたかったけど、辻(力)さんの動きに慌ててしまい、展開通りにいきませんでした。でも、何とか立て直せたし、脚にも余裕があったから直線でも良く伸びました」


<2R>
 2レースは外山三平と三槻智清の先行争いとなると、中曽直彦が渾身のひとまくりで前団を飲み込んだ。
 「今日は、緩んだらどこからでも行こうという気持ちでいました。すかさず仕掛けられたし、バックも踏まなかったから一気に行けたけど、出切ってからはもう一杯。2、3着に残れればと思っていただけに、ビックリしてます」


<3R>
 3レースは片寄雄己が山おろしを使ってホーム手前からカマして主導権をにぎると、マークした宮倉勇が直線で追い込んで1着に。
 「片寄君は踏み出しが良いし、打鐘後、3コーナーを上りながら踏んでいったから離れそうになってしまった。そのあと山おろしだったから、吸い込まれるようになって着いていけた。前のレースで練習仲間の中曽が頑張ってたのを見て気合が入りました」
 鈴木伸之を捨て、番手まくりを放った本村隆文は「藤田さんが内にきたのが分かった。もし、あそこで当てられたら俺も行けない。それに後ろに片岡(浩也)さんもいたから仕方なく前に踏ませてもらった。本来なら番手の仕事をしなきゃいけないのに…」と2着入線にも笑顔はない。


<4R>
 4レースは、先手を奪った高橋陽介ラインの三番手から、沼川夢久が早めに踏み込んで1着をさらった。
 「今は効果的な練習ができていて、前回の富山から成績が少しずつ上向いているんです。今日は高橋君が駆けてくれたし、展開としては抜群でした」
 藤田大輔がすんなりと車を引いたため、高橋陽介はあっさりと主導権をにぎって3着に粘った。
 「踏み合いも覚悟していただけに、藤田君が引いたのが意外でした。出切ってからは流すところは流せたし、自分のペースで踏めました。最近は状態が上がっているし、迷いなく先行して結果が出ているのは自信になります」


<5R>
五日市誠選手
五日市誠選手
   5レースは、前団がもつれて隊列が短くなったところを、五日市誠(写真)が豪快にまくり上げて快勝した。
 「上がろうと思ったら、9番(葛西)が行ったので少し様子をみました。踏み出しが少し遅かったけど、結果的に出切れたし、踏んだ感じは悪くないですね。前のレースで、(高橋)陽介さんが3着に残ったから、レース前に自分もやらなきゃって意気込んでいました」
 五日市のまくりにスイッチした宇根秀俊は、一村好伸に踏み勝ち2着に食い込んだ。
 「(五日市の)まくりが来たから振ったんだけど、その上を行かれてしまった。直線手前で切り替えて前に踏もうと思ったんだけど、一村さんに肘を引っ掛けられてしまった。車は出んし、えらいきつかったですよ」


<6R>
小松剛之選手
小松剛之選手
   6レースからは選抜戦。勝ったのは小松剛之(写真)。前を任せた及川裕奨の番手から抜け出すと、直線を鋭く伸びた。
 「本来なら及川を残す踏み方をしなきゃいけないんですけどね…。それだけに今日は技量不足でした。でも、気持ちは一杯一杯だったけど、脚には余裕があった。踏み出しにもしっかり付いていけましたしね」
 丸山啓一は後方に置かれる苦しい展開を耐えしのぎ、3着入線を果たした。
 「直線に入る所で7番(廣川)に接触してしまい少しヒヤッとしましたけど、直線は踏み切れると思っていました。だから、後方にいても気持ち的には余裕があったし、自分の力が出し切れると思ってました。久々に自分の力が発揮できましたね」


<7R>
金成和幸選手
金成和幸選手
   7レースは荻原尚人が果敢に先行。これで番手絶好になった金成和幸(写真)が粘る荻原をゴール寸前で捕らえた。
 「荻原があまり体調が良くないって言ってたし、あまり踏むと後ろまで連れ込んじゃう。差すか、差さないかくらいの感じで踏みました。好きなように走れば良いと言ってあったのに、競らせないように行ってくれてありがたかった。地区プロのケイリンで連覇できたのが自信になってるし、良い流れで来れてますね」
 2着に粘った荻原尚人だが、昨日同様に表情は硬いままだ。
 「全然踏めてないですね…。展開は楽だったけど、体調が悪いのでキツかったです。でも何とか二次予選Aに上がれたので、あとは流れで頑張ります」
 九番手からインコースを突いた城戸崎隆史が3着に強襲した。
 「2センターでも九番手だからマズイと思ったけどね。野田(源一)君は展開的に組み立てが難しかっただろうけど、僕は余裕がありました。ただコースを突いたりするのが慣れてないので見ながら突っ込む感じになってますね」


<8R>
尾崎剛選手
尾崎剛選手
   8レースは地元の新鋭・柴田洋輔が気風の良い先行策で別線を完封。最後はマークの尾崎に交わされたが、両者でワンツーを決めた。
 「踏み出す時に脚を使ったし、少し重たい感じがしたけど、出切ってからはいつも通りの競走ができました。展開もすんなりでしたしね。明日は二次予選Aだし嬉しいですね。強い人相手に持ち味が出せるように頑張りたい」
 尾崎剛(写真)は番手絶好の展開を生かした。
 「レース前柴田に、落ち着け、落ち着けとずっと言っていたけど、そんな不安は全然ありませんでした。別線の仕掛けが来たら絶対に止めようと準備していたけど、全く心配なかったし。今日は一年に1回あるかないかのスンナリした展開でした。良い追加参戦になりましたね」


<9R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   9レースは藤田竜矢が先行。六番手から小嶋敬二がまくり上げると、合わせて四番手から武井大介もまくって出る。3コーナーで大外を回された小嶋だが、そのまま力で踏み切り見事勝ち星を挙げた。
 「3.71だったら何てことなかったけどね。3コーナーで止まっちゃったけど、人気になってたし届かなきゃと思ってました。届いて良かったです。疲れはあるけど、条件はみんな同じ。全日本選抜やGPもあるし、その前に早めに追い込んでたのが良かったみたいですね」
 2着は同着。小嶋マークから2着の加藤慎平(写真)は「止まってから行けるんだからすごい」と小嶋の強さを絶賛する。
 「小嶋さんは凄いですよ。それなのに俺は、直線で内を突こうとして、コース取りを誤ってしまった。結果的にワンツーを決められたけど、ああいうミスはしちゃいけませんね」
 兵藤一也(2着)もあっせん停止明けから変わらぬ鋭い伸びで、明日の「東京オーヴァル賞」へ駒を進めた。
 「たまたまですよ。しのいだと言うよりはコースが空いた。僕は付いて行ってサラ脚だったから。どんな展開でも3着までには入ろうと思ってるし、良い感じですね」


<10R>
小野俊之選手
小野俊之選手
   10レースは後ろ攻めの北津留翼が押さえ先行。上手くペースに持ち込むと、今日唯一の逃げ切り勝ちを収めた。
 「脚が重くてきつかったけど、風が結構あったから、良いスピードがもらえたし、展開にも恵まれました。勝てたけど、もう少しスピードが欲しかったですね」
 交わせず2着の小野俊之(写真)だが、1走したことで自身の状態を確かめられたようだ。
 「今日は付いて行っただけだし、翼が強かった。でも今日走ってみて、思ったよりは戦えると思う。思ったよりですけどね。車間を切ってたけど、3コーナーから伸びて行ったし、やっぱり翼は強い。ワンツーで良かったです」
 バック七番手で絶体絶命かに見えた佐藤友和だが、異次元のスピードで3着に強襲した。
 「スタートを取りたくないのに取らされたし、一番やっちゃいけない展開でしたね。苦しかった」


<11R>
平原康多選手
平原康多選手
   11レースは関東勢が苦しい展開に。打鐘前に押さえた上を五十嵐力に叩かれ、さらに外を石丸寛之にフタされてしまった。しかし、それでも平原康多は石丸をどかして反撃。五十嵐に合わされ三番手に入り直したが、再度バックからまくり上げると、ラインで上位独占を果たした。勝った後閑信一は地元記念の好スタートに安堵の表情を浮かべる。
 「最後は結構一杯だったけど気力で乗り切りました。今日に関しては、自分の力なんかは微々たるもの。全て平原の頑張りがあったおかげです。身体はキツいけど、明日からの3走は、魂を込めた競走で乗り切るつもりです」
 手島慶介も「ホームで平原を入れて、上手く関東勢で決められたから良かった。思ったより上がりタイムは出てたけど、調子はいつもどおりですね。また明日も頑張ります」と三番手の仕事をしっかりこなして2着に流れ込んだ。
 平原康多(写真)は「今日は納得の3着です。多少脚を使ってでも前に出ようと決めていたし、実際に石丸さんをどかして出ていけた。気力も充実しているし、それがレースにも現れていると思います」
 平原にどかされ大敗した石丸寛之だが、「五十嵐がもう少し遅めに叩いたら、その上をカマしても良かったけどね。どかされてどうしようもなかったけど、感じは悪くない」と明日以降の巻き返しを誓った。


<19日(2日目)10R ワールドグランプリ>
新田康仁選手
新田康仁選手
   なお明日の10レースは海外招待選手3名と日本人選手6名が激突するワールドグランプリが行われる。日本人選手では唯一のS級S班となる新田康仁(写真)は、リラックスムードで明日への意気込みを話す。
 「明日は日本人から優勝者を出すのが第一ですね。ここで賞金のことは意識してないし、このレースなら危ないこともないでしょう。調子は変わらないです」
 佐藤慎太郎は5月全プロ記念競輪の落車から5カ月ぶりの実戦となる。
 「ほんとはASに間に合わせるつもりが、とても戦える状態ではなかった。今でも練習の感じは7、8割ですね。レースになったら、もっと出せないかも。来年をめどに調子を完璧に戻すつもりだし、まずは明日走ってみてですね」
 永井清史は北京五輪以来となるエドガーとの対戦に闘志を燃やす。
 「久々の対戦だし、負けたくないって気持ちが強いのは当たり前ですよ。ただ、どんな相手となっても僕は先行しか考えていませんよ」


↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved