『京王閣競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:10月20日


 京王閣競輪場で開催されている開設59周年記念「ゴールドカップレース」は3日目が終了。本日行われた準決勝戦4個レースでは、各戦白熱した攻防が繰り広げられた。地元の後閑信一、高橋大作を筆頭に、平原康多、神山雄一郎、佐藤友和、北津留翼らが激戦を勝ち上がり、決勝戦は豪華な顔ぶれがそろった。
 明日の最終日は、滝澤正光氏によるトークショー、「オーヴァル・エンジェルス」によるステージショー、ラッキー縁日や豪華景品の当たるスクラッチカードの配布(先着3000名)などイベントも満載。アクセス便利な京王閣競輪場へぜひともご来場ください。


<8R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   8レースの準決勝Cを1着で突破し、決勝戦進出一番乗りを決めたのは北津留翼(写真)。先行一車の展開で、後続のもつれを尻目にペース駆けに持ち込みそのまま押し切って快勝。落車明けとは思えぬ、抜群のパフォーマンスを披露した。
 「ホーム過ぎに金成(和幸)さんが来たから、それに合わせて踏みました。ただ、後ろを気にしながら踏んだから、レースとしては難しかったし、結構一杯一杯でした。後ろが離れたのは分かったけど、丸山(啓一)さんに入られたとは思わなかった。最後は踏み直しもできたけど、きつかったですよ。それでも、日に日にセッティングが噛み合ってきたし、動きもスムーズです」
 2着の丸山啓一は北津留の後位にはまり込んだが、直線で伸びを欠いてしまい北津留を捕らえることができなかった。
 「北津留のハコがごちゃつくし、あの位置が空くのは分かっていたこと。予定通りの展開になって絶好のチャンスだったんだけど、直線で脚が三角になってしまいました。今までに経験したことがない脚の回り方でしたね。今日みたいな展開なら、ギアを上げなければ良かったかな」
 北津留の番手を取り切った佐久間仙行だが、1センターで口が空いたのが致命的だった。
 「(金成との競りで内に入り)バックを踏んだところを北津留に踏まれてしまった。良い感じで丸山に番手に入られたから、内を空けたら入ろうと思ったけど空かなかった。1コーナーすぎが悔しすぎますね。あとは地元の3人に任せます」


<9R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   9レースは、最終ホームから巻き返した石丸寛之(写真)が、先行した新田祐大を直線でまくりきった。最後はマークの加藤慎平に交わされはしたが、両者でワンツーを決めた。石丸は検車場でホッとした表情を浮かべながらレースを振り返る。
 「今日は長い距離をもがくのも覚悟していたし、1センターでちょうど舘さんが外に膨れたのが分かったから、そこを目がけて踏みました。岡田(征陽)が新田の内に行ったのは分からなかったし、ホント、展開が向きましたね。外を踏みっぱなしだったのもきつかったけど、新田の踏み直しが何よりもきつかった。どうにかしのいだかなと思ったら、最後(加藤)慎平に行かれてしまった。さすが脚があるよね(苦笑)」
 その加藤慎平(写真)は「石丸さんが、“ここしかない”って絶好のタイミングで踏み出してくれたおかげです。レース前に石丸さんが『普段の自分の航続距離よりも長く駆けるかも』と話していたんで、どこから仕掛けても良いように準備と覚悟をしていました。やっぱり、カマシ、まくりのスピードが違いますよ」と石丸の強さを絶賛する。
 先行した新田祐大は、ゴール寸前でわずかに失速して3着に。惜しくも優参を逃した。
 「ほぼ作戦通りだったけど、踏み出しが遅かった。その分、石丸さんと合ってしまったのかも。石丸さんもギアがかかっていたから、少しでも出られたらもうダメだと思って慌てて踏み直したけど、結局ダメでしたね。出だしがもっと良ければ、最後まで持ったかもしれません」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
高橋大作選手
高橋大作選手
   10レースは藤田竜矢が先行態勢に入ると、中団を小嶋敬二と佐藤友和(写真)が争う形に。外の小嶋が後退し、佐藤が単独で中団を取り切ると、最後は鮮やかなまくり追い込みで前団を飲み込んだ。
 「今日は位置取りだけは厳しくいこうと思ってました。早く仕掛けるつもりだったけど、中団を取り切るまでに時間がかかったし、態勢が整ってからだから遅くなってしまった」
 昨日同様に逃げた藤田の番手を回った高橋大作(写真)。藤田をギリギリまでかばいながらも、同じ失敗(昨日は藤田を抜けず)は繰り返さないとばかりに、最後はきっちり前を捕らえた。
 「極力遅めに抜きに行ったけど、昨日のこともあったし、後ろの兵藤や友和も脚がある。この展開で4、5着にはなりたくなかった。藤田は残りそうな感じだったけどね。このメンバーで決勝に乗れてうれしいし、仕上がりは申し分ないです」
 佐藤マークの神山雄一郎は外を鋭く伸びて、ゴール寸前で3着に滑り込んだ。
 「友和はまくり追い込みだったし、前は脚を使ってない2人(高橋、兵藤)でしょ。正直、ピンチだなと思いました。でも、届いて良かった。疲れはあるけど、しのいで来たから明日も何とか頑張りたい」
 逃げた藤田竜矢は惜しくも4着で決勝進出を逃した。
 「もう少し冷静に踏めれば良かったけど、やっぱり力んじゃいました。ハンドルを投げたときは乗ったと思ったけど、横を見たら(神山が)いたから。悔しいですね…」
 連日、鋭い伸びを見せていた兵藤一也だったが、「藤田のペースにはまっちゃった」と5着で涙を飲んだ。


<11R>
後閑信一選手
後閑信一選手
武井大介選手
武井大介選手
   11レースは3日連続でトリオを組んだ関東勢が圧倒的な人気を集めた。中団の五十嵐力にけん制されながらも、打鐘の4コーナーから平原康多が先行。地元で連日気迫のこもった走りを見せている後閑信一(写真)が悲願の地元記念連覇へのマジックを1とした。
 「五十嵐が番手に来たら勝負しようと思ってたけど、展開が向きましたね。不安で入った地元記念だったけど、決勝に乗れて良かったです。共同通信社杯を途中欠場して、ここまでにサンからシューズからやり換えて、練習もノイローゼになるくらい何時間もやってきた。今日も平原を抜けたし、やっと元の良い状態に近づいてきたと思う。明日も根性で頑張ります」
 五十嵐を力でねじ伏せ、2着に粘った平原康多もホッとした表情でレースを振り返る。
 「ダメ元でしたよ。自分がダメでも、(後ろを)何とかしたかったので。でも昨日、一昨日とキツいレースをしてきたから今日は楽でしたね。明日はもっと軽くなると思う。去年は僕の先行でワンツースリーだったし、明日も劇的に決まるように頑張りたい」
 五十嵐後位の武井大介(写真)が手島慶介をドカして3着に食い込んだ。
 「五十嵐さんは突っ張れないと思ったし、早めに三番手をキメてと思った。できれば後閑さんをドカして(番手に)五十嵐さんを入れたかったけど。連日3コーナーから踏んでるし、今日もそこからがギリギリ持つところだと思って行きました。脚の感じも悪くないですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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