『京王閣競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:6月8日


 京王閣競輪場開設60周年記念「ゴールドカップレース」も三日目、いよいよ大詰めを迎えた。今日は決勝の椅子をかけて繰り広げられた準決勝4個レースを中心にピックアップ。地元勢からは後閑信一や横田努が勝ち上がると、平原康多や山崎芳仁も順当に勝ち上がり、決勝には豪華メンバーが出揃った。
 なお、最終日の明日(9日)も先着3000名様に豪華賞品が当たるスクラッチカードが無料配布されるほか、女性マッサージ師「オスンジャー」によるマッサージサービス、また特設ステージでは山口健治さんによる「オーヴァル予想会」(7~10R終了後)や元西武ライオンズ監督の伊東勤氏のトークショー(4、6R終了後)など、ファンサービスも充実しています。この機会に、ぜひ決勝戦を本場で観戦してみてはいかがでしょうか?


<8R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
   最難関の準決勝Cを突破したのは渡邉晴智(写真)だった。タイトルホルダーとしての威厳を示し、ついに宿願の通算300勝を達成。レース後は晴れ晴れとした表情で囲まれた記者団に応える。
 「やっと300勝を達成できました。嬉しいし、これで『いつ決めるの?』と言われなくて済むのが何よりですよ。これで満足せず、次を目指して頑張りますよ」
 南関勢の連係は決して成功したとは言えない。一度は三住博昭との連結を外してしまった関根幸夫は、「晴智に付いてもらってるし、バックでは行けるところまでって気持ちで必死に踏み込みました。やっぱりSSのプレッシャーは凄いですよ(苦笑)」
 朝倉佳弘(写真)は地元での優参ならず。悔しさを噛みしめながらレースを振り返る。
 「今日は前受けで、押さえに来るのが早ければ分断、遅かったら突っ張ってしまうつもりでした。結果、駆ける展開になったけど、あれで残れないのは自分の力不足。押し切ってしまうような脚がなきゃ、たとえ追い込みになったとしても上位では通用しないだろうし、もう一度練習しなおしてきます」


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
横田努選手
横田努選手
   準決勝Bでは平原康多(写真)が圧倒的な人気に応える横綱相撲で危なげなく決勝進出。だが、さらなる高みを目指し、決して内容に満足することはない。
 「展開ですね。今日はサドルのセッティングを変えていたんですが、少し前のめり気味になっていてしっくり来なかった。自分ではペースで駆けているつもりだったんですが、最後はちょっとキツかった。明日は戻しますよ。完全に元通りではないですけどね」
 2着には横田努(写真)が続いた。終始マークの展開だが、レース後は苦しそうな表情を見せる。
 「いやぁ、きつかった。(平原)康多は相性が良いですね。落ち着いて駆けてくれるから、後ろで何の不安もない。頼もしいですよ。僕自身は、体調はいいんだけど、前検日から自転車と体がかみ合わない感覚があったんです。そこを後閑さんに修正してもらって、感じが上がってきた。それで大分、楽になりました」
 3着で惜しくも決勝進出を逃した岡部芳幸は「志村君と平原君は、別線とはいえ関東同士だし、自分たちの流れを作ろうとすると思ってました。実際、打鐘で僕が押さえに行った時、志村君が結構踏んだでしょ。勝つにはそれを分断するしかない。そう思って、早めに押さえに行って、打鐘では位置にこだわったんですけどね。内から行かれてはどうしようもない。踏んでいったけど届かないですよ」


<10R>
長塚智広選手
長塚智広選手海老根恵太選手
海老根恵太選手
   山賀雅仁が先行すると、バックからは海老根恵太が番手まくりを敢行。海老根の首位が磐石かに思われたが、千葉勢後位からレースを進めた長塚智広(写真)が直線で鋭く伸びて1着をさらった。
 「今日は自分の力うんぬんでは無く、展開勝ちですかね。千葉勢に賭けていたし、自分が思い描いていた流れになってくれました。ただ、最終バックで永井(清史)君をブロックで止められたのは良かったですね。(ブロックの)才能ありますね、僕(笑)」
 絶好の展開ながら、勝ち星を逃した海老根恵太(写真)は首をひねる。
 「車の出が悪かったですね。永井が凄い勢いでまくってくるのが見えたから、慌てて踏んでしまった。あそこでかなり脚を使ってしまった。いやぁ、番手まくりって本当に難しいですね」
 渾身のまくりを長塚智広に止められ万事休すかに思われた永井清史だったが、3着入線の山口富生の失格により繰り上がって決勝のシートをゲット。しかし「(山口)富生さんが失格ですからね。やっぱり、素直には喜べませんよ。今日は、バックで番手まくりを打った海老根さんと、一瞬スピードが合ってしまった。だから長塚さんのブロックもまともに食らってしまいました。自分にもっと余裕があればイエローライン辺りを踏めたんですけどね。そうすれば牽制も受けなかったし、後方に置かれるくらいなら、カマシても良かったのかな?」と反省の弁に終始した。


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
後閑信一選手
後閑信一選手
   怪物・山崎芳仁(写真)が完全復活だ。レースは田中孝彦が打鐘カマシで先行で山崎芳仁は最終バックで7番手。万事休すかに思われたが、そこから桁違いのスピードで前団に迫り、ゴール寸前で鮮やかに突き抜けた。これで山崎は3連勝、無傷で決勝進出を決めた。
 「前がかなりハイペースになっていたので、後ろに付いていても、思ったほどは楽じゃなかった。最終バックからも、先まくりを打った園田(匠)君のうえを更にまくったのだから、本当にきつかったですよ。ただ、久々にまくり追い込みが決まったのは良かった。今回は押え先行も出来ているし感触は悪くない。ようやく流れが向いてきましたね」
 山崎に全てを託した地元・後閑信一(写真)は、山崎の高速まくりにも、最後までマークを外さず3着。重圧のかかる地元記念で決勝進出を決めた。
 「僕はハンドル絞って、かまえていたけど、最終バックになってもまだ山崎が仕掛けないから正直ヤバイと思いました。けれど、そこからあのスピードでしょ。しびれましたよ。あいつの後ろはバイク誘導みたい。何とか決勝に乗れたから良かったけれど、地元記念の準決勝は本当に緊張しますね」
 渡部哲男は先まくりを打った園田匠の番手から直線で抜け出すも、山崎に屈して2着まで。
 「田中君がかなりハイペースで行ってしまったからね。あれで山崎君の展開になってしまった。僕がバックあたりで園田君をまくって出れば山崎君を止める事も出来たかもしれないけど、さすがにまくりの番手まくりは出来んでしょ。うーん、それにしても1着が獲れないね」
 打鐘からのカマシ先行で、超高速レースを演出した田中孝彦は「相手が相手だったから、とにかく力を出し切るレースをと考えていた。確かに出切ってからは流す手もあったけれど、それでまくられたら、意味が無いですからね。敗れはしたけど、3日間とも先行は出来ているし状態は悪くありませんよ」と納得の表情でレースを振り返った。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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